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放課後トロイメライ

stars なんだよこれ! 催眠術だとか超スピードだとかで女の子は全てお前のものかよ!

バレンタインを目前に控えた冬のある日、藤倉冬麻の前にやってきたのは、妹の葉琴だった。御城学園の見学ついでに冬麻の様子を見に来たという葉琴。逆〈トップ3〉などと言われる冬麻は、醜態を見せることなどできないと、皆の協力のもと奮闘を開始する。

富士見ミステリー文庫からの移籍でタイトルも『放課後トロイメライ』へ改め刊行開始。さすがにこれだけ読んでも話は分からないだろうけれど、シリーズの初期を思い出させるような雰囲気で懐かしくも楽しいお話でしたね。イラストも良い方向に変わっていますね。前巻くらいのとんがりすぎた雰囲気が消えてるのは個人的にグッド。

名前だけ出ていた冬麻の義妹・葉琴の突然の来訪から始まる今回のお話。学園の紹介や、主要な登場人物たちの紹介を含め、ある意味仕切り直し的なエピソードですが、これまでの出来事がなかったことになるはずもなく、冬麻のフラグ立てっぷりが巻き起こした自業自得的な女難は健在。

都お嬢とかは、ずいぶんと丸くなっているというか、もう、恋する乙女モードの可愛さが前面に出てきてますねえ。不器用ながらも、自分の好意を冬麻へ伝えようとする彼女の心は、当の冬麻本人以外にはばっちりバレバレなんでしょうが、主人公の鈍感スキルを突破するには至らないのか。なんだよ、こんな美味しいシチュエーション逃すんじゃないよ!

そして、ある意味最強的なツンデレと化してしまった八千代さんが素敵すぎる。都の影に隠れつつ、子どもっぽい意地を張り、冬麻との距離感を図りかねる彼女の姿に悶えろ! もうねマフラーの件とか、どうしてくれようかと。くはあああぁ!

そんなこんなでリスタートの本シリーズ。次巻から激動ということですが、このノリは大事にしてほしいですね。怒濤のパロネタとかも楽しいし、久々にによによと楽しめたシリーズ最新刊でした。

hReview by ゆーいち , 2008/07/20

放課後トロイメライ
放課後トロイメライ (富士見ファンタジア文庫 189-1)
壱乗寺 かるた
富士見書房 2008-06-20

待ってて、藤森くん!〈4〉

stars 捕まえた。里見のこと、もう逃がさないんだから

『七月の英雄』、そう呼ばれる後期生徒会長選挙への、真行寺遼一突然の出馬宣言がなされた。一方、現生徒会長の和美は、吉野と、里見を巡っての微妙な、けれど良好な関係を維持していた。自分から選択のできない里見に、吉野は一計を案じ、行動に移す。会長選の行方は、そして里見の想いの行き先は?

えー、完結です。なんか、やたらと駆け足な終わり方だった気もしますが。結局ヒロインは吉野だったということでOK? 和美さんの方は、里見との関係があるだけに、恋愛成就というのは重い方向になってしまうので難しいかなとは思っていましたが、こういうケリの付け方とは。ああいった、自分の想いを滔々と語る姿は、彼女本来の臆病さから一歩抜け出た証ですね。結局、初恋は実らなかったりしましたが、この失恋が、きっと彼女を素敵に成長させていくのかなあ。一番割に合わない役所だったのはかわいそうでしたが。

吉野は、ずっとずっと、里見への好意を誰憚ることなく口にして、作者自らあとがきにて「重い」なんて書かれちゃうようなキャラですが。確かに一歩間違うとヤンデレ路線だよなあ、なんて思いますが、彼女のまっすぐさはダークサイドに落ちることなんてなさそうだし、里見とのパワーバランスが絶妙なので、きっとその先もなんやかんや、トラブルいっぱいでも上手くやって行けそうな予感。

エピローグで書くキャラのフォローがありましたが、アズマの件とかバレバレだけど、なんで誰も気づかないのかなあとか。マネーパワーか? 第1巻で感じた、薄暗さな要素は、その実、単なる嫉妬なのか裏切られたことへの失望だったのか、種が明かされてみれば、誰も彼もが恋に恋するお年頃だったってことですか。

なんか、盛り上がりらしい盛り上がりもなく、けれど落ちるべきところへ落ちたお話。身近な恋に気付けたか気付けなかったか、そんな鈍感な藤森里見の、これからの未来はまだまだ波乱がありそう。黒河家へ引き取られて、そこで起きるドタバタとかも、どっかで短編で書いてくれないかなあ。

……そして、もう一方のシリーズ『さよならトロイメライ』は富士見ファンタジア文庫へ移籍、と。ああ、ミステリー文庫は完全終了なのですね。カウントダウンは何時?

hReview by ゆーいち , 2008/03/22

待ってて、藤森くん! 4
待ってて、藤森くん! 4 (4) (富士見ミステリー文庫 58-12)
壱乗寺 かるた
富士見書房 2008-03-08

待ってて、藤森くん!〈3〉

stars 感想のタイトル

西海中学に通う2年生・藤森里見をはじめとした、葛葉寮生に最大の危機が迫る。くずれ寮と蔑称されるほど、老朽化が進んだ寮舎の解体・廃寮が決定されようとしているのだ。気の良い寮長・川島真吾指揮の下、寮生たちは葛葉寮存続のための戦いを始める。勝利の鍵は……藤森くん!?

