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書剣恩仇録 Tag Archive

書剣恩仇録〈4〉紫禁城の対決

stars 苦悩する陳家洛 愛と大業の板挟みの果て物語は終幕する

姿を消したホチントンを追う、陳家洛と彼女の妹カスリー。ようやくホチントンと巡り会えたものの、餓狼の群れに囲まれ、辛くも逃げ出した先は黄砂に埋もれた古都の宮殿だった。三人の後を付け狙う張召重たち。そして、乾隆帝自身も、カスリーを手に入れるために奸計を張り巡らせていた。

壮絶な三角関係に発展したと思ったら、これは切ないラスト。陳家洛の迷いっぷりに共感できるかどうかで、この展開の評価は大きく分かれそう。紅花会のトップ、漢民族の悲願のために自己を殺す選択をしたのは、英雄的行為かもしれないけれど、ホチントンとカスリーの愛を一身に受けた男の選択としてはへたれ極まりないというか。

結局、乾隆帝との間に生まれた溝は埋まることなく、あるいは、これは運命という大きな流れのせいでふたりの関係はねじ曲げられたのかもしれないけれど。乾隆帝の手のひらの返しっぷりと、カスリーに愛された陳家洛への見にくい嫉妬っぷりは、金庸の皮肉が反映されているとはいえ、端から見れば賢帝とはいえないなあ。

なんだか、壮大な兄弟げんかの顛末を見せつけられたような気はするけれど、史実をもとにこういう物語を仕上げたのは素直に感嘆するし、武侠小説初めての私も巻が進むにつれてすらすら読めるようになったしで、やはり大した作品なんだなあ。

hReview by ゆーいち , 2008/05/24

書剣恩仇録〈4〉紫禁城の対決
書剣恩仇録〈4〉紫禁城の対決 (徳間文庫)
岡崎 由美
徳間書店 2001-05

書剣恩仇録〈3〉砂漠の花香妃

stars 迫る清軍! ウイグル族の危機を救うべく走る陳家洛の前に絶世の美少女現る

文泰来を救い、乾隆帝を捕らえた紅花会の群雄たち。陳家洛は乾隆帝の秘密を暴き、皇帝に漢民族としての義を説く。しかし、皇帝の言葉とは裏腹に、清の軍勢はウイグル族を攻め立て、ムジョルン、ホチントンらは窮地に立たされていた。彼らを救うべく、陳家洛は新疆へ赴く。

真・ヒロイン登場!?

って、姉妹揃って主人公に懸想って、これまた美味しい展開ですね。そして、陳家洛のへたれぶりが加速していきます。主人公なのに、見せ場らしい見せ場があんまりないなあ。というか、気持ち揺れすぎです。ホチントンがかわいそう。

さて、舞台は新疆へ移り、ウイグル族と彼らを問答無用で攻め落とそうとする清軍との戦いの場へ紅花会の面々が参戦してきます。怨敵の張召重は相変わらずの卑劣さだし、この決着はいつ着くのやら。そして、徐天宏と周綺は祝言上げるわ、余魚同は自らの罪と罰に世を儚んで出家するわ、やたらと早い展開ですが、作中では結構時間が進んでるんですよね。

ホチントンの名戦略で清軍を撃退したはいいけれど、陳家洛を巡って実の妹・カスリーとの微妙な関係はどうなることやら。というか、陳家洛がはっきりしないから、終盤の展開がこじれにこじれてると思うんだけれど、こんなへたれ主人公、昔っからいたんだなあ(笑)

hReview by ゆーいち , 2008/05/20

書剣恩仇録〈3〉砂漠の花香妃
書剣恩仇録〈3〉砂漠の花香妃 (徳間文庫)
岡崎 由美
徳間書店 2001-05

書剣恩仇録〈2〉乾隆帝の秘密

stars 乾隆帝との遭遇 そして明かされる陳家洛と乾隆帝の因縁

紅花会幹部の文泰来救出のため、杭州へ向かう陳家洛ら一行。道中、訪れた西湖で、陳家洛は怨敵・乾隆帝と遭遇する。互いに互いを初見と思えないふたり。その邂逅は、ひた隠しにされてきた彼らの出生の秘密が、導いた必然だったのか。

ツンデレだ、ツンデレがいる!

前巻のラストの乱戦で、散り散りになってしまった紅花会一行が再結集して、文の救出に再度立ち上がるお話です。でも、なんだか気が付いたら徐天宏と周綺が冒頭から良い感じになって、いきなり祝言ですよ。ってか、周綺の徐天宏に対する態度とか、何このツンさ加減。どこかで見たような台詞が飛び出してますが、ちょっとまて、これは五十年前の作品だ。金庸すげえよ。

まぁ、それはそれとして、ついに登場した乾隆帝。どんだけ悪の権化かと思いきや、意外と人間らしい格好悪さも持ち合わせてますね。というか、主人公の陳家洛と同じように、どこかへたれたような空気を感じます。いいのか、皇帝。

作中で乾隆帝と陳家洛の秘密と因縁が明かされ、そして待望の文泰洛奪還を果たし、そして帝に一泡吹かせたりと、破竹の勢いの紅花会の英雄たち。でも、なんだかまた、不穏な勢力が動き出してるようで、まだまだ波乱はありそうですね。

hReview by ゆーいち , 2008/05/13

書剣恩仇録〈2〉乾隆帝の秘密
書剣恩仇録〈2〉乾隆帝の秘密 (徳間文庫)
金 庸 岡崎 由美
徳間書店 2001-04

書剣恩仇録〈1〉秘密結社紅花会

stars 金庸処女作 武侠小説初めてだけど普通に読めます

乾隆帝の治世。乾隆帝の秘密を知った秘密結社・紅花会の幹部・文泰来は、朝廷の追っ手に深手を負わされ身動きできなくなってしまう。紅花会の新頭主となった陳家洛は、彼の元に集った幹部たちを率い、文奪還のために動き出す。

……という物語が始まるまでに第1巻の随分なページ数が使われてたんで、最初誰が主人公なのか分からなかった。てっきり沅芷かと……(笑)

金庸の作品は初めてで、さらにデビュー作はオリジナルの執筆がもう50年も前なのに、これは面白いですね。岡崎由美の和訳も上手いんでしょうけれど、読みづらく感じつつも、作品の世界に引き込まれるような感じも受けました。

登場人物が多くて、まずは名前を覚えるのが大変なんですが、これだけ登場しているのに、しばらく読んでいくと誰が誰だか分かるのもすごいですね。どいつもこいつも強烈な個性とワケの分からん技の持ち主なので、慣れてしまえばぐいぐいと。

囚われたままの文泰来を救うチャンスは何度か訪れつつも、あと一歩のところでその機を逸してしまい、紅花会のメンバーは目的を達せず終い。文泰来が知っている乾隆帝の秘密も謎のままだし、最後の引きでまた別の流れが生まれつつあるような。なんだかやたらと壮大な物語の予感がしますが、これの先は一体どうなってしまうでしょうね。

にしても、中国小説の中にも、萌え要素を見出してしまいそうになる日本人の感性って……。

hReview by ゆーいち , 2008/05/10

書剣恩仇録〈1〉秘密結社紅花会
書剣恩仇録〈1〉秘密結社紅花会 (徳間文庫)
金 庸 岡崎 由美
徳間書店 2001-04

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