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学校の階段 Tag Archive
学校の階段〈9〉
……ここか。ここが僕らの世界ですか、刈谷先輩。
新年を迎え、階段部三年生の九重と刈谷の引退がいよいよ間近に迫ってきた。そんな中、次期部長を決めるため、残る部員4人による総当たりの階段レースが行われることとなった。自分の理想を追い求めるため、自分の想いを伝えるため、自分の強さを確かめるため、それぞれがそれぞれの目標へ向かうためにレースへと臨む。
毎回、誰かにスポットを当て物語が進みますが、今回は空回り気味な部活メンバー・井筒のターン!
彼の空元気で滑りがちなキャラクターと、それに反したかのような、ゆうこに向けるひたむきな恋心が、過去のエピソードによって語られます。そして、一世一代の舞台となる、部長決定戦を経て、井筒は自分の想いを、ゆうこにどのように伝えるのか、といったお話ですね。
そして、生徒会長となり、波佐間とのレースを経て、幸宏もまた変わりつつあるようです。作中を通して、彼が階段部での活動を通して見ている世界がゆっくりと変わって行っているかのような印象。彼が見る世界を理解できているのは、現時点では刈谷だけのようで、けれど、そんな幸宏の危うさは階段部の面々も気づいていて。泉が、幸宏に対して抱いていた危惧が、現実になりそうな展開なだけに、これまで山あり谷ありながら結束を保っていた階段部が、三年生の卒業と新部長の決定を機に、人間関係が歪んでいくような予感を抱きます。
物語的にはようやく幸宏が走ること、その抗えざる衝動の正体を見据え、覚醒した感じでいよいよクライマックス? 刈谷との真剣勝負の向こうに、どんな世界が広がっているのか、そこが何もない絶壁などではなく、さらに高みを目指すことのできる世界であればと思いますね。
で、華麗にスルーしてますが、幸宏を巡る恋愛バトルも加熱してる感じ。彼の与り知らぬところで、バチバチやってますなあ。美冬との微妙な距離感が微笑ましくて好きなんですが、他の女性陣もそろそろ本気モードっぽいですし、いったい誰が彼の心に入り込んでいくんでしょうね?
hReview by ゆーいち , 2008/11/04
- 学校の階段9 (ファミ通文庫 か 8-1-9)
- 櫂末 高彰
- エンターブレイン 2008-10-30
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学校の階段〈8〉
僕はね、今度のレースでちょっとした賭けをしているんだ
階段部の山上桔梗院との再試合が決定した。初のアウェー戦に燃える階段部の面々。そんな中、山上の波佐間は自らに科せられた宿命にどう向き合うか、それを幸宏とのレースの中で見出そうとする。他人を寄せ付けず、仮面を被り自分を隠し続ける波佐間。彼を案じる水戸野の助力も得、幸宏は決戦に向けて練習を積んでいく。新生徒会長と階段部、二足のわらじを履いた幸宏の最初の決戦が迫る。
超然としたキャラという印象があった、波佐間を擁した山上桔梗院との一連の試合も、これで一段落といったところ。子どもに背負わせるには、この作品の雰囲気的にはやたらと重い背景が、波佐間にはありましたが、なんともあっさりと解決したような、してないような。まぁ、実質、彼自身の戦いが始まるということなので、ようやくスタートラインに立ったとも取れますが。
生徒会長としての幸宏は、他の役員が御神楽派の女生徒に多数を占められているので、今後の生徒会運営では苦労しそうですね。幸宏の性格が、むやみやたらと有言実行を貫こうとする、こういった組織においてはかなり暑っ苦しいものなので、対立派との間に立つ、あやめさんの手綱の握り具合に期待がかかる? なんか、すでにフラグ立ちきって、影ながら支える内助の功が発揮されてますががが。
にしても、幸宏自身の秘められた力(?)はどうなんだろうなあ。刈谷先輩が問いかけた言葉からすると、それは先輩が目指す世界への第一歩でもありそうなんだけれど、妙にスケールが大きくなってないですかね。神庭父の登場も、今後の伏線となるのか、また、幸宏に想いを寄せる女性陣との恋愛模様とか、彼の先行きにはまだまだ難題が山積してそうな雰囲気です。
hReview by ゆーいち , 2008/03/30
- 学校の階段8 (ファミ通文庫 (か8-1-8))
- 櫂末 高彰 甘福 あまね
- エンターブレイン 2008-03-29
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学校の階段〈7〉
生徒会役員選挙開始! 幸宏の熱さがミラクルを呼ぶ!
