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有沢まみず Tag Archive

ラッキーチャンス!〈6〉

stars よく分かったよ。二ノ宮さんという本当に凄い人を“好き”になるためには自分も最低限、同じような舞台に立たなきゃいけないって。

久々にやってきた大凶運で、家もお金もすべて失ってしまった、“ごえん使い”の雅人と福の神キチ―。「家がなくなったのならうちに来ない?」そんな雅人のもとに、二之宮良子と天草沙代の二人からメールが届いた。二之宮良子は大富豪。天草沙代は霊能力者の名家。いやそんなことより、二之宮さんはとっても可愛くて憧れの人で、天草さんもなんか最近いろいろ心配してくれてほんとに優しい女の子だし…。悩みまくる雅人と、それをじと目で見つめるキチ。そこに突然、校長のサモン=時二郎からSOSの連絡が!果たして、雅人の決断は!?ハッピーラブコメ第6弾。

その“好き”をほんとうにするために

だらだらと続いてきた雅人の、キチと出会ってからもたらされた愉快で賑やかな日々が大きく動き出す、そんな予感を抱く第6巻。

いよいよ、というかようやく雅人自身の物語が始まるのかなあ。キチとの出会いで不幸漬けの日々から脱出できたかと思いきや、それとは逆に始まるラブでコメな日常。ほのかに思いを募らせていた二ノ宮さんしかり、キチとの出会いで縁が生まれたことでつながりを持った沙代やトト、もちろんキチたちとの関係も、これからぐんぐんと動いていきそうな雰囲気ですね。

第1章からして、雅人の嬉し恥ずかし女体地獄なエピソードかと思いきや、彼が忌避する実力者の姫君の顔見せだったりして、その終盤からシリアス分増量。続く沙代の幕間のお話で、雅人とキチの因縁めいた関わりがほのめかされたかと思ったら、とどめとばかりに第2章では二ノ宮さんの本気モードが出現。

この作品、女の子の力が、気持ちが、雅人を圧倒するようなシーンが随所に見られますが、二ノ宮さんに流れる血が覚醒したことで雅人に与えられたインパクトは、単なる畏怖だけではないようで……。

自分が抱いていた少女への気持ちが好きという対等の想いなどではなく、あこがれや崇拝といった、手の届かないものへと抱く、もしかしたらその気持ちを向けられる本人にしてみれば失礼極まりないかもしれない感情だったということに、ここにきて気づく雅人。そして、その気持ちを“好き”へと変えるため、はるか天上の彼女と対等にならんと決意を固める雅人。自分の実力を眠らせ、腐らせ、天敵ともいえる姫君をもあきれさせてしまった彼がここに来て見せる本気。遅まきながら火のついた主人公の、本当の力が発揮される日は遠くないのかもしれませんね。

しかし、こうなってしまうと、雅人と二ノ宮さんの間に他の子の気持ちが入り込む隙がどれくらいあるのか気になってしまいますね。逆に考えれば、雅人が本気で好きだと思っている子は現時点では誰にも固まっていないわけで、そのリセットされた気持ちをどうやって自分へと向かせるのか、少女たちの奮闘にも期待が高まったりしますね。

けれど、恋のライバルとして張り合ってくれそうな沙代は、今回のラストで大変な目に遭わされているような。普通なら容赦ない仕打ちに壊されてしまいそうな展開ですが、さすがにそこまでハードなお話は持ってこないですよね? ね? そうしたらそうしたで、ある種伝説となりそうな気もしますが、沙代編となるような次巻、この引きからどんな展開を見せるのか気になります。

あと、地の文で二之宮さんと表記されている彼女が、雅人が言うときは二ノ宮さんってなる理由ってどっかに書いてありましたっけ……? 何か意味があるんだろうけれど。

hReview by ゆーいち , 2010/02/12

ラッキーチャンス!〈6〉
ラッキーチャンス!〈6〉 (電撃文庫)
有沢 まみず
アスキーメディアワークス 2009-12-10

ラッキーチャンス!〈5〉

stars ここからがホントの“すたーと”なんだぞ、マサト! マサトはこれから。わたしがもっともっと幸せにするんだ!

福の神・キチと一緒に暮らし始めてから少しずつ幸福になってきている雅人は忘れていた。自分が日本一不運な男だということを。テント暮らしから脱却しささやかながらも家を手に入れても、憧れの二之宮さんの手料理を食べられても、その日は確実にやってくるのだということを。雅人の身に迫るかつてない凶運、果たして雅人とキチはこの不幸を吹き飛ばすことができるのか……?

