Home > Tags > ヤス

ヤス Tag Archive

とらドラ9!

stars さあ、行こうか、高須くん。それぞれ行くべきところが、私たちにはある。

雪山遭難事件で、大河のほんとうの気持ちを知ってしまった竜児。彼女の気持ちを知ったことを伝えることも、応えることもできないまま、さらに追い打ちをかけるように、自分の進路について母親の泰子と衝突する。家庭の事情を考えて現実的な選択をしようとする竜児と、ただただ勉強して欲しいと進学を促す泰子、ふたりの意見はすれ違いを続けたまま、答えはどこにも見つからなくて……。

にしても、独身(30)の言葉はいろいろと重い。というか、自分にとっても身につまされる言葉が多いし、今になって振り返ってみると納得できる部分もあったりと、なんかこれまでの色物扱いが嘘みたいにしっかりと生徒のことを考えている先生してるんだなあ。これまで出てきた大人たちは、どこか歪な感じがしたひとたちだったけれど、彼女は正直見直しました。が、その辺の思いやりもなかなか教え子たちには届かない感じで……。

恋の問題はようやく片が付いたような感じ。実乃梨の思いもようやくはっきりとして、決着を付けて、前に進むことができたんでしょうか。亜美とは別の意味で、実乃梨も強くて、自分を貫くために傷つくことも厭わない、そして自分のほんとうの幸せがどんなものであるのかを具体的に確りとした形で描いて、そこへ向かうことを決めたからの今回の選択。グダグダの泥沼になるかと思いきや、彼女のまっすぐさがそこからすくい上げてくれたように思いますね。

そして、竜児と大河の関係はようやく落ち着くところに落ち着きそう。

と思いきや、またしても鬼のような引き。逃げ場のない袋小路に追い詰められつつある竜児と大河。現実と、そして実の親という簡単には超えることのできない高い高い壁を目の前に、逃げることしかできなかったふたりは、やっぱり大人になりきれない子どもなんでしょう。けれど、それがいけないということではなくて、この時期に多分誰もが悩んだり苦しんだり、漠然と不安を抱いたりした、未来というそんな漠然としたことにたいして、それぞれが真面目に向き合い、答えを出す過程において、おそらくは避けることのできないエピソードなのかなあと。

物語の収束は間近な印象。進級を前に、それぞれはそれぞれの未来を歩むために、どんな答えを見つけ出すのでしょうか。

hReview by ゆーいち , 2008/10/12

とらドラ9!
とらドラ 9 (9) (電撃文庫 た 20-12)
竹宮 ゆゆこ
アスキー・メディアワークス 2008-10-10

とらドラ8!

stars 私は『あんた』を信じてるの。あんたは、みのりんが恋をするにふさわしい人間だって。それだけの理由がある人間だって。

クリスマスイブに受けた実乃梨からの拒絶、そしてだめ押しとばかりに罹ったインフルエンザで散々な冬休みを過ごした竜児は、傷心のまま新学期を迎えようとしていた。そして、大河から突然告げられる竜児からの自立宣言。まっすぐに実乃梨と向かい合えない竜児は、目前に迫った修学旅行を最後のチャンスととらえ、彼女の真意を確かめるため決意を固める。

竜児の、大河の想いが動き出したのは良いことだったのか悪いことだったのか。前巻のクリスマスの出来事が尾を引いたまま迎えた修学旅行は、波乱の予感。

舞台が修学旅行へ移る前の、ぎこちなくなってしまった人間関係が痛いですね。竜児は実乃梨とぎこちなくなるし、大河は竜児からの独立を一方的に宣言するけれど、らしくないくらいに罪悪感を抱いている。実乃梨は竜児に取った態度の後ろめたさを感じさせない様子で新学期を迎えるし、亜美に至っては竜児に対して露骨に悪意をぶつけてくる。ちょっとだけすれ違いが生まれただけなのに、ここまで歯車が噛み合わなくなってしまうというのは、本当に切ないですね。それが、雪山でのさらなる混乱の種になってるわけですが。

衝突する実乃梨と亜美。亜美が突っかかって行っている理由は、明確にされないままだけれど、竜児が実乃梨に対して感じた苛立ちだったりと似たような気持ちで、竜児にはできないことを、言えないことをぶつけているように感じますね。実乃梨が頑なに自分の世界を堅持したがる本当の理由が未だに分からないけれど、それを竜児が知って、本当の彼女の姿を見たときにこそ、竜児自身の気持ちがようやく固まるんじゃないかと、そんな気がします。

