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疾走する思春期のパラベラム Tag Archive
疾走する思春期のパラベラム この世の人々が許しあうまであと千億の夜
――この世界は、俺たちが大人になるまで大丈夫なんでしょうか?
心的爆撃を切り抜け、束の間の平穏を味わう城戸高校映画部の面々。しかし、彼らの知らぬ場所では、乾燥者による人類の虐殺が侵攻していた。定められた戦争の始まり。それは、静かに映画部の皆の近くにも忍び寄りつつあった。襲撃される尾妻、そして、一兎への気持ちを告げようとした志甫も、彼の目の前で攫われてしまい……。
一兎たち城戸高校映画部と、乾燥者との戦いが始まるかと思ったら、その前哨戦的なエピソードでしたね。もっとも、その敵が、本来なら共闘するべきパラベラム――灰色領域の残党ってのが、なんとも人類側の基盤の脆弱さを露呈させているように思えますが。
一方の乾燥者側は着実に成果を上げていて、近代兵器を擁する人類側の大規模な攻撃をもってしても、打倒することができないという、隔絶した戦力差を見せつけてますね。そんな中でも桑園高校のフライトたちの奮闘が光りました。絶えず劣勢に立たされているとはいえ、人類側にもまだ手は残されていると。自衛隊の中にいる、パラベラムの存在も気になりますし、次は反撃のターン……かな?
そんな大局をまだ見ることのできない一兎や志甫だけれど、彼らの世界は世界で、少しずつ変わっている感じ。一兎を意識するようになった志甫の、気持ちを伝えようとする決意もそうだし、漠然とした未来に不安を感じつつ、夢を抱く一兎もそう。明日、世界が終わるかもなんて不安を、戦うことで紛らわせているだけかも知れないけれど、その戦いが、未来を守ることに繋がるということを意識しているのでしょうか。今回は、危機に陥った志甫を、部活の面々が全力で助けに向かうというエピソードでしたが、そんな仲間を大切にする気持ちが、力になるんだなあと思わされる内容でした。
一兎自身も主人公らしい活躍を見せ、終盤の彼の覚醒シーンなどは、なかなかに燃えますねー。けれど、その覚醒が、彼の未来を大きく左右しそうな引きだし、ハッピーエンドはまだ見えない雰囲気。なんだか、タイトルと内容が大きく離れてきてる感じがしますが、思春期らしい彼らのエピソードももっと見てみたいかな。それは、戦いの後かもしれないけれど、掴んだ未来を幸せで彩る、そんな物語になってほしいなあ。
hReview by ゆーいち , 2008/12/27
- 疾走する思春期のパラベラム この世の人々が許しあうまであと千億の夜 (ファミ通文庫)
- うなじ
- エンターブレイン 2008-11-29
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疾走する思春期のパラベラム 心的爆撃
ごめんね。上手く死んであげられなくて
文化祭に向けて、一兎ら映画部も自主制作映画の上映に向けた最後の大詰めを迎えていた。そんな時、睦美の前に現れたのは、彼女にパラベラムの力を与えてくれた、かつての恋人・一子。自らの手で殺めたはずの彼女の出現と、彼女が今や〈灰色領域〉の幹部の一人であるという事実に、睦美は動揺する。そして、人類の敵たる乾燥者たちも、来るべき戦いに向けて動き出す。前哨戦ともいえる実験戦の場を、城戸高校に定め、心的爆撃をもって殲滅すべく。
うおお……。なんともやるせない結末です。サブタイトルとなっている「心的爆撃」のえげつなさもさることながら、パラベラムと乾燥者。敵対すべき存在として定められた者同士の、心のすれ違いが切ないです。一兎と美玖は、上手く行ってほしかったのに、こういう結末が用意されているとは。
一方の志甫とはなんだか良い感じなのだけれど、こちらが真ヒロイン? でも、そう、やすやすと鞍替えとかできる器用さもないだろうし。というか、やる夫は自重しろと(笑) まぁ、一兎と志甫は前巻からの映画撮影と、志甫の仇の打倒を通じて、かなり距離は縮まっているんだけれど、恋仲になる風景というのはなんとなく想像できないというか。今の距離感はなかなかに貴重な気もするんですが。
リーダー然とした睦美の過去も少しだけ明らかに。超然とした彼女の、冷めた過去と、そこで得た一子という存在。パラベラムの力に溺れたのか狂わされてしまったのか、道を違えたふたりが再会し、今後どのような道を歩むのか。〈灰色領域〉の先行き自体もかなり怪しいんだけれど、これは今後の“戦争”においてかなりのハンデになりそう。
次巻以降は、いよいよというか、ついにというか、人類──パラベラム──と乾燥者の総力戦に突入していきそう。現時点での戦力比較はどう見ても乾燥者側に有利なのだけれど、これまでの歴史の繰り返しよろしく、共倒れにならないぎりぎりの加減でつぶし合うのか、あるいは別の展開が用意されているのか。どうにも、暗い未来が予想されるのですが、一体どうなることやら?