プロローグがやたらとシリアスでどうなることかと思ったら、いつものお話でした。

日本最強霊能力者の一角である雅人を襲う不運。そういえばそんな設定ありましたよねー、と忘れていた頃にしっかりと掘り起こしてくれました。

というか、今回の事件て、雅人自身の脇が甘かっただけのような気も……。まぁ、あの兄の目が黒いうちは、二之宮さんとの甘い時間など許されるはずもないのですが。にしても、二之宮兄はすでに人間の限界を突破してしまったかのような化け物っぷりを見せつけてくれますな。これはある意味ギャグシーンだから通用するような補正だろうけれど、まさに今回は最強の敵! とでもいわんばかりの暴れ方。そして、その兄を下したという二之宮さん、恐るべし……。

一方のキチは相変わらずの無防備さでサービスシーン要因な感じの一冊でしたが、彼女の好意が恋ごころに変わりつつある雰囲気ににやにや。そろそろ羞恥を覚えて、今までの行状に対して赤面しまくりだったりな展開とかも見てみたいなあ。ライバル的な立ち位置にいるトトは、雅人のモノローグからするとまだまだその本心が見えない感じ。潜在的な実力で雅人をも凌駕しうるスペック持ちの彼女の、その力をしつこいくらいに語ってるあたり、今後の展開への伏線なんでしょうかね。

物語的にはキチの言葉ではないですが、これからが新たな始まりといった繋ぎの巻。せっかく手に入れた家を失い、不幸に沈むかと思いきや、美少女ふたりからの嬉しい申し出に雅人が取った選択が気になりますね。どちらに転んでもさらなるドタバタが容易に想像できるだけに、これから訪れる夏の物語が楽しみです。

hReview by ゆーいち , 2009/06/20

ラッキーチャンス!〈5〉
ラッキーチャンス!〈5〉 (電撃文庫)
有沢 まみず
アスキーメディアワークス 2009-06-10
Amazon | bk1

神のみぞ知るセカイ―神と悪魔と天使

stars ボクには信念がある。ボクは信念を持ってリアルと相対している。君の物語には、君が作り上げた“今”と戦う物語には。信念はないのかい?

魔界からやって来た悪魔・エルシィと一緒に「駆け魂」探しを続ける落とし神こと桂木桂馬。新たに見つけた駆け魂の持ち主は、桂馬が苦手とする属性を持った不思議系少女だった。自称「天使」な彼女の攻略の糸口も掴めぬまま、桂馬の前にもうひとりの駆け魂持ちの少女が現れて。前代未聞の同時攻略を決断する桂馬。困難なシナリオのエンディングは果たして……?

同名コミックのノベライズ。ノベライズなのでやっぱりコミック既読者向けの内容ですね。さすがに一から物語の設定を語っていくわけにはいかないか。

ともあれ、コミック版の雰囲気を上手いこと再現した良ノベライズ作品ですね。有沢まみずが執筆しているせいか、氏の他の作品の印象を引きずったりしてますが、おおむね原作どおりの展開。原作でよく見られる描写をなんとか無理矢理小説の枠内の文字という媒体で再現しようと苦労されてる部分も見られますが、そういう部分のノリも含めて、桂馬たちの活躍を描いているように思いました。

物語としては、原作でも未だ描かれたことのない二者同時攻略。先にこれをノベライズでやられてしまったあたりは、原作者的にもしてやられた感があるのかもしれませんね。ただ、もったいないことに、攻略へ至る道筋が割と早足で展開して一方のキャラについてはかなりあっさりと終わってしまってるのですよね。

決して軽くないコンプレックスを抱いている少女たちの心を救うという流れなだけに、その描かれ方がボリューム不足と感じてしまうのはやっぱり残念かも。原作では、救われた彼女たちの後日談や、記憶を失くしても桂馬との繋がりをほのめかされる描写があったりして、そこを含めての攻略エピソードって印象だっただけに、あっさりした終わり方だったなと思いました。

それでも、物語の構成はお見事な感じで、桂馬のスタンス、リアルとゲームの境界を明確に区別して、自分の信念を持ってリアルに対して常にニュートラルであり続ける態度。それに相対するような、今回登場した少女たち。プラスとマイナスに振れて、仮面を付けて生きることを余儀なくされていたふたりを救うのが、そんなニュートラルな桂馬であるというのが、『神のみぞ知るセカイ』というお話の本質を描いているようで面白かったですね。

イラストが少なかったりするのは残念ですが、今度はこの物語を原作に外伝的な位置づけででもマンガで読んでみたいと思わせるエピソードでした。

hReview by ゆーいち , 2009/06/02

スイート☆ライン

stars あのさ、どうも俺は好きみたいなんだよね。熱い人間が。熱く、震えるような力が! 自分が到底敵わないような、桁外れの才能を見ると心がわくわく踊るんだ!

