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三上延 Tag Archive

モーフィアスの教室〈4〉 黄昏の王女

stars でも、とにかくそうする。そうしたいんだよ、俺が。そう決めた。

飯見町に蔓延していく《赤い目》に関する噂。人々は悪夢に囚われ、次々と目を覚まさなくなっていく。誰が悪夢の親なのか、必死に探す直人と綾乃をあざ笑うかのように犠牲者は増え続ける一方で……。

生き残りを賭けたラスボス戦! のはずなのにイマイチ盛り上がりが感じられないのは、前作でもそうだったなあ、とか。

序盤の《赤い目》と直人の父親との対決シーンの結末はぞくりとさせられたんですが、そこが一番盛り上がっていたような気がしてしまいます。

それでも、諸々の問題に決着を付けて、綾乃の身の振り方や、直人にかけられた呪い、棗の気持ちだとかは一通りの答えが出された形できれいに完結してますね。だんだんと影が薄くなっていった妹や、意味深な言葉を告げつつもなんだか良い母親していたクゼーさんやらの扱いが微妙になってしまったのは頁数の都合でしょうか、残念。

hReview by ゆーいち , 2008/11/09

モーフィアスの教室 4
モーフィアスの教室 4 (4) (電撃文庫 み 6-23)
三上 延
アスキー・メディアワークス 2008-11-10

モーフィアスの教室〈3〉 パンタソスの刃

stars 二度と直人を『ヘタレ』なんて呼ぶな。そう呼んでいいのは、わたしだけよ。

些細なすれ違いから生じた、直人と綾乃の間の亀裂。それから半月、ふたりは言葉を交わすこともなく距離を取り続けていた。そしてある日、棗に誘われ出かけたプールで、直人はツグミという女性からの緊急の呼び出しを受ける。心当たりもなく、彼女の家を訪れた直人は、彼女が「赤い目」を持つ夢神と知る。一方、プールへ出かけるふたりの姿を遠目に見ていた綾乃は、突然日本刀を携えた少年の襲撃を受ける。綾乃を倒す、そう告げた少年の目的は……?

いよいよ「赤い目」が本格的に直人と綾乃の排除に向けて動き出します。そして、今まで正体の知れなかった「赤い目」と対峙したふたりの運命は、というお話。

相変わらず、事件の結末は後味が悪くて、今回登場したツグミと麟堂少年の関係は、綾乃と直人の関係と似ていて、そして背負わされた運命も相似しているのに、ああいった終わり方をしてしまうと、それは直人たちの心にも暗い影を落としてしまいそう。

「赤い目」の正体や目的は、物語のラスボスとしてはイマイチな感じはするけれど、今回のエピローグで蒔かれた不安の種は、次巻以降、おそらくはこれまでとは比べものにならないくらいの絶望として芽吹いてきそう。

いや、正直、ここからはバッドエンド路線になりそうだけれど、みんな救われる結末は用意されているのでしょうか?

hReview by ゆーいち , 2008/06/14

モーフィアスの教室 3
モーフィアスの教室 3 (3) (電撃文庫 み 6-22)
三上 延
アスキー・メディアワークス 2008-06-10

モーフィアスの教室〈2〉楽園の扉

stars ……直人。わたしが人間じゃないと分かって、怖いと思わなかった?

〈夢神〉ヨミジを倒し、モーフィアスを手に扉の民として〈赤い目〉と戦う決意をした直人。しかし、悪夢にうなされる夜は毎日のように訪れ、学校の保健室で、綾乃に側にいてもらい眠ることも、彼女の素行が注意された日を境に難しくなる。そんな綾乃が決意したのは、直人の家に押しかけ一緒に住まうこと。直人の妹・水穂は綾乃に敵愾心を燃やすが、新たな〈夢神〉は水穂も巻き込み迫ろうとしていた。

〈夢神〉との決着を付けるバトルよりは、そこに至るまでの過程が怖い怖い。思い出の中の遊園地。楽しかった記憶の拠り所となる思い出の場所が、一転、凄惨な殺戮の場に変わる恐怖。真っ暗な遊園地って、絶好のホラースポットですねえ。そして、〈夢神〉の正体というか、その在り様もまた怖い。身近にいる人間が、いつの間にか入れ替わり化け物と化すというお約束ですが、それに気付いても信じたくないという心理というのは良くわかります。

