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高橋弥七郎 Tag Archive

灼眼のシャナ〈17〉

stars シロ……私、見つけたよ。最強の自在法は、ここにある。

創造神“祭礼の蛇”の代行体となった悠二は、己が大命の成就に向けて[仮装舞踏会]盟主として動き出す。一方、悠二に捕らえられ、コキュートスを奪われ、フレイムヘイズとしての異能を封じられたシャナは、自らの無力さに歯がみする。そして、[仮装舞踏会]の攻撃に晒され、壊滅的な打撃を受けた外界宿は、ゾフィー・サバリッシュの手により、未曾有の大戦に備えるべく体勢を整えつつあった。

ようやく刊行された本編第17巻。もう、前巻の話なんてだいぶ忘れてますが、ラスボス化した悠二がシャナを捕らえ、世界にケンカを売ったとかそんな流れだったような。

で、相変わらず悠二の考えが理解できません。彼と合一してる“祭礼の蛇”の大命こそが、自分とシャナの歩むべき未来だと考え、その悲願の成就に向けて協調しているというところは分かりますが、その過程で世界に引き起こされる大変革と大戦争によって生まれる影響とかを無視しまくってるような。シャナが守りたいと信じているものを壊してても、自分の我を通そうとする、ずいぶんと性格が変わったものです。オールバックだし。

全体的に[仮装舞踏会]サイドの優勢を感じさせる物語の運びですね。フレイムヘイズ側は戦力的にも組織的にも非常な劣勢に立たされている雰囲気です。終盤で少しずつ反撃の巧妙が見えてきたような流れですが、このまま激突したら勝利などおぼつかないという印象はぬぐえません。独立行動を取ることにしたヴィルヘルミナたちの作戦が成功しない限りは、フレイムヘイズ側の勝算はないんじゃないかなあ。その作戦も場当たり的だしなあ。潰れたままのマージョリーの復活とかも今後の課題ですしね。

で、まぁ、まだまだ準備段階という感じで、話が進みませんね。すでに半端ない登場人物の数で、シャナだけに焦点を絞って描ききれる規模のお話ではなく、群像劇と化しています。けれど、だからこそ、シャナの物語が動かないとおもしろみが感じられないというか。下準備に時間をかけすぎるといい加減苛立ちも感じてしまったり。今後の展開として、[仮装舞踏会]とフレイムヘイズの激突が描かれるんでしょうけど、その部分だけで文庫何冊使うことやら、さすがに冗長に過ぎると思ってしまうんですよね。

久々の本編の割りに、物語が進んでないなあと、そんな印象を持ってしまいました。

hReview by ゆーいち , 2008/11/09

灼眼のシャナ 17
灼眼のシャナ 17 (17) (電撃文庫 た 14-23)
高橋 弥七郎
アスキー・メディアワークス 2008-11-10

灼眼のシャナS〈2〉

stars いつか本当に長き時の刹那にでも、あなたがこうして安らげる「人間」と出会えれば良いですね…

奇妙な行動を取るシャナ。それを不審に思ったヴィルヘルミナは、悠二とともにシャナの尾行を開始する。シャナが秘密にしているささやかな出来事。悠二とシャナの道が別たれる以前の小さな物語『ドミサイル』。そして、新米たる炎髪灼眼の討ち手だったころの出会い、『ゾートロープ』。ヴィルヘルミナと『約束の二人』の出会いの契機となったエピソード『ヤーニング』。それは、今は遠き日の物語たち。

……えーと、ここまで露骨に引き延ばし戦略を採られると、最初に憤りが来るわけですが。

ということで、前回の短編集が出た時にも思いましたが、物語の佳境にさしかかっている時に、この短編集を出すのは読者の神経を逆なですると思わないのですかね。本編は、おそらくは来るアニメ第3期との連動狙ってたりするんでしょうけれど、そっちに興味ない人間にとっては、焦らしプレイどころか嫌がらせになってしまうことを理解してもらいたいなあ。都合1年待たされることになるのか。う~ん、ここまで来て切るのも微妙だし、適当に付き合うんですけどね。

さて、物語自体は、これまでの短編集よろしく、本編以前の外伝的な3編。

『ドミサイル』は、本編の殺伐さを思うと、懐かしくなることひとしおですが、この日常が、戦いの後、彼らの帰る場所であると願うことは、たぶん無駄なんだろうなあ。だからこそ、この日々の暖かさを、懐かしさとともに噛みしめるわけですが。

『ヤーニング』は因縁めいたヴィルヘルミナと『約束の二人』の出会いを描く物語。享楽的に生きる『約束の二人』と、使命に生きるヴィルヘルミナの不釣り合いな組み合わせがこのようにして生まれたんだなあと。キャラに思い入れないと、華麗にスルーされそうなエピソードですが、まぁ、これはこれで。

そして、人間界での経験がまっさらに近い、まだ名もなき炎髪灼眼の討ち手であった頃の彼女が、ゾフィーとの出会いで何かを学んでいく『ゾートロープ』。ゾフィーの予言めいた願いが、形を変えて本編で、シャナをどう苦しめているのか、それを今後彼女が知ることはあるんですかね。世間知らずな彼女を育ててきた父親代わりのアラストールが、ゾフィーとタケミカヅチのコンビに叱咤される様はコミカルなんですが、その境遇って実は結構きついんじゃないのかなあ。悠二と出会うまでのエピソードは、またこれからもいろいろ描かれたりしそうだなあ。

