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108年目の初恋。〈2〉

stars はじめてのケンカ はじめての仲直り

紆余曲折の末、再会を果たしたコウと新。恋に恋する夢見がちなコウと、そんな彼女に真っ直ぐに向き合う新の、初めてのすれ違い。

大なり小なり互いにため込んでいた部分を吐き出して、雨降って地固まるの定番の展開ですが、コウが人間ではないという事実から来る感覚の違いや、少しずつ生まれてきた少女らしい感情の描写などは相変わらず丁寧。まぁ、新のぶっきらぼうさとか、コウの自虐癖とか、端から見ると非常に不愉快なやりとりもあったりしますが、まぁ、この作品の味ということなのかなあ。

平行して新キャラ・サンゴ投入もお約束だけど、場を引っかき回すだけ引っかき回して、ひたすらはた迷惑な役回りだったのはどうなんだろうなあ。彼女の過去とかは、これからコウが向かい合うべき近い未来の可能性の一つであり、それを示唆し、諭し、覚悟させるというならここまで天の邪鬼な性格じゃなくても。なんというか、リアン先輩をコスプレさせたり、セクハラシーンを描いたりするための要因的な側面も感じてしまったなあ。

そういう二面からストーリーを進めたせいなのかやや冗長感が残りました。構成的にはケンカと仲直りの部分をメインにして、人と付喪神の間に生まれる悲恋とかそういう話は、シリーズ化されるのなら別に1エピソードを使って語った方が私は好みだったかも。

作品的には1巻で綺麗に完結してるので、こういう引き延ばしは蛇足っぽくて、今後巻を重ねるほどボロが出てきそうで不安でもあるんですよねえ。

hReview by ゆーいち , 2007/07/07

108年目の初恋。〈2〉
108年目の初恋。2
末永 外徒 とりしも
エンターブレイン 2007-06-30

108年目の初恋。

108年目の初恋。読了。

付喪神となった旧い校舎と少年の初恋の物語。と書くとなんか色物っぽいけれど、かなりしっかりと、こっ恥ずかしい青い恋物語でした。

ヒロインが旧校舎で、人間ですらないのに、さすがに100年も人間見続けてくれば、人間以上に人間味あふれていて、けれど老獪さはなくて、初心な女の子のままで少年に恋してしまって。

序盤の展開が、その辺の主題とは関係なく主人公・新と金髪先輩で魔術師なリアンのドタバタだったり、幼なじみの夕子嬢の片思いのお話だったり、微妙に脇道に逸れたりしつつも、その過程で新が恋についての自覚を少しずつ芽生えさせていく過程は丁寧。誰も彼も恋愛に免疫がないものだから、手も繋げないような臆病で、言い出せない気持ちばかり。そりゃハタから見ていれば応援したくなるし、やきもきしますわな。

物語としては、結局は結ばれるまでの紆余曲折であり、本来ならあり得ない、人間と付喪神というふたりの関係のその先の不安についてはかなり投げっぱなしな気もするのですが、それはすでに「初恋」じゃないからなぁ。いろいろな人間関係を見続けてきた旧校舎からすれば、それは予測して、予感しうる事態のはずなのに、少しも気にかける描写がなかったのが少しばかり不満かな。

それでも、終盤の展開は綺麗だし、エピローグでしっかりとハッピーエンドに仕上げてくれているので、初々しい恋物語としては手堅く仕上がった作品でしたね。それに、同年代の子どもたちのほうが、こういう作品は共感しやすいんだろうなぁ。さすがにスれてしまうと恥ずかしさが先に立ってしまって(笑)

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