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スーパーダッシュ文庫 Tag Archive

迷い猫オーバーラン!―拾ってなんていってないんだからね!!

stars 迷惑は、かけてもいいんだ。家族には。そして、友達にも。

都築巧の姉・乙女がまた面倒事に首を突っ込んだ。そんなことばかりしているから、経営する洋菓子店『ストレイキャッツ』が危機的な状況にあるというのに。幼なじみで凶悪な口の悪さと全く素直じゃない性格の芹沢文乃も、ぼやきながらも手伝いをしてくれるけれど、今度ばかりはどうなるか分からない。だって、今回、乙女が拾ってきたのは、捨て猫どころじゃない、謎の少女だったんだから!

世間では実名でニュースサイトが登場するとか、そんな理由であちこちで取り上げられてますが、そんな大騒ぎするようなことかと思ってしまうひねくれた見方をしてしまいます。別にそこが物語に大きく関わってきてるわけでもないですし。まぁ、安易に実名で大手のサイトとコラボ(笑)すれば、話題作になってウハウハみたいなつもりで今後も続いてくるようだとウボァとなってしまいそうですが。

で、表紙と冒頭の展開で、文乃のツンデレを楽しむドタバタなラブコメかと思いきや、なんだか家族計画になっていた本作。読み終わってみたら悪くない感じでしたね。逆境にめげずに、身を寄せ合って、けれど、卑屈にならず明るく日常を送っている姿に和みます。

姉が拾ってきた少女・希の登場で、巧と文乃の関係が微妙に揺らいでくるあたりから本格的にお話が動き出します。文乃の性格が、どこまでも徹底した本音を言わない嘘つきなもので、だからこそ、長い付き合いの巧は、彼女の本音をよく分かって御してみせたり。

そんな「家族」の中に、拾われ放り込まれた希は、言葉少なで心をなかなか明かそうとしないけれど、少しずつなじんでいく過程が良い感じ。学校へ行ったり、ストレイキャッツの手伝いをしてみたり、友人たちと言葉を交わしてみたり、と彼女がどんどんと巧の日常になじんでいって離れがたくなったときに起きる最後の事件。巧や文乃の抱えていた事情というのは、容易に想像ができるたんですが、だからこそ自分たちの気持ちでもって希とともにいたいと伝えるふたりの姿が響きますね。大変良いクライマックスでございました。

文乃は言うに及ばず、学校の友人たちや、お嬢な千世もテンション高くて極端な性格で描かれているので、このノリでどんどん続いていくとちょっと辛いような気もしますが、物語の方向的に、今回の終わり方のような暖かな展開を予定しているのなら、とても楽しみになってしまいます。そうなってほしいなあ。

しかし、主人公に想いを寄せる娘たちはみんな天の邪鬼で見ていて楽しいです。にやにや。文乃の言葉がどこまでホントでどこまでが嘘か、今回のラストの台詞を思うと、こういう娘も可愛いって思えてしまいますね。

hReview by ゆーいち , 2008/11/05

アクマ・オージ

stars はい、悪魔です。今日も生きててすみません。

過去のとある事件により、悪魔と自称し、ひっそりと生きる少年・相馬逢司。けれど、彼の周囲の世界は、彼のクラスメイトたちは、優しくて。だから、逢司は決めた。この優しい世界を守ろうと、たとえ自分が傷つき、命を落とそうとも。そうして、逢司は友人たちが巻き込まれたトラブルに、自ら飛び込んでいく。

岡崎裕信の過去の作品を知っていると逆にびっくりするかも。なんだか、やたらと読みやすくなったし、重い展開に落ちていかなかったし!?

