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富士見ミステリー文庫 Tag Archive
ROOM NO.1301 #10 管理人はシステマティック?
全部は無理でも、すごく大事なことくらいはわかりたいじゃないですか。
佳奈に自分の気持ちを伝え、そして報われることのなかった日菜は健一に慰めを求めていた。健一は男と女ではなく、親友として、そんな彼女の傷ついた心を救おうと思いを巡らす。そんな出来事を境にしたかのように、皆が変わっていく。まるで、この幽霊マンションからの旅立ちのときが来たかのように、少しずつ、けれど確実に変わっていっている。
富士ミス最後の砦(?)な本作もいよいよクライマックス。次巻で決着を付けるためなのか、物語が一気に動き出していってますね。出番のなかったひとたちも動きまくり、健一をはじめとして、綾や冴子、刻也、そして日菜と、幽霊マンションの住人たちがそれぞれ歩き始めたような印象です。
マンションの住人同士、そこを出てしまったらもう会うことができない、そんなルールが少しずつ表に出てきていますね。日菜と健一は親友として良い感じの関係を築けたのに、日菜の自立を以て見守ることしかできない関係に変わってしまうのは切ないですね。
そして、健一と一番深い関係っぽかった冴子の身に起きたトラブルも、次巻でどう決着するのやら。なんだか重い展開が用意されてるような気がするけれど、どうまとめてくれるのでしょうかね。恋人のはずの千夜子は出番少なめ、もうちょっと彼女にも見せ場をおお。
シリーズ完結しても、コミックやら別レーベルでの単行本やらが出るみたいですね。がんばって終わらせなくても、他レーベルへ引っ越してもいい気がしますが……。ともあれ、最後のエピソードを楽しみに待ちたいところです。
hReview by ゆーいち , 2008/10/04
- ROOM NO.1301 #10 管理人はシステマティック? (富士見ミステリー文庫 16-20)
- 新井 輝
- 富士見書房 2008-09-20
- ROOM-NO.1301 | ★★★ | ライトノベル | 富士見ミステリー文庫 | 新井輝 | 読書感想
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SHI-NO-シノ-空色の未来図
問題は誰が嘘を吐いているかじゃない。誰が、どれだけの嘘を吐いているか、である。
実家へと帰省した僕は年賀状の中に忘れもしない名前を見つけた。大薙詩葉。高校時代の僕の彼女、そして、今はもういない彼女からの年賀状を。帰省前に届けられた詩葉からの手紙には「お願いを聞いてください」そんな言葉が記されていて。そして、僕は彼女の死と向き合うために、彼女との思い出に区切りを付けるために、故郷に戻ってきていた。
僕のスペックがいきなり跳ね上がった感じがしますが、これは主人公補正? あるいは、志乃がいなければ意外にできる男なのかも?
そんなこんなで、僕の過去の一端が明かされるお話。彼女持ちだったとは意外ではありますが、しかし、大学生活初めて志乃との関わりの中で巻き込まれた事件も半端でないですが、高校時代もバカにならない波乱の生活を送っていたんじゃないのかと。
詩葉という少女の存在は、作中で語られているように、すでに常人の枠をはみ出て、ずいぶんと万能感のある存在に昇華されているように思います。というか、これは作者の代弁的に受け取ってしまうなあ、未来を確定させる言葉、希望を捨てないための願いの言葉、彼女の予言が事実となるのならば、それは救いのもたらしを意味するのですが、しかし、これから僕と志乃が向き合う、ふたりの出会いの物語はすでに起こってしまった出来事。そこから、ふたりがどう歩んでいくのか、また別の答えを見いだすことができるのでしょうかね?