藤森くんの中学時代のエピソードが語られるプレストーリー。次巻で完結というのに、ここで番外編を挟む意図が掴めませんが、内容としてはオーソドックス・スタンダードながらも、手堅いラブでコメな展開です。やっぱりミステリーはないけど。

幼なじみで最愛の家族、な吉野も甲斐甲斐しく里見の世話を焼いたり、この遠恋風味なメールも良いけど、彼女が寮を訪れてからのこんがらがったドタバタ展開はよろしいですね。なんとも王道なラブコメ。誤解と仲直りと以心伝心な恋心。良い良い良い!

ただ、本編のストーリーを思い出すと、あと1巻でどんなふうに片を付けるのやら。そして、やはり正ヒロインは吉野以外にあり得ないと思ったり。こんなできた幼なじみなかなかいないぜ? 大事にして幸せにしてあげないと誰が許そうが私が許さない。

hReview by ゆーいち , 2007/11/18

待ってて、藤森くん!〈2〉

stars 過剰に注がれる愛情を 受け止めきれるか? 藤森くん

男装した女生徒が、女装した男子生徒の心を競って射止める一風変わったイベント「六月の花嫁」に、花嫁役として半ば強制的に参加させられることになった主人公・里見。彼の生徒会への関わりを、頑なに拒む幼なじみの吉野との関係も微妙にぎくしゃくし、けれど、その原因となった生徒会長の和美が約束の少女であることに確信じみた予感を抱いて、その想いはふらふらふらふら……。

里見の優柔不断ぶり、独善ぶり、空気読めなさぶり、あらゆる行動が鼻についてしょうがないお話でした。自分がよかれと思い取った行動が尽く裏目に出るのは時と場合によっては、ここまで胸くそ悪くなるのかと。黒幕的な真行寺の行動も、いちいち気にくわない。というか彼の存在がどうにも許せないようです、私。壱乗寺かるたの描く、こういうしたり顔の、権謀術数に富んだキャラはむかつきますね。や、キャラ立ちしてるけど。こういう学生いないだろとも思いますが。

なんだか過去の里見と和美の出会いにも、表沙汰にできない理由とかがありそう。というか、和美の言葉をその通りに受け止めると、なんとも一気に背徳的な関係に発展してしまう可能性ががが。

今回の吉野の無鉄砲ぶりとか視野狭窄ぶりとか、恋は盲目にしても、端から見ると空回りしすぎな気もする、あまりに一途な気持ちが、報われることこそが、このこんがらがってる人間関係を納める最良の一手の気がするなあ。長台詞で延々と「好き」を連呼する彼女のいじましい愛情は、里見にとって薬となるかはたまた注ぎすぎた水のように、彼の根を腐らせることとなるか。里見の器の大きさが感じられないと、単なるヘタれの印象が拭えないんですよねえ……。

hReview by ゆーいち , 2007/07/07

待ってて、藤森くん!〈2〉
待ってて、藤森くん! 2 (2)
壱乗寺 かるた
富士見書房 2007-06

さよならトロイメライ〈7〉想いの輪舞曲

さよならトロイメライ〈7〉想いの輪舞曲読了。

藤倉冬麻、女の園でえろげ主人公と化す。もう、このわやくちゃ感がたまらないというか、ひさびさのこのノリは微妙に疲れるというか、八千代さんは出番少ないけどやっぱり可愛いなぁとか、挿絵がシャープになりすぎてちょっとイメージちがくなったなぁとか。

いい加減登場人物が増えてきて誰が誰だか分からんので、ここら辺で一回整理しておきたいところ。名前だけ出てきてる家とか、忘れ去られてしまったキャラとかいるしなぁ。そこら辺は読み直せってことですか。

都お嬢の告白は毎度毎度タイミングを見事に外されたり、もうそんな星のもとに生まれてるんじゃないかと思えるくらいの間の悪さだったりしますが、そこら辺が絶妙にラブコメしてて大変よろしいです。

次巻以降、また話が大きく動くらしいですが、切った張ったとかの血なまぐさい展開よりは、この桃源郷をもっと堪能させろと言いたい。というか、八千代さん。

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