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扉の外 Tag Archive
扉の外〈3〉
舞台裏を明かすと一気に陳腐化するのはこの手の作品の宿命か?
2年2組の生徒は無気力に苛まれていた。初期の陣地取りゲームに早期に敗退し、最低限の生存環境を受け入れざるを得ない現状が続いていた。そんな時にふいにソフィアから提案された新しい「ゲーム」 仮想世界で敵と撃ち合い、そこには現状を打開する可能性があるというが……?
シリーズ完結編。これまで表だって語られなかった、この閉鎖状況を仕組んだ黒幕の一端が明かされますが、謎が全て解けるとかそういうことはなく、かなり投げっぱなしな締めとなってしまってますね。
毎回毎回、手を変え品を変え、クラスメイトたちが互いに争うように仕向ける悪意によって、踊らされる結果生まれる悲劇が描かれますが、なんとなくどのキャラも自業自得的にその状況に陥ってるので、あまり共感は生まれないかなあ。
今回のオンラインゲームを通じた策謀についても、中心となった美鈴の自分勝手さに引きずられて、なんとも救われない結末になってしまった気もしますし。
そして物語の背景が少し明かされると妙に陳腐化してしまうストーリー。映画のキューブ・ゼロとかもゲームを仕掛ける側が描かれてしまうとなんとなく冷めてしまったしなあ。その側も目的とか、思想とか、ほとんど語られてないので、舞台装置の種明かしがされたからといって、作品に深みが出たかというと微妙な感じだし。
外へ出た人々がどのような未来を得たのか、そういう部分も描こうと思えば描けただろうけれども、そこまで手が回らなかったのかな。打ち切りっぽいラストは残念。
hReview by ゆーいち , 2007/09/18
- 扉の外 3 (3) (電撃文庫 と 8-3)
- 土橋 真二郎
- メディアワークス 2007-09-10
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扉の外〈2〉
紙一重の信頼と裏切りの極限状態 ゲームの勝者は果たして?
まさか続編が出るとは思っていませんでしたが、出ちゃいました、の第2巻。
続編ですが前作からの引き継いだ設定はそれほど多くなく、登場人物も一部を除いて総取っ替えになってるので、この閉鎖空間に閉じこめられてしまったクラスメイトたちの疑心暗鬼と精神的な摩耗の過程をいやらしく描いているのを楽しめるかどうかがキモかと。
前作は、ラストがかなり投げっぱなしだったのでアレで完結していたのなら、未完成という印象が残り続けたと思いますが、今回のエピソードで、また少し謎が明かされた感じがしてきます。まぁ、新しい設定も投下されて、さらに深まった謎も出てきたのですが。
最下層でただただ無気力に生き続けるクラスもあれば、今回のエピソードのように積極的に状況を打開しようと動いて、結局は元の木阿弥になるクラスもあり。一部、このゲームの真実により近づけた人間は次のステージへ移ったり、あるいは物語の結末のように外部へ放り出されたり。
徹底して「外」を描くことがない作品ですが、あるいはこの調子で脱出する人間が増えていったときに別の展開があったりするのかな? この手の密室ものは、背景が明かされると一気に陳腐化する気もするので、今後も続くのなら残りのクラスの話になるとは思いますが。
それにしても、物語の中心になる高橋や、前巻でも登場した蒼井典子の打算的な行動はなかなかにいやらしい。こういった極限状況においては、より冷静に自分をコントロールできた人間が勝ち残るのは常道かもしれないけれども、他の何十名のクラスメイト、思い通りに操られすぎ。今回もラストのどんでん返しは驚きがありましたが、次は別の方法で、このゲームのシステムに対抗してほしいな、と。
あと、女神様こと正樹愛美嬢。黒い黒いというそこかしこの意見に激しく同意。彼女の場合は、すでにある自分の立場を維持するためならば、腕輪を外すことも、自身に多少の危害が及ぶことすらの甘受し、さらにはそれを利用して人心を掌握、グループの中心・シンボルたろうとしているように思えてならないですね。下層の男子生徒たちは、無意識下に彼女の王制に下っているのではないかという感じが拭えませんね。いっそ、次はそんな彼女の転落・凋落を執拗に描いてみるのはどうか、と黒い期待に胸を躍らせてみたり。
hReview by ゆーいち , 2007/06/05
- 扉の外 2 (2)
- 土橋 真二郎
- メディアワークス 2007-05
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扉の外
電撃大賞に入選したときのタイトルは『もしも人工知能が世界を支配していた場合のシミュレーションケース1』。唐突に、何の説明もなく、閉鎖環境に放り込まれたときの群集心理を描きたかった、のか?
8つあるクラスのうち、主人公が転々としたのは3つのクラスで、他のクラスの状況が分からないのがえもいわれぬ不安感を煽る煽る。物理的な暴力はこのシミュレーションのシステム上できなくとも、精神的に死んでしまう可能性というのは十分に考えられるわけで、あるいは、最後の1クラス以外が全滅するまで、この悪趣味な隔離は続くのかなとか読み終わって思いました。
賛否両論なラストは、私も正直、否側なのですが、映像的にはエヴァの劇場版のラストが浮かんだ。うあ、そっちもロクでもないラストだったよ。
というか、話を畳む気がないこの構成のどの辺が評価されたのか、疑問。設定と奇抜さを除くと、キャラ立ちとかは皆無に近い気がするしなぁ。もしかして、この手の展開が、今の若い読者にはトレンドなのだろうか? ってこんな感想抱く時点で、ジェネレーションギャップですが。
ああ……せめて、世界の説明は欲しかった。どうにもすっきりしないもやもやが残ってしまいましたよ。
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