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最後の夏に見上げた空は〈3〉
あ~、終わってしまった。ダメだ、こういうのずるいよ。
SFらしい要素は世界設定に用いられただけで、この作品自体は名門と小谷の恋の物語でした。最初で最後の口づけは、悲しすぎて、挿絵の効果もあって凶悪なまでの破壊力です。というか、覚悟しててもこの手の展開は琴線に触れますね。
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最後の夏に見上げた空は〈2〉
「愛しい愛しいと言う心」という挿話が美しい。「戀」という漢字にかけたエピソードですが、なるほど、小谷の心中を的確に射て、形あるものとして認識させるために、必要だったと思えます。
この静かな時間の流れが、逆に切なすぎるほどの思いを抱かせます。間に挟まれたそれぞれの短編も、終わりの時間が確定してしまった者の様々な生き方を描いています。
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最後の夏に見上げた空は
切ない。残り一年というタイムリミットが設定されているため、終局は遠くなく訪れるという事実が浸透した世界。主人公の小谷は記憶を失っているため、余命一年ということを唐突に告げられ、彼・名門との同居生活が始まりました。小谷と名門の過去は決して浅からぬものがあるようですが、名門が小谷にここまで献身的になる理由が明かされないまま時間は淡々と流れていって。
周囲の人間も小谷と同様の運命を望まず歩ませられた人々であり、その心の在り様は様々でも、根底には彼らの年代ならではの幸せへの渇望が伺えて辛くなりますね。
避け得ぬ別れへ向かって、平穏な一日一日を絆を築きつつ過ごしていく小谷と名門の気持ちは、不器用でありながら深い想いに満ちていると思えるのです。
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