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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん Tag Archive

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん6 嘘の価値は真実

stars みーくんは、わたしが死んじゃったら泣く?

のどかな学校生活に帰還した僕とまーちゃん。とある日の体育の授業をふたりで絶賛サボタージュ中に、体育館に闖入してきたのは人間を辞めたっぽい人物 with 猟銃。問答無用でぶっ放し、血の池をせっせと作るそいつの魔手から逃れた僕とまーちゃんの、クラスメイトを救出するための正義の戦いが、今、始まる。嘘だけど。

毎度毎度極限状態に陥りながら生きながらえるみーくんが、今回は珍しく主人公らしい活躍? てか、みーくんが言うとおりの今回の犯人は、完全に小物扱いされて、反撃され始めると精神的に圧倒されていっているせいか、生死ぎりぎりのやりとりをしているわりには緊迫感が薄かったかも。

種が明かされてみると、なるほど、犯人自身も上手いこと踊らされていたというか、背後にはやっぱりどこか切れてしまった人物がいたりして、そういった物語構造はシリーズ通りという感じではありましたが。

むしろ、挿話である、他のキャラの物語の意図の方が気になったかもしれません。これまでみーまーに関わったひとたちの、現在の日常が描かれたり。誘拐された兄妹は長瀬妹との親交を深めていたり、仕事を辞めた恋日さんは自堕落に生きていたり、奈月さんと湯女さんの虚実入り交じった腹を探り合う会話とか、海老原香奈恵の日常とか。非日常に身を置いて、危機真っ直中のみーまーとは別の、毎日を送っている彼らの姿というのがなんとも奇妙というか。いや、逆に、いつでもどこでも大変な目に遭ってるみーまーこそがおかしいんですけどね。

さて、なんだか物語はあとがきを見る限り、ここでいったん終わりそうなんですが、ラストの解釈が難しいですね。以前のにもうとの話でもそうでしたが、生死不明でぼかされているのがなんとも嫌らしい。真犯人の述懐が軽い口調で書かれているだけに、そのラストの一言がむやみに衝撃的になるのですが。

でも、考えてみると、「誰」が犠牲になったのか書かれていないのは上手いですね。確かに物語の流れ的に、みーまーのいずれかがどうにかなったと読めるのですが、海老原香奈恵の挿話の最後の解釈の仕方によっては、選択肢、可能性がもう一つ生まれるんですよね。そうすると、いったい真犯人が耳にした犠牲者が誰だったのか、それは本当に分からなくなります。誰も救われないかもしれないし、もしかしたら誰かが救われたかもしれない。シュレディンガーの猫よろしく、それからが語られることがなければ、あるいはみんな生き続けているのかもしれませんね、私たちの心の中に。嘘っぽいけど、本当になってほしい、かな。

hReview by ゆーいち , 2008/09/09

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 6
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 6 (6) (電撃文庫 い 9-6)
入間 人間
アスキー・メディアワークス 2008-09-10

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん5―欲望の主柱は絆

stars そして、僕は全て知った後のあなた方に尋ねたかった

外界と断絶されたかつての我が家の中に囚われてしまった僕と伏見。犯人の姿は未だ見えぬ中、絶賛疑われ中の僕は突然の停電の中、何者かに襲撃され意識を失ってしまう。することもないから、夢でも見ますかね。嘘だけど。

ああああああ……。

なんとも胸くその悪くなるラスト。世界から完全に隔離された、密室のような世界での生活。命を長らえさせるためのサバイバルスキルが発揮されたときにどうなるか、の答えは多分ふたつしかないはず。

僕が訪れたことでトリガーが引かれてしまった事件の原因と、その顛末は、どうしてくれようかというくらいに悲惨なもので、その中で壊れていったひとたちの姿がなんとも恐ろしい。や、「かゆ、うま」を最初に見たときの戦慄を再び思い出させられるとは。

そんなわけで、2冊に渡って繰り広げられた密室殺人の結末と、壊れてしまったまーちゃんが、果たしてどうやって復活できたのかというのは、この物語の最大のキモ。この、救われない物語と、生きるためにひたすらあがいたひとたちの行く末は、ぜひ見ていただきたいところ。

……まぁ、正直、現代社会において生きるということは、それだけで罪を重ねていくことなのかも知れませんね。皮肉なことに。

彼女の目から見た世界は、いったいどんな風に見えていたのかなあ?

hReview by ゆーいち , 2008/05/14

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 5
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 5 (5) (電撃文庫 い 9-5)
入間 人間
アスキー・メディアワークス 2008-05-10

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん4―絆の支柱は欲望

stars 人の精神が元から角のない丸形であるはずがない。歪んでいたそれを整えるのが、精神の成長だから

マユが破綻した。僕の迂闊さゆえに。そして、僕もみーくんを失った。壊れてしまったまーちゃん、消えてしまったみーくん。僕はマユを「直す」ために、手がかりを求め、かつて暮らしていた家を訪れる。なぜか、伏見もおまけにいるけれど。けれど、その家は、今は大江家と名を変え増改築によって見る影もなく、そして、そこに暮らす家族はどこか歪んでいるようで。果たして僕は見事お宝を発見して、マユを元に戻すことができるのか? 嘘じゃ、ないよ?

