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鷹野祐希 Tag Archive
ぼくのご主人様!?〈5〉
これが最後の入れ替わり!? 石段が失われる前に元の世界に戻れるか?
吉朗たちの世界で石段の取り壊しが1週間後に迫った頃、吉朗・麻琴・千広の3人は、見納めとばかりに一堂に会していた。ところが、突然の地震でバランスを崩し、石段を転げ落ちそうになった麻琴をかばい、一緒に転げ落ちた吉朗は、あろう事かまた吉香と入れ替えってしまい……。
4巻でもきれいにまとまっていて、これ以上続きが出るとは思っていなかったシリーズの第5巻。これで本当に一区切り。全体の展開としては、前巻であちらの真琴と吉香はある形で結論が示されたためか、今回はこちらの吉朗と麻琴の関係がメインに。まぁ、麻琴・真琴はほとんど出番が無くて、主に活躍したのは吉朗と吉香でしたが。
それにしても、名前が似ている上、入れ替わった人物と入れ替わっていない人物が混在しているので現在の登場人物が把握しづらいでしたね。大盤振る舞い的に何人も一気に登場するので手こずりました。
ラストに至るまでに明かされたことは、入れ替わりが起きる石段と社が造られた理由。そもそもの入れ替わりが起きてしまう仕組みまでは明らかにはならないので不思議は残ったままですが、石段が失われたことでこの地この場所で同じような現象は滅多なことでは発生しなくなるという形に落ち着きましたね。タイムリミットが迫り、確実に元の世界に戻る方法が見つからない焦燥や、予想外の闖入者の登場で場はかき乱されましたが、これまでの物語で感じたやや重めの空気でなく、軽い感じで展開していったのが予想外でしたね。
ラストはラストでいい感じだとは思うんですが、それぞれの想い人との関係が深くなっていく前に完結してしまったのがやや残念ですね。それぞれの世界のふたりが、それぞれの世界で、彼らなりの幸せを掴んでいるというシーンは、作中で見たかったなあ。
hReview by ゆーいち , 2008/01/06
- ぼくのご主人様!? 5 (5) (富士見ミステリー文庫 72-5)
- 鷹野 祐希
- 富士見書房 2007-12-08
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ぼくのご主人様!?〈4〉
コメディタッチの短編集 和みますなー
3巻のラストからすると、さらにシリアス路線に突き進むかと思われたシリーズも小休止? ラブコメ要素を前面に押し出したお気楽な展開の短編・中編が計4作収録されています。
栄光は君に輝く
こちらの世界を舞台に、メイド道への並々ならぬ情熱を見せる吉朗の図。麻琴とのラブっぷりもいい感じですが、正直野郎のメイド姿に興味はない! 口絵の麻琴嬢のメイド服姿は眼福でしたが(笑)
オトメの秘密~ときめきの謎~
クールなメイド頭・千広の性別詐称疑惑? あらぬ疑いをかけられた千広と。彼女の真相を暴こうとするメガネさん・春生は奮闘むなしく千広の毒牙に……? 嘘です。でもなんだか百合百合しいフラグが立ったような立たないような。
オトメの秘密~ふくらみの謎~
オトメの夢を体現するような吉香のF。成長の秘密を探るべく、春生が再び立ち上がる。まぁ、偽乳特戦隊なひとから見ると、まさにけしからんことでありましょう。こういう日常を描いたちょっとしたエピソードは息抜きになりますね。
ポートレート-笑顔の向こう側
真琴にライバル出現? 怪我の療養のために佐倉邸に逗留することになった旭は、吉香と妙に気に入って。そんな彼の様子を見た旭の父は、吉香の引き抜きにかかる。
公言できない関係なれども、吉香と真琴の心が通じ合ってるシーンがそこかしこでこそばゆいです。雨降って地固まる、といった風情で、少しずついい関係に進展していってるなあ。まぁ、断固として反対できない真琴のヘタレ具合は微妙に増していってるように思いますが。
そんな感じで、長編とは違ってお気楽な雰囲気で、日常の1コマが伺えるような普通のお話ばかり。これまでひたすらにシリアスに進んでいたので、ここらで小休止なんですかね。ラブ分がどんどん増していくので、そういう部分ではなかなか満足のいった巻でした。
hReview by ゆーいち , 2007/07/31
- ぼくのご主人様!? (4) (富士見ミステリー文庫 (FM72-4))
- 鷹野 祐希
- 富士見書房 2007-04
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ぼくのご主人様!?〈3〉
身分違いの恋路 何処までも遠くて近い想い
佐倉家の当主として、学業よりも事業に専念するために真琴が主催したパーティが開催される。ケガにより執事としての仕事をこなすことができなくなった東金氏に代わり、新たに着任した雅成は挙動不審。またしても現れた入れ替わりの人物。そして、かつて千広に言われた言葉を引きずる吉香は、真琴との叶うことのない関係を、もう一つの世界での思い出をよすがに諦めきれず、けれど苦しみ続けていて……。
入れ替わりの事件の起こりも、3度目になればインパクトも薄れ、されど物語性は随分と上がっている感じ。
ストーリーの焦点が真琴と吉香の身分違いの恋の行方に絞られて、そこに関わってくる人々が障害となったり、助けとなったり。これまで頑なに主人と侍従という関係を維持し続けてきた真琴の態度も、シリーズを通して随分と分かりやすくなってきたものです。新キャラとして登場した雅成の世話をする吉香と彼のスキンシップに在らぬ誤解を抱きかけてきつく当たったり、どうにも自分の気持ちを表に出すのが苦手な彼ですが、夜の噴水前で良い雰囲気になったり、思い出の品を探し当てて束の間の童心に返ったりと、年相応な面も見ることができて、これまで抱いてきた当主としての彼のイメージが変わってきたように思います。
身分が違うという、その世界においては絶対的なまでに違う立場の二人が、人知れず、あるいは互いがそう望んでいないような形ででも逢瀬を重ねて、想いを確認し合うようなシーンが多くて、じれったくも純粋でひたむきな想いと願いが感じられます。
どう考えても相思相愛なのに、互いの立場を重んじるような中途半端に大人な考えを持っている真琴と吉香が、ようやく辿り着けた結論は、困難でも着実に一緒に歩んでいける道なのかなあ。明確に作中で語られてはいないけれど、二人の結びつきは一層強くなった感じ。
描写の派手さとかはなく、全体的に落ち着いた雰囲気で進む物語だけれど、だからこそ、このふたりの恋物語は、しんしんと降り積もって周囲を白く染め上げた雪のように清廉で、美しく思えるのです。
hReview by ゆーいち , 2007/07/22
- ぼくのご主人様!?〈3〉 (富士見ミステリー文庫)
- 鷹野 祐希
- 富士見書房 2006-12
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ぼくのご主人様!?〈2〉
和算がつなぐふたつの世界 って、このイラストで萌え要素が皆無に近いって!?
