Home > Tags > 海冬レイジ
海冬レイジ Tag Archive
幻想譚グリモアリスIV 罪と祈りとほほえみと
さあ、桃原。開戦を告げるゴングは鳴った。正々堂々、騙し合いといこう。
冥府に忍び寄る陰謀の気配を感じながらも、誓護は決断を下す。最愛の妹・祈祝を拉致されたままの誓護は、彼女を取り戻すために千秋たちの軍門に下ること。秘密裏に練り上げた祈祝奪還のための秘策。しかし、それは心を読み取る異能を持つ鈴蘭と対決するには、あまりに頼りなく不確かなもの。たったひとりで彼らと対峙することになった誓護は、果たして祈祝を救い出すことができるのか……?
異能全開の人外バトルよりも、こういった張り詰めた緊張感漂う心理戦の方が好みかも。この辺、前シリーズの雰囲気でしたね。幻想譚になって、明確な敵と、明確な目的が出てきて、そのために力を求め、戦いを余儀なく、そして戦うことを受け入れてきた誓護とは別人のような戦い方。
まぁ、それも彼にとって最優先で守るべき妹の祈祝の安否がかかっているわけだから、この必死さも理解できようというもの。心を読む能力を持つ鈴蘭と、誓護のことをハナから信用せず相対してくる彼女のもとに付いた千秋刀真との、騙し騙される心理戦。そして、その心理戦、頭脳戦こそが本骨頂、切れ味抜群の誓護の策が、数々のピンチをくぐり抜けて見事に決まった場面はなかなかのもの。心を読む相手に対する作戦としては、確かにそういう方法しか対抗策はないんだろうなあ。デスノートだったりコードギアスだったりでおなじみの手段ではありますが、そこで自らに起こるであろう精神的なぶれや焦りまでも計算に入れてのお見事な作戦でした。
そんな綱渡りの作戦の果てに、ようやく奪還した最愛の妹。これで後顧の憂いなく、アコニットに協力できるかと思いきや、またなんだか、きな臭い存在が姿を見せてきましたね。アコニット側の戦力も整いつつあるのに、それでも不安をかき立てるような引き。物語の背後では世界全体を巻き込んだような大きなうねりが起きる予感もはらませ、そろそろ物語の終わりが見えてくる地点でしょうか?
hReview by ゆーいち , 2009/08/23
- 幻想譚グリモアリスIV 罪と祈りとほほえみと (富士見ファンタジア文庫)
- 海冬 レイジ
- 富士見書房 2009-07-18
- Amazon | bk1
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
幻想譚グリモアリスIII 誓えその名が朽ちるまで
いずれ貴方は選ばなければなりません。すべてを知り、人間の資格を失うか。それとも、何も知らぬまま、平穏な暮らしに戻っていくか。
最愛の妹・祈祝が敵の手に囚われた事実を知り、誓護は激しく動揺する。妹を救うか、アコニットに手を貸すか、いずれかを選択しなければならない状況に誓護は苦悩し、そしてアコニットは決断する。誓護抜きで冥府へ帰還した彼女は、しかし、囚われの身となり自由を奪われてしまい……。
いや、まぁ、レーベル移籍して仕切り直しというわけで幻想譚がこの路線で行くということに今さら否やはないわけですが、本格的にファンタジー世界に突入してきた第3巻。
シリーズ特徴である、時系列のシャッフルが今回はかなり効果的だったような。いきなりアコニット囚われるわ、誓護は単身冥府へ乗り込むわ、あれ、前巻のラストってどんなんだったっけ? なんて自分の記憶を疑いながら読んでいったら、なるほどねえ。
妹至上主義だった誓護ですが、それと同レベルくらいに、自分の大切な友人を置いていることに少し彼を見直したり。自分の友人は決して見捨てないという、誓護自身の誓いを実直に守ろうとする姿は好感持てますねー。シスコンのダメ兄っぷりを全開にしていたちょっと前までの彼とは覚悟の座りが明らかに違うというか。
お話的にはアコニットのピンチを、これまで味方に付けてきた仲間たちとの連携で一気に逆転、さらに倍! な展開で、今回の敵キャラのアザレアを仲間に引き込んだのは微妙にヤンデレフラグを立ててしまったような気もしますが、孤立無援な状況から、なんとか冥府を相手取って戦えるくらいまで戦力が整って、これからは大規模な戦闘にも発展していきそう。まぁ、中心となるのは誓護とアコニットのコンビで、守られる側に回りがちだったアコニットの方にも、卍解もとい挽回の目はしっかり残されているわけで、強い彼女の姿をまた見せてもらいたいですね。
……まぁ、その前に、祈祝救出ミッションもあるし、彼女がこういった形で誓護やアコニットに対する楔になるとは、前シリーズの設定忘れるところでした。あちらの方の問題を解決しなければ背中が怖くて大命果たせませんね。取れる選択肢は少なく時間もわずか、ここからどんな機転で光明を見出すのでしょう?