綾乃は、自らの秘密を棗に明かしたり、これまでの頑なさから、やや軟化した印象。ただ、綾乃自身が望んでいる未来と、彼女の口から語られる建前の乖離は、今後の直人との関係の他にも、棗や水穂との関係にも大きな溝を生んでいるのではないでしょうか。直人のことを少なからず想っている、棗や水穂からすれば、ふたりだけで共有している秘密の内容がどうであれ、それを看過できないでしょうしね。

そんな意味では、彼女たちの嫉妬フラグは今後の悲劇へのフラグともなりそうで戦々恐々。変な風にこじれて行かなきゃ良いけど。でも、盛り上がる方向としては、そういう四角関係ですよねー。

hReview by ゆーいち , 2008/03/26

モーフィアスの教室2
モーフィアスの教室 2 (2) (電撃文庫 み 6-21)
三上 延
メディアワークス 2008-03-10

モーフィアスの教室

stars 悪夢が現実を浸食する

父を亡くしてから1年が過ぎた。岸杜直人は妹とのふたりの生活をなんとか送りつつ、毎夜の悪夢に悩まされていた。そんな時、保健室で休んでいる最中に見た、赤い目の怪物がクラスメイトを頭から丸ごと食ってしまうという悪夢。現実の世界で、そのクラスメイトが目を覚まさなくなり、病院に運ばれる様を見るに至り、今までの夢が単なる夢でないことを直感する。

人を喰らい、現実世界に這い出ようとする、人間の悪夢が生み出した怪物「夢神」と、それに対抗する力を持った主人公たちの対決の物語。主人公が微妙にヘタレというか、切り札的な存在なのに、その実力を十分に発揮できないという状況に在るというのが、相変わらずというか前シリーズの『天空のアルカミレス』を彷彿とさせますね。

設定的に『断章のグリム』とかを連想したのですが、雰囲気はずいぶんと違うなあという印象です。あそこまでグロさはない代わりに、受け身みではなく、積極的に事態を解決しようと動いて行ってるし、あとは、ラストも比較的マシなところに落ちていますし。

続刊前提で、これでもかと続く感じで終わってしまったのですが、ラストで明かされたヒロインの綾乃の正体とかが、かなり意外で、それを今後どういう風に物語に絡めてくるのか気になります。主人公が背負っている罪が赦される日が来るのかということと、綾乃が救われる日が来るのかということが表裏一体で、しかもその日が来るということは、すなわちふたりの別れを予感させるだけに、直人と綾乃の関係の行方それ自体にも注目です。

hReview by 自分の名前 , 2008/01/29

モーフィアスの教室
モーフィアスの教室 (電撃文庫 み 6-20)
三上 延
メディアワークス 2008-01-10

天空のアルカミレス〈5〉 聖婚の日

stars 伏線回収のオンパレード! の最終巻

傷つき満足に戦うこともできない拓也に代わり、ルスランに攫われた日向子を救出するために“城”を目指す礼奈と毬子。それを追う形で拓也と享司も“城”を目指す。主要人物が集う“城”でついに聖婚の儀が執り行われようとしている。

……グロスマンは前巻の印象そのままに小物ぶりを存分に発揮して退場されてしまいました。彼の妄執の根源とかが語られてもなんとも共感できないし、自己愛と権力欲に溺れただけの哀れな道化だったという印象ががが。
逆にルスランの反則ぶりばかり際だって。拓也も最後まで自力で彼を打倒することはできなかったような感じ。あの決着の仕方は何とも地味な感じがしましたね。機転と奇策で逆転勝利、なんですが、どうにも爽快感に欠けるというか。シリーズを通して、拓也は成り立てのアルカミレスということで、戦闘では与えられた強力な力に振り回されるような形で参加していたのと、強敵揃いで辛勝ばかりだったというのが戦闘シーンの地味な印象を引き立てているのかなあ。

享司と深月女史の関係も、今回唐突に明かされたり、享司自身の正体とかそういう素振りがほとんどなかったので驚き。享司自身は初めてできたに等しい友人らを守るという本懐を果たしたのですが、逆に深月女史の描写がほとんどないので、そういったフォローがもうちょっとほしかったかな。

テリオンやアルカミレスの成り立ち、黄金の戦器の意味、その他諸々の設定が一気に明かされた中盤からは駆け足展開な感じでしたが、ほとんどの伏線回収し尽くしたし、エピローグもハッピーエンドといっていい感じなので、物語的には綺麗な終幕といえると思います。

hReview by ゆーいち , 2007/06/16

天空のアルカミレス 5
天空のアルカミレス 5 (5)
三上 延
メディアワークス 2007-06

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