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輪環の魔導師〈2〉―旅の終わりの森

stars 一緒においでよ、この旅に。苦しいことも多いと思うけれど……きっと、楽しいよ

ファンダール派の仲間、ホークアイとシズクのふたりと合流するために辺境の都市ロンバルドを訪れたアルカイン、セロ、フィノ。しかし、ホークアイらは魔人の罠により旅の終わりの森の結界に囚われ、音信が途絶えてしまう。魔人の動向を知らず、ふたりを探すアルカイン。セロとフィノは、ロンバルドの街の散策に繰り出すが、そんなときセロに「助けて」声を掛けたのは精霊のような不思議な少女だった。

ここが、あの女のハウスね。

とか言い出しそうなフィノが怖い。彼女の黒さは、他の女の影がちらついたときにいかんなく発揮され、アルカインすら怯えさせるほどなのだ。って話の本筋とは違うところでニヤニヤしてしまいますが、正統派ファンタジーで突き進む物語の第2巻です。

新しく仲間になったホークアイとシズクは、確かな実力を持ちながら、性格に難有りな変人で、彼らとの付き合いで鍛えられたからこその、アルカインの泰然さなのかなあ。旅の道中は、仲間がどんどん増えていって賑やかになっていきますね。

魔人の勢力は拡大の一途で、その覇を阻もうとするアルカインたちは、どうにも後手後手に回っている感じ。今回もラストで魔人たちに一歩先を行かれてしまったけれど、次の目的地へ無事に辿り着けるのかどうか。切り札的なセロの力も、少しずつその真価が明らかにされてきていますが、それをどう使うか、セロの成長にも期待がかかるところですね。

hReview by ゆーいち , 2008/03/29

photo
輪環の魔導師 2 (2) 旅の終わりの森 (電撃文庫 わ 4-26)
碧 風羽
アスキー・メディアワークス 2008-03-10

輪環の魔導師―闇語りのアルカイン

stars ヒロインの黒さに驚いた!? でも、中身はしっかり正統派ファンタジー

神々の祝福と贈り物で創られた世界。人間は、魔導具を作り、使うことで生活を豊かに、便利に送っていた。辺境の地ストハウンドに住まう薬師見習いのセロは、なぜか魔道具を作ることも使うこともできない。彼の祖父は優秀な魔道具職人だったというのに。セロは14歳、彼が仕えている街を治める貴族オルドバの娘・フィノは16歳。そろそろ周囲の目を気にし、距離を取ることを誰彼からも言われるようになった頃、オルドバの元に、王立魔導騎士団のハルムバックと名乗る青年が現れて。

しっかりと構築された世界観のもとで繰り広げられる物語の序章、にあたるのかな。セロたちが暮らす世界の成り立ちや、彼らが使う魔道具というアイテムの設定、そして世界の暗部で活動を始めた「魔族」という敵の存在の明かされ、などなど。驚くような斬新な設定とかはないものの、非常に手堅い作りと感じられ、これからの壮大な展開が予感させられますね。

主人公の生い立ちと、キーワード・キーアイテムとなる「還流の輪環」の関係はなんとなく予想がついたりしたんですが、それがこの世界でどんな重要な意味を持つかは、登場人物たちの驚きほど、実感できなかったなあ。確かに規格外な存在ということは分かりますが、それが今後どういう形で争いの火種となっていくのか?

逆に、キャラクターはなかなか魅力的。冴えない主人公のセロはともかく(失礼)、幼なじみのフィノはセロを「私の」とか付けて呼ぶような溺愛っぷり、かと思ったら、なんか黒いですよ!? 暴走した愛は殺意へ変わるのか!? そして、猫の姿に身をやつしながらも、ここ一番の活躍を見せてくれたアルカイン。主人公たちによくしながらも、敵には示す3つの選択肢全てが死という容赦のなさっぷりも格好いい。

1巻全部を使って、彼らが出会い旅立つまでが描かれましたが、さてさて世界は何やら混沌とし始めてるようで、魔族の台頭や失踪した魔人の行方、そしてセロ自身の秘密など、盛り上がりの予感はばっちりですね。

──『空の鐘の響く惑星で』は読んでないんだけど、各所の感想は高評価が多いからやっぱり読んでおいた方が良いんだろうなあ。

hReview by ゆーいち , 2007/12/19

輪環の魔導師―闇語りのアルカイン
輪環の魔導師―闇語りのアルカイン (電撃文庫 わ 4-25)
渡瀬 草一郎
メディアワークス 2007-11

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