そして、大河の気持ちの行方ももうひとつの問題。北村を想っているはずなのに、距離が縮まったことが喜ばしいはずなのに、大河の心の中の大きな部分を占めている竜児。結局、大河は竜児への依存を止めることができなそうだし、それは竜児の大河への世話焼きがあるからだけでなく、知らぬ間に心まで救われていたという、そんなことに気付いたからなのか。

こんがらがった恋心と友情と、気付いているはずなのに認められない自分の気持ち。もう、コメな要素が消し飛んでしまって、終盤は胃がきりきりするような愁嘆場の様相を呈してきていますが、この出口の見えない物語にせめて暖かな光が差してほしいと、そんな風に思います。

hReview by ゆーいち , 2008/08/09

photo
とらドラ 8 (8) (電撃文庫 た 20-11)
竹宮 ゆゆこ
アスキー・メディアワークス 2008-08-10

とらドラ7!

stars ……結局みんな、自分のことが、一番わかんないんだよね

大河の停学が明ける。登校再開の前日、彼女を祝おうと、竜児は大河と買い物に出かける。時節は折しもクリスマスシーズン。無邪気にクリスマスを楽しみにし、サンタを信じる彼女は、普段の凶悪な手乗りタイガーとは違って猫を被ったかのような良い子ぶりで。一方、生徒会長に就任した北村は、有志によるクリスマスパーティを企画。元気のない実乃梨を盛り上げようと、竜児は彼女を誘おうとするが、ふたりの距離は微妙に離れてしまったみたいで……。

ラブコメのコメの要素がどっか行ってしまった!? 前半のだらだらとした、あるいは、陽気な学園祭準備とかクラスメイトとの馬鹿騒ぎとかはどこ行ったんでしょう。というか、全編通してやっぱりどことなく雰囲気が重い感じがしました。

ムードメーカーたる、実乃梨が消沈していて、彼女のワケの分からない勢いの良さがなりを潜めてしまうと、かみ合っていた歯車はこうも容易く空回りしてしまうのかと。実乃梨が竜児と距離を取りがちになった理由、大河と北村の近づいた距離にやきもきする竜児、そして、竜児と実乃梨の恋の行方を応援しながらも、ふたりの関係が接近することに言いようのない不安を感じてしまう大河、お互いの気持ちの方向が一方通行じみているだけに、この混沌とした状況は簡単には解決できないだろうな……と思っていたら。

最後の最後でとんでもない展開が。というか、これ、ラブコメじゃなかったのー!? なんか修羅場の予感がひしひしとしてきましたよ。というか、竜児の恋の行方はどうなってしまうの!? 実乃梨も大河も、自分の気持ちを自覚しつつも、ふたりが互いに遠慮し合っているようなもどかしさが、親友という間柄だけになおのこと切なく映ります。竜児自信も、自分が誰といっしょにいたいのか、誰に幸せになってもらいたいのか、おぼろげな答えを得つつも、それと真っ正面から向き合うには少々遅すぎたような……。

そして、この四人とは別の視点から彼らを眺める亜美。後からこの輪に加わった彼女がこぼした本音とも取れる一言は、それこそ彼女の後悔と切望なのか。猫被りを止めて本性を見せつつも、受け入れられているこのクラスに、彼女なりの愛着を感じつつも、真に交わることができないと悟ったような達観さも見え隠れして、損な役回りに思えてしまいますね。

しかし、ここまで来たら、この物語のラストの選択肢というのは絞られ切ったような感じですが、一体どうなることやら。このエピソードとして恋愛ものとして大化けした感のあるお話ですが、だからこそ、これまでやって来たバカな展開が懐かしくもあり、いつか戻るべき日常として大切に思えてしまいますね。

hReview by ゆーいち , 2008/04/26

とらドラ7!
とらドラ 7 (7) (電撃文庫 た 20-10)
竹宮 ゆゆこ
アスキー・メディアワークス 2008-04-10

とらドラ6!

stars 生徒会長選挙を前に北村ご乱心!?