アニメプロデューサーの姉と一緒に暮らす高校生・花沢正午。ふたりの家の隣にひとりの女の子が引っ越してきた。新人声優である彼女・新島永遠は実力がありながらも、極度の人見知りに加え男性恐怖症という致命的な欠点を抱えていた。その欠点を直し、今後の声優活動を左右するオーディションまで残りわずか、才能のある人間をひたすら応援したくなる性格の正午は、覚悟を決めて彼女と一緒に暮らすことにするのだが……。

声優もののラノベとしては『声で魅せてよベイビー』以来かな、読むのは。役者ものまで広げるといくつか読んではいますが。

そんな感じの有沢まみずの新シリーズ。個人的には現状立ち上げてるシリーズ『ラッキーチャンス!』やら『銀色ふわり』やらの続きが気になって仕方がないのですががが。

人見知りで男性恐怖症という、それで役者やれるのか的な永遠をまっとうにするための荒療治が、主人公の正午との同居という無茶ぶり。エロゲ的な展開を期待しつつも、やってることは地道な信頼の積み重ね。時間が二週間と、お互いの信頼をきっちりと積み上げるには物足りない期間のようにも思えましたが、そこは正午のむやみやたらに、けれど誠実に、永遠を応援したいという気持ちが勝ったのか、あるいは永遠の根っこにあった情熱が応えたのか、ふたりの間にはきっちりと義理の兄妹じみた家族愛が芽生えていたようですね。

永遠を試すための試験とかやり過ぎな、というかこんな無理が通るのかという展開ですが、そこの描写が割とあっさりなのが残念かも。正午のあの一言だけで挽回というのも、これまたご都合に思えてしまって、こういうところこそをもっときっちりと描いてほしかったかなあ。

ともあれ、頑張る女の子のお話としてはなかなか良好。これから始まる物語のスタートとしては良い感じでしょうか。これから起こるドタバタの前振りもありましたし、永遠以外のキャラもいろいろ語る余地が残ってそうで、お話はどんどん広げられそう。少しマシって程度に改善しただけの永遠が、これからどんな風に成長していくのかを見せてほしいと思います。

hReview by ゆーいち , 2009/05/24

スイート☆ライン
スイート☆ライン (電撃文庫)
有沢 まみず
アスキーメディアワークス 2009-05-10
Amazon | bk1

ラッキーチャンス!〈4〉

stars マサト。大好き。と~っても大好き♪ 大好き大好き大好き。だから……だから! 思いっきりぶん殴ってあげる!

キチが雅人のクラスに転入してきた。何もかもが初めての体験に喜ぶキチと、それを見て和む雅人。けれど、雅人の運気は一向に上昇する気配もなくて。そんな雅人たちは、校長室を訪れていた“恋の伝道師”こと占い師のマルクリエール里子から恋のアドバイスを享受する。意中の相手と仲良くなるために、それぞれがしなくてはいけないことって……。

ふおおおおおおお!!

物語が動き始めたと同時に、みんなの魅力も大増量。キチも二之宮さんも沙代ちんもみんな可愛いぞおおお!! な第4巻。

いやいや、ようやくエンジンかかってきたのかと思わんばかりのにやにや展開。それぞれのキャラを中心に据えたエピソード3編にプロローグエピローグを加えて、お色気分もたっぷりでお送りしております。ムッハア!

恋を叶える手助けを託宣された雅人たちは、それぞれの思い人ともっと仲良くなるために、その条件をクリアしようと躍起になるわけですが。ここに有沢まみずらしい変態どもまで乱入してきてドタバタは止まることを知らず楽しい楽しい。兄の変態さ加減についに堪忍袋の緒が切れる二之宮さんパワフルだよ二之宮さん。

まぁ、それはともかく、自身の恋心に無自覚なキチも、少し意識し気持ちと向き合い始めた二之宮さんも、意地を張って素直に捉えようとしない沙代ちんも、みんながみんな想いを遂げて幸せになってほしいなんて思えるくらいのハッピーさなんだけれど、やっぱりそこは誰かひとりが選ばれざるを得ないような展開になるんだろうなあ。

エピローグが意味深で、戻ることのできない、いつか終わりの来るひとときの幸福な時間というものを否応なしに意識させますが、そこは上手いこと雅人が立ち回ってみんな幸せにしてあげてほしいものですね。

hReview by ゆーいち , 2008/10/14

ラッキーチャンス! 4
ラッキーチャンス! 4 (4) (電撃文庫 あ 13-24)
有沢 まみず
アスキー・メディアワークス 2008-10-10

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