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殺×愛 Tag Archive
殺×愛7-きるらぶSEVEN
これぞ大団円!
来夏を喪い、再び神代の街に戻ってきた密は、絶望と諦観の中にあってすべてを拒絶して、緩やかな世界の滅びを見届けるべく、ただ機械的に動くだけで。サクヤの、高天原先輩の、同級生たちの声も届くことはなくて。
ここ数巻の救いのなさここに極まれりといった序盤。これまでさんざん偽悪を気取った密の、とことん追いつめられた、演技ではない最底辺まで落ちてしまった精神状態が痛々しく、また彼を想うことを諦めきれないサクヤの報われない献身も、同様に見ていられませんでした。
そして、唐突にアダムの口から語られる、世界滅亡の真意。これまで明確に密らを追いつめ、排斥しようとしてきた彼が語るには、軽すぎる感すら覚えるメタ的な真実。あるいは、その後のエンドロールで語られたことこそが、現実であり、そこへ至るまでのストーリー自体が、誰かが手慰みに想像したかのような、ひとつの悲劇であるといわんばかりの意地悪さ。
滅び行く世界とは逆行して、次第に人間らしい、学生らしい生活を取り戻していく人々の姿が眩しく映るエピソードでした。
そして、真に相思相愛になれた密とサクヤの過ごした束の間の蜜月が、どうしようもなく美しく描かれたエピソードでした。
手遅れになってようやく気付いた日常というものの愛おしさを、ついに実感することのできた密の選択は、世界の運命のためでもなく、見も知らぬ誰かのためでもなく、近しい友人のためでもなく、サクヤただ一人のためのものであり、けれどそれは言葉にされなくても皆から祝福されているかのような選択。ふたりで過ごしてきた一年という時間の集大成が、まさに結実したかのような幕引きでした。
加筆されたエンドロール部分については、これまでの鬱々とした展開、ひいてはストーリー全体を台無しにしかねない内容かもしれませんが、これは純粋に、当たり前にあり得た世界の、日常の延長としての未来を描いていたと思えば、ご都合主義とかそんな言葉は意味なんてないでしょう。
最後の最後に辿り着いた結末が、この上ない大団円であったことを、嬉しく思いました。
そして、殺し合うために巡り会うのではなく、ただ純粋に、恋を謳うために再び巡り会ったふたりの未来に心からの祝福を。
hReview by ゆーいち , 2007/07/04
- 殺×愛7-きるらぶSEVEN
- 風見 周
- 富士見書房 2007-06
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殺×愛〈6〉-きるらぶSIX
あああああ……来夏が……来夏がッ!?
もう、冒頭のカラー口絵からフラグ成立しまくりだったので覚悟はしていましたが、そこへ至るまでの展開が切なすぎる。
もともとは、密自身の選択がことごとく裏目っているだけなのですが、その選択ミスの一つ一つがあらゆる意味で致命的なのが救われない。生にしがみつこうとあがく彼の姿が、これまでのストーリーを通して人間らしくなってきたと感じられる反面、その感情に引きずられてしまった結果が、最悪の中の最悪ともいえる今回のラストかと。
死ねない身体、相思相愛の相手にのみ傷つけられる身体、その設定がここに来て、この上もなく効果的に演出に使われているのは、上手い、上手いんだけど、あんまりだよ……。笑顔で別れを告げた来夏の、そのシーンは本気でへこみそうなんですが。前回のにゃみちゃんもかなりショックでしたが、今回はそれ以上に来ます。来夏派の人は立ち直れないかも。
物語も佳境。残りの日数もいよいよ2ヶ月を切り、滅び行く世界で再び邂逅を果たした密とサクヤの、すれ違ったままの恋心は、生と死のどちらに傾くことやら。
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殺×愛〈5〉―きるらぶFIVE
ああああ、なんか予想以上に悲惨な展開が。必死に守り続けてきた日常の、あまりにあっけない崩壊。間違った道をたどりつつも、至った答えは正しいかもしれないのに、すべては遅すぎて密とサクヤの関係も現状では修復できるのかどうなのかも非常に怪しい感じ。逃避先に選ばれた来夏の、自分よりも密の笑顔を望む切実さもいじらしさも必死さが、おそらくは報われないであろう結末を予感させてさらにへこむし。
卒業までの日数のカウントダウンが長ったらしいと思っていたのに、ここにきて急転直下。あの残日数がゼロになる前に、世界が終わりを迎えるのか、密が決断を下すのか、そこがこれからの焦点になってきそう。
これまで重い話を挟みつつも、終末を感じさせない束の間の平和に甘んじていた反動か、本巻の各シーンのインパクトが大変なことになってますね。終わりつつある世界で、必死に生き足掻いてもどうにもならない現実を前に、生き残った人々がどのような行動を取るのか、そこも気になります。
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殺×愛〈4〉―きるらぶFOUR
閑話休題的に天使との戦闘は一休みして、学園祭に突入。高天原先輩の突き抜けっぷりがやたらと印象に残った巻。以前の顔出しでは正直微妙な役柄で登場したかと思ったら、株を上げたように思います。まぁ、恋愛原理主義の体現でもある彼女の理念が、本巻では一貫されて他の生徒にも伝染していたのかなと。
主人公・密と幼なじみな来夏、利用し利用されるはずの立場ながら、互いに思いを寄せつつあるサクヤの三角関係が、一つの結末を迎えたエピソード。結局、来夏の想いは報われないし、密の自らの裡に芽生えた気持ちを否定するために、サクヤを道具として見なすための決意は、次巻の波乱を予感させますね。
描かれた平穏な日常は、それ以降の滅びを盛り上げるだけの一時的な凪なのか、それともいずれ訪れる日々を予感させるものなのか、どうにも作風を見るとあとは崩壊一直線な感じもしますが、せめてどこかに救いを見いだしたくもあります。
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殺×愛〈3〉―きるらぶ THREE―
ツンデレ具合に磨きがかかるサクヤはおいておいて。密の気持ちの変化と天使側の動向やら“あの人”の正体やら、結構大きな動きのあった本巻。でも、卒業式までの残り日数はほとんど減っていません。このペースでどこまで描いていくつもりなのか。今回も実質1日、長い夜の戦いに多くのスペースを割かれていたようだし。
密は少しずつサクヤを大切に思うようになってきてるようです。最終目的が死であるとして、そこへ至るまでに心変わりをしてしまう自分を、密が赦せるかどうか、その辺に重きを置いて、またいっそのこと壊れるくらいやってくれても良いかも。
本作はシリアスに走るより、破滅的な世界の中での、刹那的な感さえ漂う、壊れた主人公と周囲の女性たちとのコメ分多めのラブコメ展開が好きなので、シリアス方面の比重を大きくしないで、密を巡る四角関係とかバトルとかそんなのも期待。
それと、今回も、にゃみちゃんは、強力でした(笑)
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