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HJ文庫 Tag Archive

たま◇なま~生きている、日々~

stars さて、君は、いつまでそうしてるんだ? 君は、これから、どうするつもりなんだ? いつまでそんな事をしてるんだ? そんなに『人間離れ』して、どうするつもりなんだ?

白の使徒・ベルフェゴォルは、欠片を保持する者たちに接触し、白薔薇の封筒を渡し去っていく。透に、灯璃に、愛華に、美空に、そして由宇に。その封筒に書かれている『事実』を知って、彼らは何を思い、そして何を選ぶのか。体育祭も終わり二学期もあとわずか、学園行事実行部の期末合宿が終われば、あとは年越し。新しい一年が始まる。透は三年へと進級する。白の使徒の問題が残っていようと、彼らの日々は、続いていく。

これは救われない。いろいろな意味で。脇役には主人公たちの未来に幾ばくかの影響すら与えられないというのでしょうか。あとがきも含めて、なんとも意味深なお話です。

で、今回は息抜き的なエピソードでしたね。部活の面々と過ごす毎日が少しずつ変わっていく感覚、透は由宇と暮らすようになってから、笑うようになったし、新しく加わった愛華や美空も部に馴染んできてる、部長は代替わりをして、新しい体勢で次の年を迎える。

そんな日々の移ろいの中、白い人は最後の使徒を生み出し、その目的を成就させようとしているようで。次は物語が大きく動いてきそう。透の親族と対策室の関連も出てきたし、今回の引きもかなり気になる。良い話、悪い話、奇妙な話、あとふたつ残ってるんだけれど、その内容はいったい……。にしても、七尾さん、分かりやすいんだか、分かりにくいんだか、いや、これは透が鈍すぎるのですな。かわいそう、頑張れ。

そして、今回も灯璃の言葉責めは絶好調ですな。狙いすぎてるけど、これがないと読んだ気がしないのです(笑)

hReview by ゆーいち , 2008/10/18

カッティング~Case of Mio Reincarnation~

stars けど、どうしようもないんだ。どうしようもなく、僕はミオと一緒にいたいんだ。

目覚めたときに最初に見えたのは白い天井だった。自分のものとは思えないような身体に違和を感じるカズヤの前で涙を流すミオ。断絶は広がっていた。葛峰聖と昂のふたりによって、カズヤとミオの間に打ち込まれた楔は、綻びを生み、そして起こってしまった事故。それはカズヤから、ミオと恋人として過ごした3ヶ月という時間すら奪っていた。

カズヤとミオの物語はいったんここで完結、ということで、最後はきれいに締めてくれましたね。

そこに至るまでの展開は、痛みにまみれていて、カズヤとミオの間に生まれたわだかまりだったり不信だったりの解決方法としては、こうやって腹を割って本音でぶつかる、なんて青臭い形をしか、彼らは選択できなかったのかな。

ふたりの前に現れた、聖と昂という、まるでカズヤとミオが辿るはずだった未来を、救われることなく迎えてしまった双子により、引っかき回されてしまった形になりましたが、聖と昂にとっても、この物語の中で、カズヤたちが選択した未来というのは、これまで絶望でしかなかった生と、許されない死というものに、ほんの少しの希望をもたらしてくれたのでしょうか。やってることは底意地悪いし、悪趣味だし、いい迷惑だけれど、その結果として、互いの存在に、そして自分自身に不安と猜疑を抱いていた、カズヤとミオに幸せな結末をもたらしたということは、皮肉ながらも祝福してあげたいかなと。

B.R.A.I.N.complex なんて SF 要素が物語の基幹にあるようでいて、結局終わってみると、この物語は、お互いを、そして不確かな自分に不安を抱いていた、カズヤとミオがその先にある形ない何かを手に入れる、心の物語だったのかも。出会って喧嘩して、恋の障害が現れて、仲直りして、結ばれて、結局はそれは、多分どこにでもある、けれどふたりだけの物語。

hReview by ゆーいち , 2008/09/06

カッティング~Case of Mio Reincarnation~
カッティング~Case of Mio Reincarnation~ (HJ文庫 は 1-1-4)
翅田大介
ホビージャパン 2008-09-01

AKUMAで少女~悪魔の国のお姫様~

stars はじめてのことは全部怖いわ。でも、それしか方法がないなら、やってみるしかないって思ってる。

目を覚まさなくなってしまったゆり絵の魂は、生と死の狭間の世界に捕らわれてしまっていた。ゆり絵を助けるためには、女の子の生体エネルギーを集めなければならないと、デビルベアに聞かされた僚は、ゆり絵に変身。魔法の力でモテモテになった僚を襲う貞操の危機を乗り越え、ゆり絵を救うことができるのか。

シリーズ完結。これまでのお話でもほのめかされていた、ゆり絵の秘密が一気に明かされてって、これはアリなのかと思いつつも、大団円で終わりましたね。心臓の手術をここまで回避してきておいて、この巻のオチはご都合と思いつつも、ハッピーエンドなんだから良いんじゃないかとも思いますね。いや、このお話は、こういう結末でも許されるでしょう。

