ロミオの災難

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stars 「すき」と言えない高校生の揺れる思いを描く、ちょっと怖い物語

夏休み明けの文化祭に向けた演目の決定に頭を悩ませる演劇部の部長・如月。一年生が五人だけの部活では、裏方に回りたいなどという自分の要望が通るはずもなく、全員で何とか公演できる演目がないかを話題にした矢先。突然、倒れてくる棚と、その拍子に見つけられた少人数――ちょうど五人ぴったり――で演じられるように脚色された『ロミオとジュリエット』の台本。その日を境に、如月を中心とした部員たちの関係は一転していく。
えー、表紙めくったらびっくりしました。いきなりホラーな展開を予想させるようなイラストが来ましたが、実際読み終わってみると、恥ずかしくなるような恋愛もので、オカルト的な要素はあんまり強くなかったですね。

かつて、男一人、女四人という演劇部員たちで演じられるはずだった脚色された『ロミオとジュリエット』の台本。その背景にあった男女間の感情が、現在の如月たちの感情に被さるような形で影響を及ぼし、如月に対して望むと望まざるとに関わらず好意を抱くようになってしまった部員たち。序盤はその感情の出所を探りつつ、片思いだった美少女・雛田から向けられる好意を嬉しく思いつつ、けれど、その気持ちがほんとうのものかどうかで悩むという、なんとも純な恋愛物語。女子三人はともかく、ガタイのいいイケメン野郎から抱きつかれるとか、多少の不幸はありつつも、その辺はコメディ色ですね。

期せず、「如月を好き」という感情を持ってしまった彼女たちの苦悩も良くわかります。過去に抱いた誰かの感情に振り回されつつも、それが他人のものなのか、自分のものなのか分からずに、望まない形でその気持ちを明かされてしまった子もいたり。

そして、年相応の恋愛に対しての幻想じみた若い感情がぶつかり合ったり、悩んだり、苦しんだりと、微笑ましくてなんとも恥ずかしい感じのするお話。演劇の公演の最中のドタバタはかなりシャレにならない気もしましたが、そのオチがなんとも肩の力が抜けるというか、げに恐ろしきは思いこみの力、といったところ。

何もかも元通りになったはずの、エピローグ。如月の方から決意を込めて歩み寄った告白の答えやいかに? 気持ちの良いラストでした。

hReview by ゆーいち , 2008/01/29

ロミオの災難

ロミオの災難 (電撃文庫 ら 4-5)
来楽 零
メディアワークス 2008-01-10
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