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ほしのこえ あいのことば/ほしをこえる

ほしのこえ あいのことば/ほしをこえる読了。

加納新太独自の解釈が加えられつつも、これはやはり『ほしのこえ』であるという内容に安心。映像ではSF色が強かったり、それこそはじめに絵ありきで登場人物の内面の描写がおざなりだったりしたけれど、その空白を見事に埋めてくれています。

本作は、ミカコサイドの『あいのことば』とノボルサイドの『ほしをこえる』の2本の物語で構成され、「宇宙と地上に引き裂かれる恋人」という作品のテーマを良く表現していると思います。ほぼ全編が、ミカコとノボルの一人称で語られていくので、時間の経過と共に、メール送信にかかる日数が増えると共に、変化していく互いへの想いの移ろいがやけにリアルです。同時進行していながら、想う相手は8年という時間と距離を隔てているという終盤はやはり文章でも切なさが際だちます。

本編の再解釈ということで、『雲のむこう、約束の場所』のようなエピローグの追加も期待しましたが、それは先のノベライズである意味結末も語られているので、あえて追加しなかったのかな。

映像作品では駆け足気味で過ぎていったストーリーを、このようにじっくりと再読できたのは良いことでした。SF要素はそこまで濃くもないので、遠距離恋愛の切なさとか、そういった恋愛要素を楽しむだけでも、なかなかの良作でしょう。

『ほしのこえ』を観た

ほしのこえデスノート観終わった後に、こちらも放送する予定に気づいたので続いて視聴。オリジナルに比べてやたらとコマ落ちのシーンが多かったのは、NHKの規制なのか? 深夜枠の放送くらい、ちゃんとしたHDクォリティで流してほしいものだけど。

しかし、展開はわかっていながらも、終盤のテーマソングと合わせて流れるモノローグは秀逸だなぁ。あのシーンだけは何度観てもじんときてしまう。テーマソング持ってたよな、久々に聴いてみるのもいいかな。

新書版の再ノベライズも後で読もう

ほしのこえ あいのことば/ほしをこえる一応購入済み。以前のMF文庫Jのノベライズは外伝に近かったけど、今回は本編に準拠してるっぽいので、また期待。ノベライズ担当は、前回『雲のむこう、約束の場所』を書かれた加納新太なので非常に楽しみ。

雲のむこう、約束の場所

雲のむこう、約束の場所読了。

極めて良質のノベライズ。新海氏の描く美しい映像の世界を豊饒にて見事に再現していました。というのは言い過ぎかな? けれど、場面場面で綴られる世界を描く一文から伝わる美しさは、またひと味違った情緒に溢れ、オリジナルを思い出しつつも切ない気持ちになります。ここまで読まなかったのがもったいなかったかも。あるいは、時間をおいたからこそ、こみ上げてくるものがあるのかもしれません。

映像作品で描かれなかったエピローグ的な部分が追加されているのですが、そこで描かれるわずかばかりの幸福な時間と、自分を取り戻すための再生のための別れは、それこそ、動いているようでその実止まっていたサユリにとっては不可避なものだったのかなと。想いを残しつつも、自立を決めたサユリの語る言葉のどれもが、雪のように儚いけれど、しっかりとした輝きを感じさせていたのが印象的でした。

本編と比較すると、丁寧なまでに人物の内面を描いていたのが高評価です。特に高校時代の浩紀と理佳の恋愛の移ろいは、本編では深く描かれなかったのとは対照的に、そこだけ取ってもなかなか読ませる内容になっていました。

総じて本編の空気を絶妙に文章に落とし込み、空気まで感じ取れるような繊細な文章が魅力的な一冊でした。素晴らしい。

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