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中村九郎 Tag Archive
樹海人魚〈2〉
もう二度と泣かない。だから奈々、お願いだ。力を貸して欲しいんだ
酸月との戦いで、月型郡のDo-orは疲弊していた。有能な指揮者を失い、残された指揮者のひとり、ミツオはその姿を幼い子どもへと変えていた。そして、ようやく復興し始めた月型群へ、あらたな人魚が訪れる。そこにある街を飲み込み、彷徨市へと変貌させる、女帝の尖兵たちが。
話をすっかり忘れていました。読んでいる最中に思い出そうと四苦八苦しましたが、読み終わってみれば、あんまり覚えていなくても問題なかったなあという感じです。
このシリーズ、中村九郎作品の中でも、ずいぶんと読みやすく、さらにまっとうにライトノベルしているんですが、やっぱりキャラクターの会話と思考が一瞬にしてぶっ飛ぶのは変わってません。直前で言っていたことをあっさり翻したりはお手の物、自分が何言ってるか分かってないんじゃないかって会話が良くありますが、なんかそれが変な中毒性を生んでいるのかいないのか。
主人公の、ミツオがなんとも優柔不断で、そのおかげで今回のエピソードを通して、霙と奈々というふたりの人魚から取り合いになってしまうという、命がけの三角関係に持ち込まれてしまって、この先どうなるやら。当人たちの気持ちが、ようやく定まったというところなので、このまま修羅場なのかなあ。
何気に、重要人物だったひとが退場したりと、大きな展開があったんですが、よく分からない。Do-or内にてひた隠しにされている事実は、この作品の世界観を根底から覆しかねないだけに、どう料理してくれるんですかね?
hReview by ゆーいち , 2008/04/14
- 樹海人魚 2 (ガガガ文庫 な 1-2)
- 中村 九郎 羽戸 らみ
- 小学館 2008-03-19
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樹海人魚
中村九郎大進化!? 普通に読める作品に
人間に仇なす不死の存在・人魚と、それを手駒──歌い手──し、討伐する人間・指揮者の長きにわたる戦いの続く世界。主人公の森実ミツオは10年ぶりに現れた危険な人魚・死花花の討滅作戦中に自らの歌い手とはぐれ、別の歌い手・真名川霙と出会う。
中村九郎作品としてはこれまでに読んだ中で一番読みやすい作品でした。構成的な面にしても、文章的な面にしても、なんとか脳内に情景が構築できるぎりぎりのライン。それでも過去の作品を経験せずに読んだら、相変わらずぶっ飛んだ独特の文章と感じること請け合いですが。
作品の性格的にも、かなりライトノベルとして一般的な──中村九郎らしくない(笑)──設定であったり。そんな中にも独特の言い回しはあるわ、時にロマンティックな表現を用いたりと、薄味ながらもしっかり彼の作品であるという自己主張は感じられます。
弱気で大した実力もないという評価の主人公・ミツオと霙の関係は、まず信頼ありきであり、それを如実に体現するのが、指揮者と歌い手を繋ぐ赤い糸だったり、こういう設定はなんとも少女まんがチックで夢見がちな設定。冒頭でいきなり幼なじみで自らの歌い手であるバービーとの険悪ムードで始まったかと思ったら、ヒロインはいつの間にか霙になってるし、姉との確執もなんかよくわからないうちに解消してたり、いろいろと超展開的なところはあるのですが、それでも一つの作品として最初から最後まで混乱せずに読めたのはある意味驚愕であり(笑)
ストーリー的には続けられそうで、でもラストはかなり綺麗に締められていたりで、やっぱり単発作品としてまとまっているのかな。無理に続けると、とんでもない方向へ崩壊していきそうな危うさは感じます。
hReview by ゆーいち , 2007/06/30
- 樹海人魚
- 中村 九郎
- 小学館 2007-05-24
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アリフレロ―キス・神話・Good by
炸裂する異次元のセンス そして妙な中毒性
何というか一般受けまったく思想にない独特の文体と、突飛な展開が一部の読者のココロを鷲づかみな中村九郎の作品。
前に読んだ『黒白キューピッド』はまったく彼の感性が理解できなかったけれども、本作はなんとなく面白かった(笑) というかこの作品について語るための言葉を私は持ち合わせていないのかもしれない。
ビリヤードになぞらえた神様のゲームに巻き込まれて、死んだり生き返ったりの主人公・三井川の視点で物語が語られるかと思ったら、視点は飛びまくるわ時制はワケわからないわ、キャラクターの内面やら設定の説明がかなり断片的にしかなされないので、読み終わっても ??? な部分の多いこと多いこと。出てくるガジェットなどはラノベらしいものばかりなのに、中村九郎の手にかかれば歪で、けれどなぜかスピード感のある風味に仕上がってる不思議。何これ。
というか、この作品の文章が異次元すぎるので通常の感性では理解できないのかも。何となく描きたかったストーリーのプロットは推測できても、どこをどうしたらこんなステキな作品が生まれるのか、謎を解くことは放棄します(笑)
というわけでこの人の感性に触れたいと思ったら、騙されたと思って読んでみましょう。大部分の方には文字通り騙されたという感想が浮かぶとは思いますが(^^;
ガガガ文庫の『樹海人魚』も買ってしまってるんだよなあ。怖いもの見たさここに極まれり、ですね。
hReview by ゆーいち , 2007/06/16
- アリフレロ―キス・神話・Good by
- 中村 九郎
- 集英社 2007-03
- ★★★ | スーパーダッシュ文庫 | ライトノベル | 中村九郎 | 読書感想
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黒白キューピッド
褒める場所が見つからない 難度の高い奇書
読了。
こんなに読むのが辛い小説は久しぶりでした。どこをとっても面白いと思えないなんて、作者氏には失礼かとも思いますがダメダメでした。
このレベルで商業誌として出版されてしまうというのは、編集部の審美眼が腐っているのか、あるいは、ジャンプなどで良くある代打的な出版だったのか。いずれにしても、作者氏には猛省と更なる精進を期待。次は買わないけど。
最低限、キャラが立っていれば、まだ褒めようもあったのに、どこの中学生が考えたキャラ設定だよ、みたいなのが主人公とヒロインでは、読んで楽しいと思える層は狭すぎなんじゃ。舞台となる架空のゲーム世界も、名前だけで現実感も気迫、説得力が全くないので物語の体裁を保ってられないです。あと、とにかく地の文と会話がつまらないのは致命的。読者を楽しませようとするのなら、リサーチ重要でしょう。別にパクれというのではなく、最大公約数的な面白さの閾値というのはあるわけで、そこを越えてるならどんなスタイルでも読者は楽しめるでしょうし、届いていないのなら読むことを放棄されても責めることはできないのでは。残念ながら、私にとっては後者だったわけで、ハズレと断言できるくらいのレベルの作品にお目にかかれるとは、世の中は広いです。
hReview by ゆーいち , 2007/06/16
- 黒白キューピッド
- 中村 九郎
- 集英社 2005-04
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