Home > Tags > 上野遊
上野遊 Tag Archive
銀槌のアレキサンドラ〈2〉
あたしは光輔のなんなの? 娘? 妹? 違うでしょ!
テニスへの復帰を決めた光輔は、クラスメイトの初美の案内で、ラケットの購入のため街へ繰り出していた。けれど、その帰りにふたりを襲ったのは、鳥の形をした魔獣。初美を置いてひとり危険に身をさらした光輔を助けたのは、白いコートに真紅の髪の少女・アルマンディン。サンドラと同期で、単なるライバルという言葉以上に彼女を敵視するアルマは、先ほどの魔獣を倒すためにやってきたと言うが……。
アルマの一方的な思い込みは、それほど深く掘り下げられてはいないけれど、魔法使いという存在が、単なる正義の味方などではなく、誰かの期待も背負わなければならない苦しみを内包しているというのは、前巻でもありましたが、やはり悩みの種のようで。
そして、ふとした言葉のすれ違い、行き違いで、またしてもケンカしてしまった光輔とサンドラ。今や、満足に魔法を使うことのできないサンドラは、光輔から離れることができないのに、ケンカしてしまった後ろめたさから、あるいは、光輔に嫌われてしまったという恐れから、魔法使いを続けることを諦めるなどという弱音を漏らす儚さなんてものを見せてくれました。まぁ、その後の悩みの解決は割とあっさり気味ですが、こういう雨降って地固まる展開は、王道であるがゆえに良いものです。
魔獣退治のためのパートナーという以上の関係になりつつある光輔とサンドラ。魔石が分離できて、その関係を続ける理由がなくなったときに、また難しい選択が訪れそうですね。
光輔のファンを自称する初美嬢、ヒロイン的な扱いされても良いのに、報われてないなあ。サンドラの噛ませ犬で終わってしまうのか……っ!?
hReview by ゆーいち , 2008/03/24
- 銀槌のアレキサンドラ 2 (2) (電撃文庫 う 3-6)
- 上野 遊
- メディアワークス 2008-03-10
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
銀槌のアレキサンドラ
戦う意志は大切なものを守る力 立ち上がる力
バイトを上がり、友人たちとの合コンの約束に急ぐ道すがら、近道のために突っ切った公園で、光輔は謎の生き物(?)に襲われる。この世のものとは思えぬ異形の獣。怪我の後遺症が残る右足に噛みつかれ、引き裂かれる感触を最後に意識は途切れ、けれど、命は失われず怪我も嘘のように消え失せ、そして、彼の前に立つのは巨大な銀のハンマーを携えた少女・アレキサンドラだった。
正統派な感じのボーイミーツガールでした。世界を守るという使命と、かつて大切な人を自分の未熟さから失ったという負い目を背負うサンドラと、怪我のために情熱を傾けてきたテニスから離れざるをえず、燻り続けてきた光輔の物語。
異世界から訪れた、世界の護り手、という大層な肩書きの割には、よく食べ、ちょっとおっちょこちょいな面を見せるサンドラ。そんな彼女に巻き込まれ、自分の存在すら脅かされる事態になりながらも、彼女と最後まで付き合う覚悟を決めた光輔。最初は少しぎくしゃくしつつも、中盤以降の息のあったコンビプレーはなかなか。いいパートナーとなりそうな予感がひしひしですね。
惜しむらくは、光輔に憧れてテニスを始めたというクラスメイトの初美嬢が、光輔とサンドラの関係を引っかき回すに至らなかったところ。男1人に女2人、揃ったら三角関係でしょう、と言わんばかりのシチュエーションですから、日常シーンではそういった恋の鞘当て的な展開も見てみたいなあ。前のシリーズの『彼女は帰星子女』ではその辺も堪能させて貰えたので、期待。あと、もうちょっとはっちゃけてくれても。手堅いんだけど、もう一段上を見たいという我が儘な感想になってしまいます。
hReview by ゆーいち , 2007/12/17
- 銀槌のアレキサンドラ (電撃文庫 う 3-5)
- 上野 遊
- メディアワークス 2007-11
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
彼女は帰星子女〈4〉
