官能小説を書く女の子はキライですか?〈2〉

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stars あの、せんぱいにおねがいがあるんですっ。あのですね、わたしにも、お二人が体験取材をしているところを見せてほしいんですっ。

唐突に現われた天真爛漫中学生・ひみこに、月と真一は官能小説と男装の『ひめごと』を知られてしまう。しかしひみこは自らも「えっちな同人誌」を描いていることをカミングアウト。秘密をばらすことよりもむしろ真一と月がこっそりやっていた『体験取材』に興味津々! 二人にえっちなことを実演してみせるよう頼んできて――?
さらにそれだけに留まらず、藍川が真一に抱いている想いを知るやいなや、どんどん悪ノリがエスカレートしていって……!?
そして、その光景を見る月は言いようのない不安を抱え…。人気絶好調のギリギリひめごとラブコメディ、シリーズ第2弾。

はじめてのキスはだれのもの?

官能小説家を目指す幼なじみの女の子が、主人公と同居して、あまつさえ男装して学校に通うという、どこからどうツッコんで良いものやらなお話の第2弾。経験不足を補うために、主人公相手に実際にあれやこれやえちぃことを『体験取材』と称していたしちゃう、ある意味、レーベルの限界に挑戦しているかのような内容は今回も健在でございました。

いや、冒頭からかなりアレな感じで、そこかしこでいちゃついてるバカップルと化しつつあるようなふたりですが、さすがにそろそろ自重しろと言いたくなるレベルに(笑) えろげ的なご褒美イベントのオンパレードではありますが、奥手で純情、そして極度の恥ずかしがりな性格の月に対して、タガの外れかかった真一の行為は半分襲っちゃってるような感じでやや引き気味の私です。根底には互いへの信頼と、浅くはない愛情があるのは分かってはいるんですが、月がその行為を取材と割り切っているだけに、ラブラブな雰囲気があまりないのが残念というか物足りないというか。お色気的にはかなり頑張ってるのですけれどねえ。

いけ好かないクラスメイトにして副生徒会長・浅井の妹であるみことが新キャラとして登場。中学生が18禁な同人誌を描くとか、これもまた危険なネタを振ってきてるけれど、そんな彼女の暴走によって、月と真一の『取材』行為はさらにエスカレートしていって……。

この、みことという妹キャラ、悪気がないだけにタチが悪いという暴走キャラなんですよねえ。自分の創作のネタになるだろうという思いつきから、真一たちの取材を見せてくれと頼んだり、彼らの関係を煮え切らないと思ったら、事情をよく知らないこれまた純情な藍川さんをけしかけて、月の嫉妬をあおってみたり、強引すぎる行動が正直鼻について仕方なかった印象が。これじゃあただのウザキャラだなあという感じなのですが、それでも好意的に解釈するのなら、これくらい強引に、月と真一の間を引っかき回してやらないと、家族という言葉に逃げ込んでいるふたりの関係は前進しないんじゃないかということなんでしょうかね。

そうすると、真一のことが気になり始めてる藍川さんは、月の当て馬としての役割を演じるしかないわけで、思い込みのやや激しいところはあるけれど、良い娘なだけに、予期せぬトラブルに巻き込まれてしまって、かわいそうでしたよ。まぁ、そのせいで、幸か不幸か彼女自身も、自分の中にある気持ちに気づきかけてるようなフシがありますから、今後、真一へのアプローチが積極的になってきたりすると、対外的には男で通している月にとってはやきもきするなんていう、にやにやな展開が待っていたりするのでしょうかね。うん、それはそれで……。

けれど、やっぱり真一の中で特別な女の子は月であり、逆に月にとっての大切な男の子は真一であるのは間違いなくて。そんなのは最初っから分かっていたことですが、それを少しずつ自覚していく流れはやっぱり良いですね。取材を建前にしないと、ふれあうことさえ臆病なふたりですが、こういうちょっとした出来事を積み重ねて、自分の気持ちをはっきりと伝えられる、そんな日が来るのが待ち遠しいですね。

最後に月さん、キスの取材、一回だけでほんとに良いんですか? ほら、いろいろあるでしょ、アレとかコレとかソレとか……とかいうと、ほんとに18禁になるから止めときましょう(笑)

hReview by ゆーいち , 2010/11/09

官能小説を書く女の子はキライですか?〈2〉

官能小説を書く女の子はキライですか?〈2〉 (電撃文庫)
辰川光彦 , 七
アスキー・メディアワークス 2010-11-10
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