僕が故郷で詩葉と決別するためにあらゆるものと戦った事実は、彼にとってまたしても苦い記憶となるのかもしれませんね。けれど、小さな幸せを願い、それを叶えるために皆が想いをひとつにし、実現させた、それだけは変えられない事実としてまた思い出に変わるはず。
さてさて、僕と志乃、ふたりが歩んでいく未来は果たして何色で描かれるのか。次は激動のエピソードが控えていますね。
hReview by ゆーいち , 2008/08/02
- SHI-NO-シノ-空色の未来図 (富士見ミステリー文庫 76-8)
- 上月 雨音
- 富士見書房 2008-07-19
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SHI-NO ─夢の最果て─
夢の最果てはね、本人がそれを自覚した瞬間に現れる
志乃の母親の随伴して訪れたパーティ。場違いな雰囲気に恐縮する僕の前に現れたのは鴻池キララ先輩と、厳つい警察官の冨樫さん。先日発見された身元不明の遺体の傍に、このパーティの招待状があったため、捜査に訪れたとのことだけれど。そして、夜も更け、そろそろ帰宅しようとした僕たちは、新たな殺人事件の現場を目撃する。死亡推定時刻と、監視カメラの映像から、犯人は間違いなくとある人物に絞られるけれど、決定的な証拠はなくて……。
謎解きというよりは、志乃の独特の容赦なさで犯人を追いつめ、破滅させていく過程がぞくりとさせられたエピソード。堅い殻で自らを覆って、本当の姿を隠していた犯人を、非道い方法で止めを刺してくれました。でも、これ、結局犯人は自白もしてないし、万事解決ってワケじゃないですよね。
相変わらず、ミステリ要素よりは志乃と僕の関係の変遷の方がメインのお話で、僕に対する志乃の感情が、少しずつ波を持ってきているような感じ。僕のために着飾ったり、褒めてもらえないことに落胆してみたり、別の女にこっそり会いに行くと視線で射殺しにかかってみせたりと、そんな感情の起伏が良い方向に向いてるように思いますね。
けれど、彼女の中に抱えた暗闇の部分は、依然として残るわけで。それも含めて、志乃が僕との在り方をどういう風に定めていくのか、そろそろクライマックスとのことなので、答えが示される日も近そうです。
しかし、鴻池先輩は、なんだか乙女チックモードのスイッチが入っていたり。ああいう、プレゼントのおねだりは、ありがちだけれど、ぐっと来てしまいますね。鈍感な僕は、多分何も気付かないんでしょうけれど、さらに修羅場に陥る可能性、上がってません?
hReview by ゆーいち , 2008/03/23
- SHI-NO夢の最果て (富士見ミステリー文庫 76-7)
- 上月 雨音
- 富士見書房 2008-03-08
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待ってて、藤森くん!〈4〉
捕まえた。里見のこと、もう逃がさないんだから
『七月の英雄』、そう呼ばれる後期生徒会長選挙への、真行寺遼一突然の出馬宣言がなされた。一方、現生徒会長の和美は、吉野と、里見を巡っての微妙な、けれど良好な関係を維持していた。自分から選択のできない里見に、吉野は一計を案じ、行動に移す。会長選の行方は、そして里見の想いの行き先は?
えー、完結です。なんか、やたらと駆け足な終わり方だった気もしますが。結局ヒロインは吉野だったということでOK? 和美さんの方は、里見との関係があるだけに、恋愛成就というのは重い方向になってしまうので難しいかなとは思っていましたが、こういうケリの付け方とは。ああいった、自分の想いを滔々と語る姿は、彼女本来の臆病さから一歩抜け出た証ですね。結局、初恋は実らなかったりしましたが、この失恋が、きっと彼女を素敵に成長させていくのかなあ。一番割に合わない役所だったのはかわいそうでしたが。
吉野は、ずっとずっと、里見への好意を誰憚ることなく口にして、作者自らあとがきにて「重い」なんて書かれちゃうようなキャラですが。確かに一歩間違うとヤンデレ路線だよなあ、なんて思いますが、彼女のまっすぐさはダークサイドに落ちることなんてなさそうだし、里見とのパワーバランスが絶妙なので、きっとその先もなんやかんや、トラブルいっぱいでも上手くやって行けそうな予感。
エピローグで書くキャラのフォローがありましたが、アズマの件とかバレバレだけど、なんで誰も気づかないのかなあとか。マネーパワーか? 第1巻で感じた、薄暗さな要素は、その実、単なる嫉妬なのか裏切られたことへの失望だったのか、種が明かされてみれば、誰も彼もが恋に恋するお年頃だったってことですか。
なんか、盛り上がりらしい盛り上がりもなく、けれど落ちるべきところへ落ちたお話。身近な恋に気付けたか気付けなかったか、そんな鈍感な藤森里見の、これからの未来はまだまだ波乱がありそう。黒河家へ引き取られて、そこで起きるドタバタとかも、どっかで短編で書いてくれないかなあ。
……そして、もう一方のシリーズ『さよならトロイメライ』は富士見ファンタジア文庫へ移籍、と。ああ、ミステリー文庫は完全終了なのですね。カウントダウンは何時?
