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緋弾のアリア〈4〉 堕ちた緋弾

stars なんでなのかは分からない。でも、アイツのためになら。アイツのためになら、あんたと道を違えてもいい気がするんだ。――兄さん。

「アリアを殺す」。キンジの前に現れたカナは、そう告げ、彼に協力を求めてくる。キンジの目標にして、尊敬すべき存在であるはずのカナの言葉に、キンジは初めて首を横に振る。新たな任務の最中、凶弾に倒れるアリア。彼女が死を迎えるまでに残された時間は24時間。彼女の救おうとするキンジの前に立ちふさがるカナの真の目的とは……?

衝撃的な台詞で前巻から続いてきましたが、引きのインパクトほどにはカナの目的が大きくなかったような。逆に話のスケールやら登場するキャラクターたちの能力やらインフレしまくってきて、そろそろ通常の人間には太刀打ちできない異能バトルの様相を呈してきましたね。

キンジがアリアと組む理由ともなった、兄の行方がはっきりしたかと思ったら、今度は望まないまま対立することになって。兄とアリアという天秤にかけることもできないようなふたりの、どちらに見方をするかでキンジが出した答えは、彼が一人前の武偵へと一歩成長した証であるとともに、男としての成長の証でもあるように思えます。

これでようやくキンジを巡る恋愛方面の決着が付いたような気がしますが、話に絡んできてないレキみたいなキャラクターもいますし、対抗馬である白雪が簡単に納得するはずもないし、ライバル的な理子も面白いからという理由で引っかき回してきそう。今のところはシリアスモード一辺倒で、ラブってコメる余裕がない感じですが、この事件が片付いたら、そっち方面のドタバタもまた見てみたいかも。

窮地に陥ったアリアを救うため、キンジの友人たちとの力を合わせた作戦は、物語が終盤に来たことを思わせますね。武偵であることから足を洗おうとしていた彼の中で、決して消えることのなかった何かが、再び燃え上がり前へと進める流れ、彼を前へと進めるために、皆がキンジの背中を押す展開はやっぱり燃える燃える。肝心のキンジの見せ場がその前のカナとの対決に持ってこられていたような感じで、救出作戦においては割と傍観者的な立場になって、白雪やカナたちに美味しい見せ場を持っていかれたような気がしなくもないですが。

そして、覚醒する『緋弾』のアリア。ようやくタイトルの意味がここで明かされたような展開ですが、それにしてもこの圧倒的な力は一体なんなんだか。彼女の一族の血に秘められた力なのか、あるいは何かによって与えられた力なのか、その御しきれないほどの巨大な力を得て、果たしてアリアは何を思うのか。彼女のパートナーであるキンジは、アリアをどう支えるのか。目の前に現れた最大最後の敵となりそうな彼の正体に揺らぐアリアはどんな決断を下すのか。

敵対していた組織イ・ウーのトップ『教授』も登場し、いよいよクライマックス。この流れだと次巻あたりできれいに完結となるのでしょうか。良い感じに盛り上がってきてますので、それに相応しい幕引きが用意されていることに期待ですね。

hReview by ゆーいち , 2009/09/06

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