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シゴフミ 4―Stories of Last Letter

stars 思い出してちょうだい。あなたがこれまで届けてきた、温かくて優しいシゴフミの存在を。人々が努力の果てに得た、輝かしい奇跡の数々を

シゴフミは人に許された最後の奇跡。そう信じる文伽にとって、名も無き殺人鬼の存在は、どうしようもなく悲しいものだった。それは、彼女の終わりの始まりを決定づけた、彼女の絶望そのものだったから。物語は文伽の核心へと至る。始まりの終わりの物語へ。

シリーズ完結。なんかアニメに出てきてるキャラがこちらにも顔を出してるみたいですが、最初の数話しか見てないのでなんとも……。

最終巻は前巻からの物語を引き継いで、シゴフミにまつわるひとびとの物語から、シゴフミの配達人たち、文伽がそうなるまでの物語へ移行していきました。彼女がシゴフミにこだわる理由、信じようとしない、受け取ろうとしなかったひとへ見せる感情の正体、それは配達人としての彼女の出自に深く根付いたもので、この作品で語られた様々な出会いの果てに、ようやく彼女は自分のシゴフミを望んだ相手に届けることができたという、そんな気の遠くなるようなお話。

残された奇跡は、遺されたひとびとにとって、結局はこれから生きていくひとがどう受け取るか、それが全てで、そこに特別な感情を見いだしてしまった不幸な配達人である「彼女」が、これからどういう道を選ぶのか。カラー口絵で短く語られた、彼女と相棒の会話を見直してみると、彼の遺言が叶えられることを願いたくなりますね。

そんな彼女に憧れ、配達人としての矜持を身につけた文伽。彼女がこれから出会っていくひとたち、別れていくひとたち、その誰にも平等に与えられた奇跡が、文伽を悲しませることがないよう、絶望させることがないよう、そんな祈りを捧げたいと思います。

hReview by ゆーいち , 2008/03/26

シゴフミ 4―Stories of Last Letter (4)
シゴフミ 4―Stories of Last Letter (4) (電撃文庫 あ 17-8)
雨宮 諒
メディアワークス 2008-03-10

シゴフミ 3―Stories of Last Letter

stars だからせめて最後は優しい嘘で

死者の最後の想いを綴ったシゴフミを、遺された人に届けるフミカとマヤマの物語。今回はちょっと構成が独特になっていますが、「嘘とオーロラ」「輝けるもの」「Rainy Day」の3編を収録。

何はともあれ、最初のお話「嘘とオーロラ」に泣かされます。というか、あの内容は卑怯だ。幸せにするための嘘、幸せになるための嘘、だまされやすいと自覚する主人公の切ない内面の揺れ動きが、ツボで琴線揺さぶられまくり。これまでもちょっといい話系はあったけれども、この物語はいろいろな意味で、衝撃的だったかなあ。

変な爺さんが遺した謎かけに少年少女が振り回される「輝けるもの」はコメディ調。フミカとマヤマも手玉に取られ、マジギレモードのフミカもかわいらしいですな。

最後に収録された「Rainy Day」は、これまでで初めてフミカ以外の配達人が登場。そして、ここで遺されたシゴフミは日の目を見るのか見ないのか。作中の設定を上手いこと読者に伝える役目も果たしてそうですが、物語自体も平和の対極にある戦争という状況下で、死者が残す想いというのは決して優しいものではないという厳しくてやるせない側面を見せてくれます。フミカが「今」活躍している時間軸と時代的にどれくらい離れているのかがわからないですが、何気にリンクしたりするのかな。

カラー口絵は、本編の場面を絵にしたのではなく、フミカが配達人になった過程の欠片が描かれたのかな。同じ名前を持つもう一人のフミカとの出会いが、彼女に何を決意させたのか、とか今後語られる日が来るのでしょうかね。

アニメは、小説版とはまた別の配達人が主人公になるみたいなので、新鮮な気持ちで見られそう。

hReview by ゆーいち , 2007/11/29

シゴフミ 3―Stories of Last Letter
シゴフミ 3―Stories of Last Letter (3) (電撃文庫 あ 17-7)
雨宮 諒
メディアワークス 2007-11

シゴフミ 2―Stories of Last Letter

stars 世にも不思議な死後のお手紙 短編集第2弾

死者の遺した想いを記した手紙を届ける配達人・文伽とマヤマの物語第2弾。

今回は3つの短編を収録し、様々な想いの形と、残された人々の感情の揺れ動きを文伽・マヤマとの交流を通して描いていきます。

ふとした事からヒーローに祭り上げられてしまった成り立ての消防士、飼い主の先行きを案じる猫、恋結びのキューピッド役を買って出た少女の仄かな恋の行方。死者からの手紙が生者に与えられる言葉は少ないけれども、そこに込められた想いが強ければ強いほど、それを受け取った人々が感じる感傷や寂寥の度合いは増していく一方で。

3編の結末のどれもが、少々苦みのある終わりを迎え、前巻にあったような心温まる優しいお話、という側面が弱くなってしまったのが個人的には残念ですね。
また今後の展開への余地なのか、文伽に関わる語りがほとんどなかったりで、彼女のシゴフミの宛先とかそういった伏線が未回収なのも消化不良感の原因でしょうか。次のエピソードではそういった部分の進展も期待したいですね。

hReview by ゆーいち , 2007/06/16

シゴフミ 2
シゴフミ 2―Stories of Last Letter (2)
雨宮 諒
メディアワークス 2007-03

シゴフミ

シゴフミ―Stories of Last Letter

読了。

死者の想いを届ける、シゴフミの配達を行っている、文伽と相棒のマヤマ。二人と残されたもの、逝くものの交流を描いた短編連作。

前作の『夏月の海に囁く呪文』でも感じたけれど、優しい世界を描く人ですね。そして、大切な人を失ったものの、前へ進もうとする気持ちを真摯に描いた作品でした。良くある感動系のお話ですが、無愛想で、一見無感情な文伽が、関わった人たちの憂いや後悔、不安を解消するために、不器用な優しさを見せてくれたりと、こういうお節介な主人公はなかなか好みです。マヤマはちょいと喋りすぎな感じですが。

次巻の発売も決定してるということで、文伽がシゴフミの配達人になったいきさつとか、そんな語りも期待できそう。彼女が遺した、あるいは遺された手紙の内容とか、興味湧いてます。

夏月の海に囁く呪文

夏月の海に囁く呪文

読了。

うあー、良い雰囲気の物語です。

毒にも薬にもならないような優しい物語ですが、気に入ってしまいました。挿絵なしという電撃文庫にしては数少ないスタイルも、本作には合ってる感じですね。ファンタジーとかそういった突飛な設定ではなく、とある島にコッソリと伝わるある呪文をキーワードにした四編の短編集。その呪文が各掌編の主人公の口づてに次の主人公へ伝えられていったり、その呪文の意味がそれぞれに違う意味を持ってみたりと、なかなか面白い構成です。最初のお話を読んだときは、一気にファンタジー世界に飛んでしまうのかとか、呪いとかそんなおどろおどろした展開に突入してしまうのかと思いきや、ここまで心に染みるお話が続くとは思いませなんだ。

優しい優しい童話ともいうべき本作。疲れた心には効果抜群。じんわりと温かい気持ちになれましたね。

エピローグのオチはなかなか見事。ああいう風に落とすとは思いませんでした。あの呪文は確かに恥ずかしい。台無しだよ(笑)

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