過去の凄惨な事件の生き残りで、自分もその手を汚してしまっていることから、生きる価値なしと思い込もうとする少年・逢司がクラスメイトたちを助け、そして助けられる物語。

なんか、この自虐的な性格も、こちらがどん引きするくらいのヘヴィさで描かれていればまだしも、幼なじみの少女・白姫青蓮をはじめとした、愉快で優しいクラスメイトたちに囲まれているせいか、どん底感はどこにもないんですよね。そんな優しさに報いようと、自分を省みない無茶をしつつも、ちゃんとその恩を友情として返してくれる友人たちも素敵。というか、逢司のクラスは楽しすぎる。結果、彼がその楽しさに気付くところまで描かれたというのが、彼にとっての最大の救いだったのかなという印象です。

過去の作品だと、主人公はとんでもない運命を背負わされていたり、未来に希望が残されていなかったりと、さんざんだったのに比べると、本作は前向き前向き、どこまでもまっすぐですね。私個人としては過去作のような雰囲気も大好きなので、そういうお話ももっと見てみたいのですが、本作においては、意図的に文章を軟らかくしているのか、対象年齢を低めに設定して物語を書いてるのかなあとか思いました。確かに、逢司みたいな思考をする中学生とかいそうだもんなあ、邪気眼なノリだけれど、独りよがりにならずに、逢司自身も周囲の世界を受け入れてるので、そういった意味ではまったくもって救い満載の結末ですね。

ヒロインの青蓮との関係は年齢相応の幼い友達以上恋人未満な雰囲気ですが、青蓮がひとり突っ走って行ってる感じなのがにやにやしますね。可愛い娘なんですが、物語全体で見ると逢司との絡みが少なかったのが残念かなあ。続きがあるなら、らぶらぶしたりするシーンを見てみたいですね。

hReview by ゆーいち , 2008/10/24

戦場のエミリー―鉄球姫エミリー第四幕

stars 待ちわびたか! 恋しかったか! グレン!!

ラゲーネン王国を揺るがす惨劇が起きた。ガスパール王の暗殺に大きく揺れる王国。進行するヴェルンスト王国は着実にラゲーネンに迫り、そして国内では半島派諸侯が反旗を翻す。弟を失ったエミリーは絶望に打ちのめされ、父を失ったグレンは自らの無力を痛感しながらも何かを成すために戦場へと向かう。大切なものを守ることのできなかったエミリーは、このままま何もできずに終わってしまうのか。

前巻のラストでまさに衝撃の展開だったわけですが、今回はそこから生まれた波乱がこれでもかとエミリーやグレンを翻弄してくれますね。

奔放に見えて、けれど、身内をこれ以上失いたくないと願っていたエミリーの望みは、またしても裏切られ、ただの弱い少女な側面が描かれました。そして、グレンも彼が特別な存在でも何でもなく、ただ、状況に流されるしかできない、そんなことを自覚しつつも、けれど立ち止まることを良しとせず戦場へと向かう。対照的なふたりの生き方、弱いエミリーと強いグレンという、これまでとは逆の描かれ方をしていますね。

何も失いたくないから何もしないという選択をしたエミリーを叱咤するロッティもそうだし、グレンの思いを汲んで付き合うことを選んだリカードもそう。彼らの側にいる彼らの大切なひとたちは、こういう極限下でこそ支えてくれるから、彼らに守りたいと思わせる、そんな当たり前だけど見えていなかったことに、ようやく気付くことができたでしょうか。

戦況は悪化の一途。グレンの信じていた兄の裏切りが露呈するし、ラゲーネンを蹂躙する血風姫の軍勢は太刀打ちできるのかと思えるほどの強さ。最後の最後まで戦い抜くことを決意したグレンとエミリーの運命はこれからも過酷だろうけれど、生き抜いてほしいなあ。

hReview by ゆーいち , 2008/08/03

ラブ★ゆう〈6〉

stars 君は強くならなければいけないよ。すべての世界のために。そして……果てにたどり着いたとき、泣いてしまわないように。

四季島高校の文化祭がいよいよ始まる。俊たちのクラスは「ホストクラブ&メイドキャバクラ」を催し、豪華賞品とも交換できるポイント稼ぎに精を出す。ああ、しかし、このときの俊には予想できなかったのです。ホスト姿の俊に囁かれる甘い言葉が、普段見ることのできない仕草が、彼に想いを寄せる少女たちをどれだけ夢中にさせてしまうのかを。

またシリアスパートが次巻に続いたー!?

