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長谷川昌史 Tag Archive

いつか、こいまち!

stars 自分の想いに縛られたままなのが、一番苦しいのだ。

親の都合で田舎へ引っ越してきた一之瀬真哉を、クラスメイトたちは温かく迎えてくれた。隣の席の女の子・甘楽さんなんて、掌底まで食らわせてくれて。クラス委員の樒さんが気になりつつも、甘楽さんの秘密を知ってしまった真哉は、樒さんに誤解されてばかり。そんな甘楽さんの秘密、それは、この土地に古くから伝わる恋の神様のだということで……。

ドジな恋の神様・甘楽が300組目のカップルを誕生させるために、真哉とともに四苦八苦するお話。なんだけれど、その目的がなんだかうやむやのウチに解決してしまう流れはポカーンというか、なんかふたりの努力がかなり空回りで偶然で助かった感じなのがなあ。作者の前の作品『サインをつかめ!』でもそうだったけれど、なんか期待を微妙な方向に裏切ってくれる流れですね、これは狙ってやってるのか……?

てっきり、甘楽さんと真哉のふたりが300組目になって成就するのかなあとか、あるい樒さんも交えての三角関係で大変なことになるのかなあと思ったら、ここ、仲良しグループで片付いてますよ、あれ、普通、こういう美味しいシチュエーションてもってふくらませるんじゃ? 従妹の早苗ちゃんの立場は!? と、なんだか放置されてるいろいろなお話がありそうなんですが……。

そこら辺を放って、あっさりハッピーエンド(?)になってるのはどうなのかなあとか疑問を覚えつつ終わってしまいましたが、まぁ、その先もぽわぽわと仲良しグループで楽しくやっていくのかなあ? ああ、なんだか消化不良感が残ってしまって残念。

hReview by ゆーいち , 2008/07/27

いつか、こいまち!
いつか、こいまち! (電撃文庫 は 6-5)
長谷川 昌史
アスキー・メディアワークス 2008-05-10

サインをつかめ!

サインをつかめ!読了。

ひぃ~、予想の斜め上。ていうか、コオロギ君、君が登場人物の中で一番黒いよ!? 学園ものでこんな主役あんまりいねぇ!?

エピローグさえ読まなければ、サインという不思議なメールを巡る四人の少年少女の物語、で片付きそうなのに、最後の最後でその印象がぶち壊しです。

この構成は狙ってるんだろうけど、どういう意図なのかさっぱりです。計画通りにことが進みすぎだとか突っ込みたくはなりますが、ハッピーエンドならいいのか、な?

いや、でも、この事件の顛末が知られたらそれこそ今回以上に大事になりそうな気がするのだけれど。

ガトリング・メロディ―nerim’s note〈2〉

ガトリング・メロディ―nerim’s note〈2〉読了。

田舎の平和な生活しか知らなかったネリムに突きつけられる戦争をしているという現実の厳しさ。所々でネリムの綴る日記が挿入されるのですが、甘ちゃんだった旅を始めた頃から、少しずつ心境が変化していくのが伝わってきますね。やたらとディネさんの思い出に逃げようとするのは女々しいというか未練たっぷりだな、おい。

正直、タイトルのガトリング・メロディは、本作のタイトルとしては微妙な気も。もうちょっと良いタイトルが付けられたのではないかなという感じです。全編を通しての作品名としてはやや力不足かな。

ひかりのまち―nerim’s note

ひかりのまち―nerim’s note読了。

これなんてキノの旅って感じ。いや、キノの旅読んだことないけど雰囲気からしてこんな感じなのかなと勝手な想像。違ってたらごめんなさい。

現実の世界観と微妙に軸をずらせていて、未だに地動説が幅をきかせていたり、光子力だとか時移植だとか、もはや魔法の域の技術が伝えられていたりと、そこに生きる人間の感情は同じなのに生活臭はずいぶんと異なった印象ですね。少なくとも舞台の時代設定としては、現代から数百年過去であるといったところでしょうか。

主人公のネリムは、どうにも主体性が欠けているようで、女の子からのアプローチをかわすにも四苦八苦したり、そのくせ年上のディネに対してはあっさり流されたりと、やきもきしまくりですよ。終盤は中の人が変わったかのように、示される「本当のこと」に敢然と立ち向かったりもしますが、これは尊敬し目標でもあった兄がいたからなのかなと。それをいったら、兄の心変わりの早さも一気呵成にして、唐突すぎる気もしますが。

その辺差し引いても、長かった夜が明けるという情景は美しく、旅立つには良い日なのかなといった風情で、ネリムの旅の始まりと相成るわけですが、どこかどうして、3巻のような話に繋がるのか、さくさくと2巻も読むとしましょうか。

水晶宮殿―nerim’s note〈3〉

水晶宮殿―nerim’s note〈3〉読了。

虚栄に満ちた城にたどり着いたネリムを襲う欲望との戦い。聖人君子なわけもなく、自らの持つ醜さとの折り合いの付け方を模索しながら少しだけ成長したと思ったら、なんだか重大な事実が告げられて引き、というなんとも焦れったい終わり方。

もっとも、印象に残ったのは序盤のフロウとの道中。彼の言動の危うさとか、過剰なまでの憎悪の感情など、本巻のテーマであるっぽい”欲望”をここまで体現するとは恐れ入ります。彼がどの時点で壊れたのかとかを考えるとやるせなくもありますが、終わり方まで悪意に満ちてて、ちょい役ながらもやたらと印象に残った感じが。

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