hReview by ゆーいち , 2008/04/01
- 疾走する思春期のパラベラム 心的爆撃 (ファミ通文庫 ふ 1-2-4)
- 深見 真 うなじ
- エンターブレイン 2008-03-29
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疾走する思春期のパラベラム デイドリーム
すれ違う想い 交錯する運命 パラベラムと乾燥者の決戦の日迫る
夏休み。映画部の面々は本格的に映画撮影に乗り出す。主役は一兎、ヒロインは志甫。そしてキスシーンありの脚本に、志甫を意識し出す一兎。
時を同じくして、街を騒がす連続猟奇殺人事件。その手口は、志甫の兄を殺害したクロスドレッサーのものと同じで。クロスドレッサーを兄の仇と憎み、一人で討つ決意を頑なにする志甫。そんな彼女と一兎の気持ちはすれ違っていって……。
恋愛模様が一気に展開。でも、男女のカップルだけじゃなく、女×女とか、男×男とかのカップリングが出てくるのはどうなんだ。これが深見節か。『武林クロスロード』でその神髄は味わったけど、本作もどんどん色が出てきたってことなのかな。
パラベラムの集団・灰色領域と人類の敵・乾燥者の対決を前に、パラベラム同士の集団戦が行われそうな雰囲気。なんだか本末転倒な気がするけれど、その背景で明らかになってない設定がまだあるのか?
新キャラの美玖は、その立ち位置自体が一兎にかなり近く、今回のエピソードでふたりの関係は因縁めいてきました。彼女の出自自体も、対立が運命づけられたような皮肉なもので、彼女の命運がこれからの戦いの中でどのように揺れ動いていくのかも要注目。
そして、志甫がさりげなく一兎に示している好意の意味は。頓挫している撮影の再開とともに、ふたりの距離も一気に近づいていきそう。
hReview by ゆーいち , 2007/09/23
- 疾走する思春期のパラベラム デイドリーム (ファミ通文庫 ふ 1-2-3)
- 深見 真 うなじ
- エンターブレイン 2007-08-30
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疾走する思春期のパラベラム 灰色領域の少女
さくさく進むテンポの良さは相変わらず。そして、表紙を飾った志甫のアホさも相変わらず。だから、2ch語はやめなさい(笑)
逆にテンポはよいのですが、章の区切りがやたらと多くて、さらに場面転換の多さと相まって、やや急展開気味なのが気になりますね。今回のラスボスとの戦闘も、やけにあっさりと片付いてしまったし、登場人物たちの持つP.V.F.の特殊攻撃・スペシャルショットもいくつかお目見えしたのですが、その効果がさらっと流されているのですごさがいまいち伝わってこないです。
ストーリー的には、今後の展開の重要人物となりそうなシューリンの登場、パラベラムという存在が産み落とされた背景、人類の天敵、などと伏線の大盤振る舞い。少年・少女の小競り合いから、一気に人類の存亡をかけた戦いにまで発展しそうな勢いで、まさに疾走してる感じですが、いやはや、どんなオチが付いてくるのやら。
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疾走する思春期のパラベラム
内容薄いですな。プロローグ部分で登場人物の抱えた心の傷とか仄めかしておきならが、それがさっぱり活かされていないような気がします。主人公の個性のなさもなんというか、ゲームライクですね。作中の設定を見ても、主人公ら〈パラベラム〉の表現とか用語とか、そのままゲーム化しても違和感ないくらいに、容易に受け入れられるというのは、ある意味時代にフィットしているというか、中高生とかの読者層には親和性が高そう。ファミ通文庫ですしね。
物語的には、主人公が〈パラベラム〉の能力を得て、仲間を得て、何を成したいかとか過去の遺恨と向き合うだとか、そんなスタート地点からの出発までが描かれて、非常に尻切れトンボな感じです。もうちょっと内面に切り込んだ展開が好みなのですが、どう転ぶか分からないので今後の展開には一応期待。
ヒロインが2ch語をやたら好んで使ったり頭の悪いアホの子なのは正直どうかと思いますが、かなり初心者向けのライトノベルといった印象です。ヘビーな作品になれてると物足りない感の方が強いかもしれませんね。
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