いや、もう、この作品は、ラブコメパートこそ本編。べたべたで、甘甘で、デレデレな女の子たちの姿を見ることができれば悔いはなしっ!

そんな感じで文化祭編スタートです。俊のホスト姿にときめいたロザリーたちが我先にと資金を投入する様は、もう、コメディとはいえやばい領域ではないかと。貢がせ貢ぐ、そんな社会の縮図をここで見せつけなくてもー!!

そして、お嬢・撫子の快進撃再び。もう、完全に故意に、俊とのふたりだけの生活を強引に実現しようとしてみたり、そんなくせ肝心なところで恥ずかしがってみせたり奥手になってみせたりと、なんて分かりやすい御嬢様なんでしょう。相変わらずのSっ気の健在。もう、ストップ入らなかったら行くとこまで行ってるでしょ、アナタたち。こういうシーンがあったりすると、ある意味サービスシーンとはいえ、ロザリーの影が薄くなって哀れに思えてしまうなあ。

シリアスパートでは、無窮の財産享受者の新たな刺客との対戦が、なし崩し的にトーナメントになったり、賞金賞品がふくれあがったりと、何このインフレ具合。賞品に俊の下僕権5年分とか無茶でてますが、これ、主人公チーム優勝できなかったら別の話になりますね(笑) まぁ、遊び心を忘れずに、次巻のバトルもコミカルにやってほしいんですが、微妙にシリアスな気配が漂っているのが心配かなあ。ラブコメモットーに展開するシリーズだから、シリアスに傾倒することはないだろうけど、やっぱりラブコメパートの楽しさをもっと見ていたいと思ってしまうなあ。

hReview by ゆーいち , 2008/07/27

ベン・トー 2 ザンギ弁当295円

stars 心を濁すな、狙いを澄ませ。今、想うべきは一つだけだ。

半額弁当争奪戦の世界に足を踏み入れた佐藤洋のもとに、従姉の著莪あやめがやって来た。彼女も、洋と同じく気高き狼たちの一匹であり、すでに「湖の麗人」の二つ名まで持っていた。あやめの目的は、「氷結の魔女」槍水仙との対決。しかし、あやめと仙との邂逅は、大きな陰謀のもと張り巡らせられた戦いの初戦に過ぎない。その背後には、帝王と呼ばれる東区内最強の男の影があった。

この無闇やたらと食欲をそそられる弁当の描写はなんとかなりませんかね!? 食べたくなって仕方がありませぬ!

とまぁ、半額弁当を命を賭けて争い、戦い、奪い合う狼たちの物語の第2巻。今回もバカなノリと熱い戦いと、そして、増量したエロコメ分でお腹いっぱいになること間違いなしですね。

洋は相変わらずギャグパートな部分では身を挺して、さらには貞操の危機に瀕してまで、笑いを提供してくれますが、ひとたび弁当を巡る戦いの場となれば、時にはライバルと共闘し、時には完膚無きまでに打ちのめされ恐怖に飲まれ、時にはその恐怖をすら誇りを持って真正面から立ち向かう、となんだか主人公らしい見せ場が多かったですよ?

今回の敵、帝王は気高き狼たちの戦場を、己の欲望のために穢そうとした倒すべき相手。その陰謀によって手傷を負った最強たる魔導師の窮地に駆けつける洋とあやめが勝利の鍵。その背後で生まれていた、帝王配下のラチェットとの友情じみた心の交流だったりも熱かったですねえ。

にしても、あやめの登場で、ヒロイン格がさらに増えました? 仙自体は洋を特に何とも思っていないようだし、白粉は腐りきってるあっち方面の住人だしで、一番有利なポジションというか、このままくっついちゃいなよ、的な立ち位置にいるのですが、肝心の洋自身が、ヘタレというか、空気読めてないので、その辺、あやめからのさらなるプッシュを期待したいですね。主に乳房的な意味合いで。っていうか、当たり前に抱き合ったりって、それ、もう恋人同士ですからっ!!

hReview by ゆーいち , 2008/07/06

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