本巻で完結。3巻からやたら駆け足になったのは、情報局の草葉局次長の陰謀(?)絡みの展開を突っ込んだせいではないかと。ぶっちゃけ、望と絹の物語を中心に据えているのだから、彼らの思惑とかもしっかり描こうと思ったらもうちょっと長丁場になるのではないかなぁと。
序盤が絹を失った望の心情描写に終始しているせいか、やたらと重苦しくて切ないですね。望にとっては初めてであろう『家族』の喪失のショックの大きさが伺えます。周囲の人間の気遣いとかとは関係なしに、自分で選択し、自分で行動することができるようになったという部分での成長も丁寧に描かれていたように思います。穂高の気持ちの整理とかもこのシーンで絡めてくるかというばかりの絶妙さ。打算で動きつつも、最後の最後で、自分の気持ちを通すことよりも想い人の気持ちを優先できるようになったという点では、彼女もまた成長したのでしょう。
終盤が駆け足になりすぎて、どうにもエピローグの余韻が不足しているように感じます。もうちょっと取り戻した日常やら、社会の変化やらにも踏み込んだフォローが欲しかったかな。ここら辺は、単純にページの都合かもしれないけど、できればもう1冊、と思わずにはいられませんでした。
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
彼女は帰星子女〈3〉
物語の大きな転機。積み上げてきた時間が長くなれば長くなるほど、絹の家族に対する想いというものはかけがえのないものになっていって、けれど自分自身の存在が、そんな大切な人たちを事件に巻き込んでしまう。気がついたときには、離れがたい存在になっていながら、大切だと思うがゆえに下さざるを得なかった決断。苦渋、ともとれる絹の決意は、穂高の告白やら望との拉致事件やら、本巻のエピソードを通して、初めて家族に対して我を通そうとした果てものであったように思います。
情報局の決して表に出せない政治色の強い策略を見せられると、さすがに善人ばかりでないという当たり前の事実に気づかされてイヤになりますね。絹と望は、地球人だとか宇宙人だとかそんなことにこだわらずに、ゆっくりと心を通わせていったというのに、焦りにも似た拙攻で事態を悪化させてしまったり、事態はどんどん混迷していっているような。
穂高絡みのエピソードに一区切りついて、これで本格的に絹と望の、互いの気持ちを形作る段階に来たのでしょうか。割と淡々と進んでいるように見えて、しっかりと時間は進んでいるし、着地点は見えていても、そこへの紆余曲折はまだまだありそうですね。
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
彼女は帰星子女〈2〉
穂高さんは、嫌われそうな役を押しつけられてかわいそう。望と絹の関係は遅々として進まないながらも、周囲の思惑が渦巻くスターチャイルド作戦は進行中。ただ単に、掛橋市での生活に、ひいては地球での生活にとけ込もうと四苦八苦する絹と周囲の人間との見えない壁の厚さを実感させられるお話。排他的な地域感情というのは多かれ少なかれあるにしても、文字通り孤独である絹に向けられる、腫れ物をさわるような扱いやら言動やらは、分かってはいても気分の良いものではないですね。その急先鋒的な穂高の、望を想うあまりの独善的な行動が、痛いやら不快やらで、株を落としまくりではないかなと。損な役回りですな。
まぁ、それでも、互いが歩み寄る姿勢を見せることができるのは、希望を感じられて良いものであります。じめじめした愛憎劇よりは、からっとポジティブに、自分を変えていきたいと、行動に移す穂高の姿も、感謝を伝えるために街の人々に歩み寄ろうとする絹の姿も、それこそ雨上がりの陽射しのようにまぶしくて、雨降って地固まるな割とありがちなお話ですが、気持ちの良い終わり方で締めてくれたなと思います。
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
Home > Tags > 上野遊
- 応援中
- サイト内検索
- フィード
- メタ情報
- 53 queries.
- 0.480 seconds.