前巻で、吉朗や麻琴のお話に一応の決着が付いて、続刊がどんな展開をするのかと思っていたらこう来ましたか。今回の主人公となるのは、前巻でも吉朗の先輩として陰で支えてくれた千尋(=千広)。彼が別世界の写し身へと飛ばされてきたきっかけと、さらに昔のとある一人の和算家の数奇な人生の足跡。
まさか、ライトノベルの、しかも富士見ミステリーというレーベルで、こんな硬派でマイナーな和算というテーマでもって、このような作品が出版されるとは。作者も好き放題やらせてもらった感ががが(笑)
そんな感じで、千広と千尋が傾倒していた和算が、ふたつの世界を繋ぎ、在るはずのない文化が存在することから生まれるミステリ風味も盛り込んで、非常に読み応えのある一冊。
和算についての知識がないと、その辺の説明がかなりちんぷんかんぷんなので、興味ない人には辛いだろうなあとも思いますが、前巻のような TS ものとしての恋愛劇を前面に出してくるよりも、こちらの方が私は楽しめましたね。
惜しむらくは、というよりも、この内容でこのイラストでは、ギャップが激しすぎるので前巻のような内容を期待してしまうと大いに裏切られる危険性もありますが。作者の筆力も高く感じられ、作品としてのクォリティはなかなかのものと思うのですが、このイラストで手に取る読者にとってはまさに斜め上の展開ではないかと。
あとは、微妙に BL だったり百合だったりの要素が入ってるのが好み別れそう。後者はともかく、前者は男のみには辛いですね。精神的には異性でも、肉体的には同性なので、そういうシーンはちょいと衝撃が。百合は全然気にならないんですけどねえ。
ということで、別世界からの帰還を果たした千広。そもそも精神が入れ替わる理由とか、作品の根源的な部分の設定がまだ謎なので、その辺が明らかにされる日は来るのかどうか?
3巻はもうちょっと萌え要素入れて欲しいかなあ。せっかくの和泉つばすのイラストなんだから。
和算について
東北大学和算ポータル にあった、数学遊戯(和算パズル)10問に挑戦! には、作中でも登場した継子立てという問題の図解などもあって参考になりました。
hReview by ゆーいち , 2007/07/15
- ぼくのご主人様!?(2)
- 鷹野 祐希
- 富士見書房 2006-05-10
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ぼくのご主人様!?
萌えを期待すると肩すかし?
幼なじみのまあちゃんこと麻琴嬢を、女たらしの毒牙から救おうと奮迅しようとした直後に石段から転げ落ち、目が覚めると吉香という女性になっていた主人公・吉朗。自分の世界へと戻る手段も見つからないまま、メイドとしての生活を余儀なくされる中、けれど、吉香の主人は麻琴の面影を強く感じさせる真琴という男性で……。
恋愛要素は吉朗と麻琴という、本来の世界のふたりの間に生まれるべきもので、飛ばされてきた世界では、状況を打開するために真琴に尽力するという展開が大部分なので、ラブ分少なめ。吉朗が吉香として懸想する相手が、男性なので、これまた感情移入しづらいという点もありますが。
正直、表紙絵からすると、女性になってしまった主人公が四苦八苦しながら嬉し恥ずかし女の子ライフを送るという展開を想像してしまいましたが、中身は反してシリアス一辺倒だったなあ。華族という旧態依然な制度が残った別世界での、身分違いの恋に苦しんだり、望まぬ政略婚だとか、なかなかに重い内容。
その割に、ラストがあっさりめだったので、本人たちはともかく、もう一人の自分たちの先行きとかがほとんど語られていない辺りが残念。続刊ではその辺も語られたりするのかな?
hReview by ゆーいち , 2007/07/13
- ぼくのご主人様!?
- 鷹野 祐希 和泉 つばす
- 富士見書房 2006-01-07
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