hReview by ゆーいち , 2009/04/12
- 幻想譚グリモアリスIII 誓えその名が朽ちるまで (富士見ファンタジア文庫)
- 海冬 レイジ
- 富士見書房 2009-03-19
- Amazon | bk1
- Comments: 0
- Trackbacks: 1
幻想譚グリモアリスII 千の獣が吼ゆるとも
私は戻ってきたわ。戻ってきたのよ。貴女をこの手で――殺してあげるために。
冥府から追われる身となったアコニットを匿う誓護は、彼女を変装させ、自身と同じ白耀学園へ通わせていた。迫り来る危険から逃げるでもなく、日常生活を続ける誓護の、本当の目的を聞き出すこともできず、苛立ちを募らせるアコニット。誓護はそんな彼女の気持ちをよそに、着々と自らの策略を実現させるために行動を重ねていく。そして、次なる冥府からの追っ手が現れて……。
異能バトル全開!
レーベル移籍しいたことで、物語の方向性がかなり変わってきてますね。あとがきでも触れられてますが、前シリーズの夜想譚では主人公の誓護が力のない人間という身で、知恵を絞って教誨師や罪人と渡り合うという展開から、本シリーズでは異能の力を身に着けた彼が、守るべき対象となったアコニットのために、追っ手となった冥府からの刺客や、さらには人界に生まれた異能者たちと戦うという展開になってますね。これもファンタジア文庫というレーベルカラーゆえの路線変更でしょうか。
そんな新展開の本作ですが、誓護が力を得たことで、アコニットが守られる立場になり、そのせいか、彼女がか弱いお姫さま的な、あるいは誓護にデレまくってるような描かれ方をされるようになってきてるのは少々残念ですね。アコニットは、誓護と出会った当初のような気高さや高潔さ孤高さなども魅力の一端だったと思うだけに、力を失ったとはいえ、弱々しさを全面に押し出し、誓護に依存しているような姿にちょっと不満を抱いてしまいます。これから、誓護が掲げたような大きな目的を果たしていく過程で、彼女がまたどう変わっていくのかに期待したいですね。
さてさて、今回のお話ではアコニットに因縁深い彼女が復活したり、その手駒たる少年少女たちと誓護の対立が明確化、そして、彼の最愛の妹にも魔手が……といったところで次回に続いて、なかなかに先が気になるところ。
誓護にとっては、彼が友人と定める存在を選択させられたという苦い展開ですが、彼が彼自身の決意をもって、アコニットを選んだというその事実、彼女にはまだしっかりとは伝わっていないけれど、それは誰も彼もに裏切られ、希望をなくしかけているアコニットにとって、唯一で最大の救いなんでしょうね。
hReview by ゆーいち , 2008/10/30
- 幻想譚グリモアリスII 千の獣が吼ゆるとも (富士見ファンタジア文庫 か 7-1-2)
- 海冬 レイジ
- 富士見書房 2008-10-20
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
幻想譚グリモアリスI されど魔刃の名のままに
大丈夫。君のことは、僕が護るよ。
奇妙な眠り病が世間を騒がせる街。誓護はクラスメイトの女子に呼ばれ、学園の時計塔へ向かった。しかし、そこで誓護を待ち受けていたのは、突然の轟音と地に倒れ伏すクラスメイト、そして黒い稲妻をその身に纏った少女だった。見覚えのないはずの少女、自らを教誨師と称する彼女に、誓護は既視感を覚える。知らないはずなのに知っているはずの彼女の正体は……?