階段レースはとりあえず置いておいて、選挙戦。正直学校生活においてほとんど関わることのなかった領域なので、他の大多数の生徒と同じ視点で、幸宏とあやめの選挙活動を眺めることになった第7巻。
父への反駁から、自分の力量を認めさせるため、実績を示すための手段として生徒会長を目指したあやめと、ただ自分が自分らしくあるために、学校生活というものを皆に考え楽しみ、作っていくことを目指した幸宏。奇しくもその対称な公約通り、理と情の対決。苦戦の序盤から、幸宏の一言で空気が変わる中盤以降、表だって戦う幸宏と、彼をバックアップする様々な人たちの応援の結果が、このラストを呼んだのかな。
学校の方の問題は一段落。これからは、棚上げになっていた幸宏自身の問題と、山上桔梗院との対決が展開されるのかな。階段レースだけでは盛り上げが難しくもなってきたのか、今回のような多面的な展開が増えてきそう。まぁ、これはこれで別の熱さもあるし、悪くはないと思いますね。
しかし、幸宏は四姉妹だけでなく、あやめにも微妙にフラグ立ててるなあ。年上キャラを惹き付ける力がまだ隠されてるんじゃない?(笑)
hReview by ゆーいち , 2007/11/06
- 学校の階段 7 (7) (ファミ通文庫 か 8-1-7)
- 櫂末 高彰
- エンターブレイン 2007-10
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学校の階段〈6〉
不器用にけれど真っ直ぐに 神庭幸宏は再び走り出す
山上桔梗院との階段レースの後、階段部の活動にこれまで感じていたような情熱をなくしてしまった主人公・幸宏。そんなときに偶然出会った編入生・御神楽あやめは、彼に親身になり話を聞いてくれて。心地好い彼女の言葉、現生徒会長・遊佐からの生徒会長選への立候補の要請、打ち込めなくなった階段部。追いつめられ、苦悩し、ようやく自分と向き合えた幸宏は、自らの本質をようやく理解する。
話がどんどんと大きくなっていってる感じがしますが、山上桔梗院の面々との個人的な因縁や、天栗浜高校の生徒会長選の背後で対立してそうな勢力図とか、階段部のあずかり知らぬところで、なぜか彼らが中心に据えられてる構成。巻き込まれるタイプのキャラじゃないのに、知らぬ間に言いように利用されてるなあ。痛快さとか爽快さとか、そういった思い切りの良い展開が気持ち良かっただけに、今回の展開は地味目でちょっと燃焼不足かな。次巻は山上桔梗院──というより波佐間──と幸宏の対決と、会長選のお話になるのかな?
しかし、何やらきな臭いオトナの事情が絡んできてるようで、この辺上手く料理しないと微妙な展開になりそうな不安が。
また、今回の御神楽に感じた幸宏の憤りというのは、どうにも彼の本質を理解し切れてないとまさに理不尽に感じそう。まぁ、彼女の描写が嫌らしいくらいに階段部から見た「悪」としてなされているので、ああ悪役なんだなとは分かりますが。彼女が生徒会長になり、何を目指すのか、遊佐は理解してそうだけどその辺をぼかして語るあたり、彼もまた狸だなあ。こんな高校生は嫌です。
で、今回の表紙って誰?
hReview by ゆーいち , 2007/08/29
- 学校の階段6 (ファミ通文庫 (か8-1-6))
- 櫂末 高彰 甘福 あまね
- エンターブレイン 2007-07-30
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学校の階段〈5〉
井筒と凪原さんの、誤解から始まった関係の解決と発展、そして、主人公・缶バッジこと神庭幸宏の背景にも、何やら大きなものが控えていそうな仄めかしがあったり。
階段レースも部内の問題が一段落し、活動も対外試合にまで発展。今回登場した山上桔梗院の面々との因縁は、長引きそうな感じがしますね。上手いこと対決の構図も作って今後の伏線にしてるようだし。
今回は、階段レースの描写よりも、キャラクターたちの関係とか、心情の描写に重きが置かれていた感じです。友だちとか、恋愛とか、この年代の少年少女らしい青い悩みですが、だからこそ立ち止まっていた場所から一歩踏み出すシーンとかは、純粋に美しく感じたりします。主に凪原さん周りのエピソードですが、三島との友だち関係だったり、愛との誤解とその解消だったり、良い感じのシーンが多くて満足満足。
階段レースで何もかも解決という展開がマンネリ化しつつあるシリーズだっただけに、こういう雰囲気の変更は私的には大歓迎。いろいろなキャラの発言を見ていると、なんだか今後はよりドラマすることに力が入ってきそうですが、もちろん本来の持ち味のレースシーンもしっかりと盛り上がるシーンとして、充実していって欲しいですね。
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