文化祭で大切な思い出を作った反動か、北村が燃え尽き症候群を患っているようだ。──まもなく生徒会長選挙だというのに。そんな話題が、HRで出たとたん、北村は突然叫びだし、翌日──グレた。その理由も竜児や大河には分からず、幼なじみの亜美は彼を「甘えてる」と切り捨て、みんなの兄貴・狩野すみれは「失望した」と言い捨てて……。

軽妙なキャラクターで、あんまり悩みとは縁がないと思われていた北村を中心にしたエピソード。まぁ、スピンオフを読んでいれば、彼の悩みとかその辺は読者は分かっているのですが、しかし、ここまで分かりやすい反抗で駄々をこねるとは、という意味でちょっと意外なエピソードでした。

コメディとしての楽しい部分は至る所に仕込まれていて──主に、みのりん方面──笑えることは笑えるんですが、全体的にシリアス色が深まってきたのかなという感じがします。北村の悩みしかり、大河も彼への恋心に苦しみ、竜児はみのりんとの距離を不器用ながら縮めはじめ、亜美は一歩引いた場所で冷めた視線を送りつつも何かと気を遣っていたり。仲良しだったり、単なる友人関係だったものが、少しずつ変わり始めているという予感を抱かせます。

もう一人の中心人物だった会長・狩野すみれ。彼女が作中で語られているようなパーフェクト超人ではなく、年相応の恐れも怯えもある一人の人間であったということの明かされ。大河との真剣な殴り合いもそうだし、北村の想いへ応えたくても応えられないという、夢との狭間での苦しみとか、雲の上の存在なんかではなく、年相応の人間だったという描写とかも見事でしたね。最後の最後で心の憂いをなくし、豪快な笑い声で締めてくれた彼女は、それでもやっぱり兄貴らしい彼女のままでしたが。空の向こうへ届けとばかりの印象的な締めでしたね。

さて、みのりんは道化的な役回りをしつつも、時折別の顔を見せ、何やら訳ありの雰囲気を漂わせていますね。竜児との仲が少しずつ進展しているように見えるけれど、ふたりの距離がさらに縮まるためには見えない壁が厚く立ちはだかっていそう。頑なに心を開くことを拒絶しているような彼女の悩み、あるいは理由、何が何やら気になって仕方ないですね。

hReview by ゆーいち , 2007/12/28

とらドラ6!
とらドラ 6 (6) (電撃文庫 た 20-9)
竹宮 ゆゆこ
メディアワークス 2007-12-10

とらドラ5!

stars 手乗りタイガーの父親現る! 文化祭も波乱の予感!?

文化祭のクラス出展を、担任の恋ヶ窪ゆり(三十路)のワナによりプロレスショーになし崩し的に決められてしまった2-Cの面々。そんなとき相変わらずな毎日を過ごす大河と竜児の前に現れたのは、大河の今の状況を作り出した張本人の彼女の父親。大河との新しい生活について語る父親の言葉に心動かされた竜児は、何とか大河を説得しようと四苦八苦。少しだけ父娘らしい関係になりつつあるかと思われたとき、竜児が実乃梨にそのことを告げるとなぜか彼女は竜児を非難して。そして迎える文化祭当日。

大河の家庭の事情が明らかになるエピソード。どうにも彼女の父親は世渡り上手でも人間としては救いがたい。上手いこと仮面を付け替えて、世間体は繕いつつも、近しい人間にとっては全く信用に足りないという。竜児の母親の泰子の何気ない一言が、その実正鵠を射ていたというのは、さすが一児の母。

そんな父親の登場で、実乃梨と竜児の間もぎくしゃくしたり。どちらも大河の幸せを願うことでは一致しているはずなのに、過去を知っているか知っていないかで正反対の反応をしてしまい、なんとも重苦しい雰囲気。果たして実乃梨が何に嫉妬していたのか。彼女の前巻から今巻にかけての変化を見ていると、どうにも竜児を微妙に意識しているような気がしてくるけれど、肝心の竜児の方は、これまでの実乃梨への一途な恋心の高ぶりが、なりを潜めてきたような。

ラストのキャンプファイヤーのシーンはきれいできれいでうらやましいなあ。北村くんもなにやら大河に対しての態度が改まってきたような。微妙に一方通行な、それぞれの思いの行き先は、まだまだこじれて到着地点が見えませんね。

hReview by ゆーいち , 2007/08/15

とらドラ5!
とらドラ 5 (5) (電撃文庫 た 20-8)
竹宮 ゆゆこ
メディアワークス 2007-08

Home > Tags > ヤス

応援中
サイト内検索
フィード
メタ情報
広告
ブログパーツ
あわせて読みたい フィードメーター - MOMENTS

Return to page top