唐突に話が飛んでいる感もありますが、訪れるべくして訪れたマユの崩壊。その辺をあっさり目に流しつつ、けれど、そのシーンはぞくりとさせられつつ、僕のマユに対する感情はようやく一つの方向へ向けて流れていっているような感じ。

かつての実家は今はホテルみたいな洋館と化して、そこで発生する連続殺人、陸の孤島と化して脱出不可能になってしまった家の中で、ひとりまたひとりと誰が犯人なのか分からずに早三人。正直誰も彼もが怪しくて仕方ない。もう、全員別のひとが殺していても驚かないよ、私は!?

隔離された、切り取られた世界で、なんだか歪んで育ってしまった子どもたち。プライドばかりで能力が付いてきてないっぽい家長。この歪な家族関係の結末は全滅エンドになりかねない気もするのだけれど、このエピソードが果たしてどのようにマユを救う話に繋がるのか。

そして、僕が忌避して近寄ることもできない地下にこそ、真実がありそうなんだけれど、ありがちかなあ? また、予想の斜め上の嫌らしいトラップで驚かせてほしいところです。

hReview by ゆーいち , 2008/04/27

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 4
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 4 (4) (電撃文庫 い 9-4)
入間 人間
アスキー・メディアワークス 2008-04-10

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん3 死の礎は生

stars みーくん 狂気の狭間で××をさけぶ?

犬やら猫やらが惨殺される事件が起き始めた今日この頃いかがお過ごしでしょうか。バレンタインに数年分の思いを形にしてまーちゃんから受け取るみーくんは、うっかり彼女に「太った?」とか訊いて、文字通り身を削ろうとするまーちゃんを懸命に止めたり止めなかったり。そして、みーくんは死んだはずの「にもうと」っぽい血まみれ姿の誰かとその夜遭遇する。翌朝知った、惨殺死体発見現場から逃走しようとしたとおぼしき彼女と。

さすがに3巻まで出るとみーくんの名前も大方の人が予想付きそうですね。にもうとの名前とみーくんの名前に両方共通している漢字が、みーくんが忌避する言葉で、けれど、ついに彼はまーちゃんにその言葉を告げてしまって。そこは嘘じゃないんだね。

当たり前のように、空気感染したかのように、狂気が広がっていく。中心にいるみーくん、まーちゃんは、今回はなんだか表の事件では蚊帳の外だけれど、裏の事件では思いっきり当事者。歪んだ愛に突き動かされるまーちゃんも、にもうともみーくんを「好き」と思う気持ちでは同じだったのかな。ただ、ふたりに共通しているように、自分たちの世界に他人は要らなくて、どこまでも狭い世界で在り続けることを望んでいる、純粋すぎる狂気が突き刺さるくらいに伝わってきますね。いや、事実突き刺さるんだけど。

今回、嘘つきで通してきたみーくんが、ついに突きつけられた誤魔化しのきかない選択肢。嘘も欺瞞も妥協もかなぐり捨てて、叫んだ言葉は届いたのか? 誰かの死の上に成り立つ誰かの生。誰かの生の結果としての誰かの死。それを受け止め、背負い、重圧に潰されそうになるのを嘘をつくことで逃げるみーくん。その冗句も通じない極限下の選択に正解はないし、また間違いもないのですな。

hReview by ゆーいち , 2007/12/23

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん3 死の礎は生
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 3 (3) (電撃文庫 い 9-3)
入間 人間
メディアワークス 2007-12-10

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん2-善意の指針は悪意

stars ヤンデレと嘘つきの偽りだらけの……

入院中の僕を追ってまーちゃんが入院してきた。自分の頭を花瓶で殴りつけ、流血のまま、自らの足で。時を同じくして院内で発生した患者の失踪事件と、まーちゃんの傷害事件。元カノの長瀬透と彼女の妹・一樹との再会。そして悪意は何処にでも根付いている。それに気付くか気付かないかは別にして。

まさか続刊が出るとは思わなかったなあ、な危険な作品の第2巻。みーくんとまーちゃんの関係については、事件に巻き込まれた過去から、再会し、互いを認識しあった時点でその形が確定しているような思いがあったのですが、偽善と偽悪を使い分けつつ自分たちの平穏を守り、日常を求めていくみーくんの嘘まみれの中に時折混じる本音に少し感じ入るものがあったり。

衝撃的な展開という意味では、前巻でこれでもかとやられてしまったので、新キャラ投入とかテコ入れありつつも、それほど大きくはなく、しかし手堅くまとまった作品に仕上がってますね。まぁ、みーくんの外道さは相変わらずで、ホント、自分とまーちゃんの世界を守るためならば目的も手段も選ばないというか。

過去の事件とのつながりが、なかなか上手い形で今回のエピソードに織り込められていて、そしてそれ故に今回の結末も苦い味わいであることが、この作者の作風ということなのかな。

罪を罪と認識しないみーくんの主観において暴かれた彼女と彼女の罪は誰が裁くのか。果たして、望まぬ形でその罪を赦されてしまった彼女らは、その重みを背負って日常に帰ることができるのかどうか。受けた悪意を濾過し純化し、送り返すようなみーくんの所行は、今回も変わることなく外道じみていましたとさ。

hReview by ゆーいち , 2007/09/15

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 2
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 2 (2) (電撃文庫 い 9-2)
入間 人間
メディアワークス 2007-09-10

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