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風水街都香港〈下〉

stars ねえ、聞こえる!? 私のこたえが!

香港を天界とする儀式が始まった。空には大地竜が舞い、都市は崩壊が続いている。香港返還の期日となる6月30日。タイムリミットはその日。この儀式を止める方法は一つ、陽の力を持つ大地竜に、陰の力を持つ大地竜をぶつけること。しかし、その可能性をもったアキラは、兄・ダブルリーとの戦いの後、風水の力に恐れを抱いていて……。

大地竜起動を阻止する総力戦にして第1戦は香港師団の手痛い敗北。アキラは風水を行えなくなり、リンは大怪我を負い。ダブルリーの思惑通り、けれど彼の真意は誰も見通せぬまま、香港が崩壊するそのときが刻一刻と迫りつつあって。

アキラとガンマルのふたりを主軸に据えながらも、香港という都市、そして飛翔歌に秘められた秘密、そして、相対した兄・ダブルリーの思惑の不透明さなど、伏線のオンパレードで怒濤のごとく終わってしまったような下巻でした。

まぁ、ぱっと見、ラストでこれでもかという大団円なので、これはこれで良しなんでしょうけれど、語られなかった部分、想像で補うと、より楽しめそうな部分を思うと、一回読んだだけでは楽しみ尽くしたとはいえないのかなあ。

と思って、Wikipedia の風水街都 香港の項を読んでみたら、過剰な設定と伏線のため、発売時から現在に至るまで「難解過ぎる」とする評が多い だって。やっぱりね。

hReview by ゆーいち , 2008/05/05

風水街都香港〈下〉
風水街都香港 (下) (電撃文庫―都市シリーズ (0266))
川上 稔
メディアワークス 2001-11

風水街都香港 〈上〉

stars アキラの風水ってのは、俺が知ってる風水とどう違うんだ?

返還が迫る魔都・香港。香港商店師団の一員として活躍する風水師のアキラは、とある事件の直後に香港一の五行師ジェイガンの最期を看取る。その背後では、香港上空に在る滅びた天界を、香港の土地でもって復活させようという、アキラの兄・ダブルリーらの思惑が動いていた。ジェイガンの弟・ガンマルと出会い、アキラは自らの風水を、そして五行を見つめ直していく。そして、香港崩壊の時は刻一刻と迫っていた。

上巻にして、かなりな盛り上がりと絶体絶命の窮地。アキラにとっては、圧倒的な実力の持ち主が後から後から湧いて出て、自信喪失、まさに絶望な引きですね。

そして、香港を天界にするという計画の第一段階が発動。いきなり大壊滅な香港ですが、これから一体どうやってこの計画を止めるというのか。アキラの仲間、師団の面々も皆、窮地に陥っているし、ここから一気呵成の大反撃となるのかどか?

風水師を毛嫌いするガンマルは、軽薄な言動とは裏腹に、重い過去を抱えていそう。兄との確執とか、戦いの道具としかならない五行の力とか、そんなものをひっくるめて、アキラと出会ったことで、彼もまた良い方向へ導かれていっているような。アキラと交わすどつき漫才も軽妙で楽しいし、なんともお似合いのふたりかと。

さてさて、大事な部分の伏線は張りっぱなしで緊張感全開で下巻へ続いていますが、下巻はこの調子だと最初からクライマックスな展開が予想されますね。期待大。

hReview by ゆーいち , 2008/04/21

風水街都香港 (上)
風水街都香港 (上) (電撃文庫―都市シリーズ (0263))
川上 稔
メディアワークス 2001-11

エアリアルシティ 架空都市─倫敦

stars Live with fear no evil whatever

架空都市倫敦。書物の中に築かれた英国はそう呼ばれている。天使と魔物が住まう都市、あらゆる存在・事象が文字として表される都市。そんな架空都市に簡単には入り込めないはずの人間が三人やって来る。そして、彼らは魔物を狩り出す。倫敦に天界を落とすという目的のために。魔族の青年・アモンは仲間を殺され、そして彼自身も否応なく事件に巻き込まれていく。

都市シリーズ第2弾。設定が独創的すぎて分かりづらい部分が多かったですね。登場人物・世界のすべてが文字で記述されているという設定のおかげで、絵面を想像するのに難儀しましたね。

そういう意味では、かなり人を選ぶ一冊かも。というか、川上稔の作品自体が人を選んでる気がしますけれど。

そんなこんなで、根本的な設定や用語の解説が作中でほとんどないので、なんとも置いてけぼり感を覚えますが、何気にどっかで聞いたことのあるような言葉が出てきたり、『終わクロ』からの設定を引き継いだりしてる部分があったりと、いろいろとにやりとさせられる部分はありましたね。

アモンと目を閉ざしたままの女性クラウゼルの関係は、割とあっさり目で、どちらかというと、自分の写し身みたいなヴァレスとの対比・戦いが物語の中心にあったような印象です。

ヴァレスとモラウとラルフという、敵方に立ったひとたちの物語の方が、なんだか深いものを感じた作品でした。

hReview by ゆーいち , 2008/04/20

エアリアルシティ
エアリアルシティ (電撃文庫―都市シリーズ (0190))
川上 稔
メディアワークス 2002-03

パンツァーポリス1935

stars えー、こちら伯林上空。全周波数に向けて送信中

人類史上初の有人宇宙飛行の不幸な結末から十五年。宇宙への挑戦が無意味なものとして誰もが顧みない世界。そんな中、ヴァルターとパウルは、独自に建造した超常識飛行戦闘艦カイザーブルクで宇宙を目指す。カイザーブルクを巡ってドイツ空軍との激しい戦いを繰り広げながら、ヴァルター、パウル、そしてふたりと出会ってしまったエルゼは、その野望の成就へ向けてただ真っ直ぐに飛び続ける。

川上稔のデビュー作。ずっと積んでいたのですがようやく読むことができました。都市シリーズの最初のエピソードとなるお話ですね。

全体的に読みやすいです。『終わりのクロニクル』のようなアクの強さはあまりなくて、すんなりと読めます。逆に言うと、直近の作品のような文体を期待すると肩すかしともなりかねない可能性が。

かつて宇宙を目指した男の後を追って、誰も目指さない天頂を目指すヴァルターとパウル。憧れや使命感にも似たその情熱とかは、『宇宙英雄物語』などを彷彿とさせ、なんとも懐かしいロマンを思い出させてくれました。

キャラは意外にもまっとうな性格をしているようで、口絵やあらすじに書かれているような破天荒な性格ではないかなあとも思いました。なんだか、みんな良識が残っていて変な感じです(笑)

戦闘シーンなども空中戦メインで描かれていますが、無駄に長くもなく過剰な描写もなく、割とあっさり目。意外に短く物語が完結してしまったのが、なんとも不思議な感じです。

ともあれ、独特の世界観を構築する都市シリーズの第1作。以降のシリーズも、またがらりと雰囲気を変えて書かれているらしいので、様々な楽しみ方ができそうなので期待です。

hReview by ゆーいち , 2008/04/15

パンツァーポリス1935
パンツァーポリス1935 (電撃文庫)
川上 稔
メディアワークス 1996-12

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