しかし、とにもかくにも、内容はともかく出版の順序が空気読めてないことこの上ないのは確かかと。こういうサブストーリーは本編の進行を妨げない形態で出してもらいたいんですが。次巻は秋とか冬になるのかなあ。とにかく待たせすぎですよ。

hReview by ゆーいち , 2008/06/15

灼眼のシャナS 2
灼眼のシャナS 2 (2) (電撃文庫 た 14-22)
高橋 弥七郎
アスキー・メディアワークス 2008-06-10

灼眼のシャナ〈16〉

stars 大命の実現に向けて物語は動き出す シャナと悠二、ふたりの再会は戦火に彩られ

坂井悠二の存在の証が消えていく。あらゆる記録から、そして両親の記憶からすらも。かろうじて彼の記憶をとどめているのは、彼と深く関わり、「この世の本当のこと」を知った吉田さんをはじめとした一握りの友人と、シャナらフレイムヘイズたちのみ。
盟主の帰還に応じ、大命の実現に向けて動き出す仮装舞踏会。世界が大きく変革する、戦いは間近に迫る。

盟主・祭礼の蛇と化した悠二がシャナの前に立ちふさがる。街を再び訪れた彼の心に訪れた郷愁がなんとも切なく描かれていますが、これまでの悠二とシャナの戦いを振り返る描写もあったりして、これまでのおさらいができて助かった面も。
しかし、祭礼の蛇と悠二の人格が共存しているのか、妙な感じになってきてますね。仮装舞踏会が掲げる大命の実現、それ自体は、何の揺るぎもなく進行しそうですが、シャナという存在が悠二の中で大きくなりすぎてしまっている現時点で、祭礼の蛇と悠二が下した選択が今後どのような意味を持つのか。

話のスケールが非常に大きくなって、現世と紅世の双方を巻き込んだ大変革を目論む戦いが始まりそう。拠点を潰されまくり、劣勢のフレイムヘイズ勢の総力が結集し始めたラスト、これからは互いの存亡をかけた総力戦ですかね。

長らく引っ張ってきた、悠二の優柔不断さと曖昧な三角関係に一応の決着は付いたけれど、これから一体どうなっていくのやら。

hReview by ゆーいち , 2007/11/20

灼眼のシャナ 16
灼眼のシャナ 16 (16) (電撃文庫 た 14-21)
高橋 弥七郎
メディアワークス 2007-11

灼眼のシャナXV

stars 本編進まなきゃなあ……な第15巻 これは延命措置?

1901年。ハワイ諸島におけるフレイムヘイズ活動拠点・外界宿壊滅の原因調査のために遣わされたサーレ・ハビヒツブルグとキアラ・トスカナ。そこに待ち受けていたのは、紅世の徒の組織[革正団]とそれを率いる“征遼の睟”サラカエル。未だ多くの人間の知り得ない「この世の本当の事」を知らしめるという得意な思想の元、活動を続ける[革正団]に翻弄されつつも核心に迫っていく。

14巻の引きから生殺し状態が続きますが、番外編です。プロローグとエピローグで、本編のキャラクターがほんの少し登場しますが、プロローグはともかく、エピローグに至っては時間進んでないし……。まぁ、今まで不明だった“銀”にまつわることとか、執拗に狙われる零時迷子の使用目的とか、そんな設定の一部が明かされはしましたが。

今回のエピソードで、出てきたキャラたちがどのように関わってくるか分からないけれど、名前だけ知られていたサーレや新たな“極光の射手”キアラを登場させたって事は、今後の本編でも出てくるということなのかなあ。ストーリー的にはキアラの成長と、紅世の徒の犠牲になることや、フレイムヘイズになることによる、人間社会からの根源的な隔絶と、そこから生まれる悲劇、そんなところ。重いんだけど、先が読みたいという欲求の方が勝って、あくまで消化試合的に読み進めることしかできなかったなあ。
別に番外編を挟み事が悪いわけじゃないけど、1巻使うには冗長な部分が多かった印象かなあ。

ま、とにかくとっとと16巻を出せってことです。

hReview by ゆーいち , 2007/08/19

灼眼のシャナXV
灼眼のシャナ 15 (15) (電撃文庫 た 14-20)
高橋 弥七郎
メディアワークス 2007-08

灼眼のシャナ〈14〉

灼眼のシャナ 14 (14)読了。

盛り上がった。起承転結の「転」を終え、いよいよ完結に向けて盛り上がっていくのかといった風情。1年やるTVシリーズの中盤で、ボスキャラに辛勝したって感じ。当然その後にはさらなる強大な敵が待ち受けているのですが、まさかこういう展開を持ってくるとはなぁ。シリアスさに磨きがかかってきます。

そして、またしてもお預けになった、悠二とシャナと吉田さんの三角関係。いい加減、方向性を持たせようとしている感じはするのですが、それぞれに背負ったものが重すぎて、一筋縄ではいかないのかな。吉田さんに託された宝具の特質からすると、彼女の行く末自体にも非常に不安が立ちこめているように思えるのですが……。むしろ今回、悠二の決断がもたらされなかったことで、この宝具を使用する機会が訪れる確率が跳ね上がってしまったような。主要キャラの誰もが幸せになって欲しいのに、そうは問屋が卸さない? 皆が自らの未来へ歩みを進め始めた段階で、また大きな別れが待っていそう。

ということで、ここまで来たら最後まで付き合うしかないでしょう。中弛みとか、遅々として進まない展開とか、それも吹き飛ばすような驚愕のラスト。いや、ホントどういうラストを迎えるつもりなんだ、このシリーズ。

毎度毎度分かりづらい戦闘シーンですが、今回はなかなか分かりやすかった。圧倒的で反則的な能力の“壊刃”サブラクと、フレイムヘイズらの総力戦。いや、久々にこの作品で燃えるシーンを見させてもらいました。これまでさんざん順を追って描かれてきた、悠二が戦闘慣れしてきてる部分も、大いなる伏線だったわけで。ううむ、とにもかくにも続きが気になる。

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