そんな感じで、ゆり絵を助けるために、僚がしなければいけないことは、女の子とのスキンシップでエネルギーを集めるという、まさにえろげ的展開。そして、僚自身がゆり絵の姿に変身しているので、百合百合~なシーンばかりで、でも、中身は男なわけで、その辺のギャップも楽しめるかと。むしろそこを楽しめと。

相変わらず、結構な感じで直接的な描写が多いので、生々しい印象ですが、だがそれが良い。本懐を遂げようとしたところで邪魔が入ったりと、最後まで行っちゃってはいないけど、やっぱりぇちぃです。

やたらと爽やかに完結してますが、同じ舞台で別のお話が今後展開するということなので、そちらにも期待したいですね。

hReview by ゆーいち , 2008/08/24

AKUMAで少女~悪魔の国のお姫様~
AKUMAで少女~悪魔の国のお姫様~ (HJ文庫 わ 3-1-4)
わかつきひかる
ホビージャパン 2008-08-01

たま◇なま~こわいものはありますか?~

stars 私は、どこにでも行ける。だから、私は、ここにいる。

体育祭の準備に忙しくなりそうな9月のある日、蒼美空が十葉市立高校へ編入してきた。彼女の「透と同居してました」発言に、クラスは騒然としつつも、日常の一部として毎日は過ぎて行く。そして、一年に編入した由宇は、彼女なりの新しい生活を築いていて。透の知らない由宇の姿、そんな彼女がいるということに、透は言葉にできない感情を抱き始めて……。

ドタバタ中心のお話ながら、蒼の転入だったり、由宇の自立だったり、そして白い人の目的だったりが語られて盛りだくさん。蒼の三点リーダ多用な台詞はやっぱり目が滑りがちになるけれど、それはそれでキャラの味、か?

由宇が自分の知らない彼女になってしまうということに、不安なのか、独占欲なのか、微妙な感情を持って接してしまう透。体育祭の騎馬戦の件では、本当に大人げない対抗意識を燃やしてかなりはた迷惑なキャラになっていましたが、そんな透が自分の気持ちを自覚して、そして由宇の気持ちを理解する日はそんなに遠くなさそう。

一方の蒼も彼女なりの精一杯で、透との距離を縮めようとしているけれど、やり方間違えているというか、勢い付けすぎというか、こういう性急な行動が、思いっきり誤解を招いているというか……。めっちゃフラグ立ってますが、直接告白できないようじゃ、まだまだ由宇とは対抗できないんじゃないのかなあ。

エピローグではそんな由宇の成長が如実に語られてますね。透に守られるだけだった世間知らずな彼女ではなく、透の悲しみを理解して支えていこうという、そんな気持ちの片鱗が伺えます。その先にありそうな、厳しい戦いが、透の周囲にどんな波を立ててくるのか、そんな試練はそう遠くなさそうですが、果たして……?

hReview by ゆーいち , 2008/07/20

カッティング3~Case of Mio Entanglement~

stars 人は何で孤独を懼れるのか、分かります? この世の何よりも恐ろしいのが、“自分自身”だからですよ

ミオとカズヤのふたりで過ごした夏休みが終わり、新学期が始まった。想いを深め、互いを知っていくための歩みを少しずつ進めながら。ひととは違う生を背負わされたミオ、それを理解したくても、彼女を傷つけることを恐れ問いかけられないカズヤ。そんなふたりの前に現れたのは、葛峰聖、昂という姉弟。そして、聖の瞳は、かつての西田貴流と同じ光をたたえていた。

ぐは、まさか続き物になっていたとは!

続刊を待たなければこの消化不良感は消えない。というか、なんというところで続いてしまうのか。

第1作の続編ということで、距離を縮めてハタ目からはバカップル化したミオとカズヤの恋人らしいやりとりが照れ照れ。というか、カズヤの妹の良雨がいい味出しています。こんなのほほんとした日常が続いていくかと思ったら、ミオと同じ事情を抱えた葛峰姉弟の登場で、ふたりの関係にちょっとした歪みが生じていって。

前作で描かれていた、確固たる自分というものの実在を確信できないミオは、かつての事件で大きく変わっていて、けれど、その変化を気付けなかったカズヤの余計な気遣いが、今回の事件の原因でもあります。聖の言動やカズヤへの態度などは、この事態を導こうとした意図的なものなのか、あるいは彼女たちの絶望を打破するためのきっかけとなるような希望の表れだったのか、それが語られるのは次巻になるのかな?

B.R.A.I.N.complex の犠牲者となったミオたちの物語と、カズヤのこれからの物語が否応なしに交わってしまった今回のお話。自らの傷をさらけ出しても理解し合いたいと願ったミオの心は、今のカズヤには理解できないかもしれないけれど、これから彼の身に起きる出来事は、ふたりの絆を試す試練となるのか、引き裂く楔となるのか。重い気持ちになりますが、待たざるを得ませんね。

hReview by ゆーいち , 2008/05/18

カッティング3~Case of Mio Entanglement~
カッティング3~Case of Mio Entanglement~ (HJ文庫 は 1-1-3)
翅田大介 も
ホビージャパン 2008-05-01

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