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花谷 敏嗣 Tag Archive

セキララ!!〈3〉

stars 世界の命運を決める決戦の場なんてね、主人公グループ数名と、ラスボスとさらに上の敵、あわせて六人か七人しかいないんですよ!

勘違いの果てに迎えた人生最大のピンチは序章でしかなかった! 火琉奈が求める本物のタクミでないことが彼女にばれてしまった拓巳は、自分の元を去る火琉奈を引き留める術を持たなかった。忘れたい過去との決別、取り戻した平穏な生活、しかし、本当の試練がこれから訪れるということに、拓巳はまだ気付いていなかった。

俺たちの戦いはこれからだっ!

……あれ、さっきもこんな、文言書いてね?

2巻で予感させられた現実と創作世界の融合とか、割と大規模なイベントが華麗にスルーされているのはどうなんでしょうか。一応、この巻でお話が完結ということだから、落とし所を変えてきたわけでしょうけれど、あんまり物語がまとまってねえ!?

リアル世界の拓巳を襲った史上最大のピンチを切り抜けたと思いきや、火琉奈は敵の手に落ち反転、敵方最大戦力の戦闘メイドの登場と、さらなる過去からの追っ手の追撃と、拓巳の日常は脅かされっぱなし。いや、しかし、痛いよ、痛い。ネットの距離巻を感じさせない匿名性に駆り立てられ、熱に浮かされた一時の情熱を語るのも語られるのも。いや、ホント、ほどほどにねっ!

しかし、こうして見ると拓巳の痛さもそうだけれど、ミキモトのネット上のいざこざを眺めて安全圏からによによしてるってのも身につまされる気がしてなりませんねぁ。あそこまで突き抜けてはないけど、覚えがないかといえば嘘になるような。そんな痛い腹を探られるようなもにょり感満載のお話でしたねえ。

さて、一発ネタ的で勢い重視な本シリーズが終わったわけですが、はてさて次はどんなお話を見せてくれるんでしょうか。ある意味、本作が黒歴史にならなければ、なんてアレなことを考えてしまいました。いかんいかん。

あ、黒火琉奈のコスチュームは大変けしからんビジュアルですばらしかったです。

hReview by ゆーいち , 2009/04/11

セキララ!! 3
セキララ!! 3 (ファミ通文庫)
花谷 敏嗣
エンターブレイン 2009-02-28
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セキララ!!〈2〉

stars 世の中に、『やればできる』なんてことは、ひとつもないんだよ? どんなことだって、『やらなきゃできない』んだよ?

自らの黒歴史でもある小説『邪王戦聖記』の世界から現実にやって来た火琉奈。『邪』である邪樹を退け、一件落着と思いきや、火琉奈はそのまま拓巳の元に残ってしまう。恋人の桜からは冷たい目で見られるわ、親からは怪しまれるわ、この先いったいどうすれば……。そして、ついに次なる敵が現れる。桜に気安く近づいて来た謎の男。もしかして、あれは『サクラの婚約者』にして殺人鬼の……?

イタタタタタタタ!!!

自作小説から現れたキャラクターの言動と、それによって思い出した過去のイタい行動に苦しめられた前巻とは、また違った痛さに襲われますね。

小説の展開を全て知る作者だからこそできるチート行為で火琉奈を強化した拓巳たち。次に現れた敵キャラを打倒するために万全の準備で望もうとするけれど、そればかりにかかずらっているわけにはいかなくて。

自分がなりたい自分と現実とのギャップに苦しめられ、周囲の人間たちが特別に見えて、自分にはなにもないと錯覚してしまう拓巳。けれど、作者の特権を使って誰にもできない方法で『邪』と戦うことができたことから、勘違いしていって、ついに爆弾が炸裂。桜との関係がぎくしゃくしていたところに、止めとばかりに投下されたこの取り返しの付かない行動。端から見てもそうだし、冷静になってしまった拓巳自身も自分を消してしまいたいくらいに恥ずかしくて、そしてそれ以上にどうしようもなく逃げたい大失態を犯してしまいましたね。

桜との関係も、ここで結構厳しいものになってしまったし、彼女と近づくきっかけになったバンドのメンバーとの意識の違いも、これから尾を引いてくるのかも。そして、何よりも、社会的に抹殺されかねない窮地に陥ってるんだけれど、ここからのリカバリー、どうするんだろう……。

さらには、物語自体も、なんだか本格的にファンタジーに移行しそうな雰囲気。イタい物語を題材にした物語、それ自体が、イタいお話になってしまいかねないけれど、これは、作中作の登場人物と、その作者との対決とかいうメタな展開になっていくのかな?

hReview by ゆーいち , 2008/09/03

セキララ!! 2
セキララ!! 2 (ファミ通文庫 は 3-1-2)
花谷 敏嗣
エンターブレイン 2008-08-30

セキララ!!

stars 誰にでも、人には言えない過去がある。おれにだってある

あ……ありのまま、今、起こった事を話すぜ! 『放課後、大通りで“火琉奈”に会った』。白昼夢だとかイタいファンのコスプレだとかそんなチャチなもんじゃあ、断じてねえ。もっと恐ろしいもの片鱗を味わったぜ……。

主人公の拓巳が過去に書いたオンライン小説のヒロインが、そのままの姿と能力で現実に現れ、さらに物語の筋をなぞって敵まで現れてさあ大変。過去の自分をぶち殺したくなるような黒歴史の産物が、今、傲然と牙を剥く! って、これはいろいろな意味でイタい(笑) 過去に小説を書いたことのあるひと、また現在進行形で書いているひと、そのどちらもが通ったかもしれない黒歴史が、白日のもとに晒されたとしたら……。拓巳の場合は、ネットでのイタい行動がきっかけで、全てを封印して一般人として生きることを選んだのに、ここに来て過去の恥部を洗いざらい見せつけられる苦悩は、筆舌に尽くしたいのでしょうね。

でも、笑える。こういう厨二病全開な設定を、上手いことギャグパートに盛り込んでますね。出てくる用語とか、作中小説『邪王聖戦記』の地の文とかが、イタくてイタくて笑えてしまう。こういう方向性の物語を書いているひとは、また違った意味で転げ回りたくなるんでしょうね。

登場キャラも、なんだかんだで、拓巳の過去と関わっている面子ばかりで、主人公の彼女の桜さんが、実は……、な展開は驚愕したというか大笑いしたというか、世間の狭さとネットの恐ろしさ、そして空気の読めない厨房の行動力に感動すら覚えます。脱オタクを図った拓巳と、現役のオタクである久実本やGTさんとの間にある、ギャップがまた壮絶で壮絶で。なんか、こんな良識派な主人公は久々に見た気がします。

リアルとバーチャルの混合具合としては、『ラブ★ゆう』とかを彷彿とさせますが、それとは別方向に突き抜けた厨二でテンプレな展開なのですが、それも含めて、この作品の空気を見事に作っていると思いました。こんな風にドタバタな展開を続けてくれるなら、続きが読みたくなってしまいますね。オリジナルの『邪王聖戦記』は、ラストまでやっちゃった系のラストなので、そこへ至る物語をどう変えてくれるのか、続きが出てくるとしたら良い結末を迎えて欲しいですね。

とにもかくにも、このイタさを楽しめるかどうかが、分かれ目の作品ですね。個人的にはとても面白かったです。

hReview by ゆーいち , 2008/03/29

セキララ!!
セキララ!! (ファミ通文庫 は 3-1-1)
花谷 敏嗣 京極 しん
エンターブレイン 2008-02-29

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