富士見ミステリー文庫からファンタジア文庫への移籍。仕切り直しかと思ったら、これまでの物語をしっかりとあったものとして踏襲し、けれど上手いこと再スタートを切る展開ですね。
レーベルのカラーが変わったせいか、主人公の誓護が力を手に入れ、アコニットと共に戦いに身をさらすという展開になっていくようですが、前シリーズみたいな推理や心理戦といった色が薄れてしまうのは、それを知っている人間ならではの残念さなんでしょうかね。
力を手に入れ強くなった誓護とは反対に、叛逆の罪により弱くなってしまったアコニット。気高さはそのままだけれど、ときおり見せる弱さや甘えなどは、やはり可愛いもので、恋愛方面でも進展があるのかな。シスコンでヘタれでキモいと言われる誓護は、アコニットと距離をどういう風に定めていくんですかね?
hReview by ゆーいち , 2008/05/22
- 幻想譚グリモアリスI されど魔刃の名のままに (富士見ファンタジア文庫 187-1)
- 海冬 レイジ
- 富士見書房 2008-05-20
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
魔女よ蜜なき天火に眠れ──夜想譚グリモアリス 3
バレンタイン チョコレート お菓子の家 そして惨劇のお味はいかが?
バレンタインの日、自宅にて祈祝とチョコレート作りに興じる誓護のもとにアコニットが訪れる。その日、とあるイベントが開かれ、そこで食べられる特別なトリュフをご所望とのこと。姫のご意向に沿って、祈祝も含めた3人で向かったその場所は、年々行方不明者が出るという不穏な噂が流れていた。
異界の勢力争いや、アコニットが背負うアネモネの凋落の原因となったとおぼしき人物の登場など、地上と異界のそれぞれで繰り広げられるスケールの大きなお話になってきましたね。そして、アコニットの可愛さも右肩上がり。人界のスイーツの美味しさに魂まで奪われてしまったかのような彼女の恍惚とした表情やら、バレンタインイベントにかける意気込みなど、これまでのプライドの高い高貴さとは別の、少女らしい側面が少しずつ誓護にも見せてくれるようになってきた感じ。信頼の証と取るに十分なものですね。
不穏な噂が流れる舞台では、当然のように誓護は事件に無理矢理巻き込まれ、祈祝が人質に取られてしまうという彼にとっては最悪の事態で、けれどそこで真価を発揮するのが誓護のスゴいところ。場所を同じくしてアコネットの身に起こったトラブルも抱え、2重の責任に縛られながらも、しっかりと乗り切ってみせる辺りが彼の真骨頂ですね。
今後の展開に大きな影響を及ぼしそうな人物も複数登場し、異界における支配者層・麗王六花内の、未だ見えぬ思惑のうごめきも感じます。新キャラ・リヤナは誓護の言葉に心揺らされ、彼女なりの決意を持って退きましたが、囚われの身となっている鈴蘭を口説こうとした勢力の一派である以上、またアコネットと誓護の前に現れる日がきっと来そう。誓護に抱いた彼女の気持ちが本物かどうか、アコネットとの間に別の火種が燻っていますが、そこはそれ、上手いこと盛り上がってくれるでしょう。
そして、エピローグはとても良かった。事件が解決し、再び自らの世界に帰る前に、アコネット手ずから渡されたチョコレートと、問いかけの言葉。彼女の毅然とした態度とはちょっと違った口調と上目遣いな仕草は反則的。イラストと相まって、大変可愛らしく見えますこと見えますこと。どんどん可愛くなって行っている、アコネットと誓護の恋愛以前にも見える幼い想いの発展にも期待です。
hReview by ゆーいち , 2008/01/06
- 魔女よ蜜なき天火に眠れ (富士見ミステリー文庫 66-10 夜想譚グリモアリス 3)
- 海冬 レイジ
- 富士見書房 2007-12-08
- Comments: 0
- Trackbacks: 1
Home > Tags > 海冬レイジ
- 応援中
- サイト内検索
- フィード
- メタ情報
- 55 queries.
- 2.662 seconds.