hReview by ゆーいち , 2008/03/22
- 待ってて、藤森くん! 4 (4) (富士見ミステリー文庫 58-12)
- 壱乗寺 かるた
- 富士見書房 2008-03-08
- ★★★ | ライトノベル | 壱乗寺かるた | 富士見ミステリー文庫 | 待ってて、藤森くん! | 読書感想
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魔女よ蜜なき天火に眠れ──夜想譚グリモアリス 3
バレンタイン チョコレート お菓子の家 そして惨劇のお味はいかが?
バレンタインの日、自宅にて祈祝とチョコレート作りに興じる誓護のもとにアコニットが訪れる。その日、とあるイベントが開かれ、そこで食べられる特別なトリュフをご所望とのこと。姫のご意向に沿って、祈祝も含めた3人で向かったその場所は、年々行方不明者が出るという不穏な噂が流れていた。
異界の勢力争いや、アコニットが背負うアネモネの凋落の原因となったとおぼしき人物の登場など、地上と異界のそれぞれで繰り広げられるスケールの大きなお話になってきましたね。そして、アコニットの可愛さも右肩上がり。人界のスイーツの美味しさに魂まで奪われてしまったかのような彼女の恍惚とした表情やら、バレンタインイベントにかける意気込みなど、これまでのプライドの高い高貴さとは別の、少女らしい側面が少しずつ誓護にも見せてくれるようになってきた感じ。信頼の証と取るに十分なものですね。
不穏な噂が流れる舞台では、当然のように誓護は事件に無理矢理巻き込まれ、祈祝が人質に取られてしまうという彼にとっては最悪の事態で、けれどそこで真価を発揮するのが誓護のスゴいところ。場所を同じくしてアコネットの身に起こったトラブルも抱え、2重の責任に縛られながらも、しっかりと乗り切ってみせる辺りが彼の真骨頂ですね。
今後の展開に大きな影響を及ぼしそうな人物も複数登場し、異界における支配者層・麗王六花内の、未だ見えぬ思惑のうごめきも感じます。新キャラ・リヤナは誓護の言葉に心揺らされ、彼女なりの決意を持って退きましたが、囚われの身となっている鈴蘭を口説こうとした勢力の一派である以上、またアコネットと誓護の前に現れる日がきっと来そう。誓護に抱いた彼女の気持ちが本物かどうか、アコネットとの間に別の火種が燻っていますが、そこはそれ、上手いこと盛り上がってくれるでしょう。
そして、エピローグはとても良かった。事件が解決し、再び自らの世界に帰る前に、アコネット手ずから渡されたチョコレートと、問いかけの言葉。彼女の毅然とした態度とはちょっと違った口調と上目遣いな仕草は反則的。イラストと相まって、大変可愛らしく見えますこと見えますこと。どんどん可愛くなって行っている、アコネットと誓護の恋愛以前にも見える幼い想いの発展にも期待です。
hReview by ゆーいち , 2008/01/06
- 魔女よ蜜なき天火に眠れ (富士見ミステリー文庫 66-10 夜想譚グリモアリス 3)
- 海冬 レイジ
- 富士見書房 2007-12-08
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