ブームに乗り遅れようと、面白いものは面白いってことで、さくっと読了。
幽霊に取り憑かれる、という一点を除けば、主人公、桜野タズサの成長の物語。ラノベでスポーツものというのが余りないというのが本作が注目を浴びた理由のひとつだったのかな。いや、フィギュアスケートの世界には、全然明るくないのですが、それでも演技の描写や、スポーツ選手特有の心理状態の変化、知識のない人にも競技の世界をある程度分からせるだけの丁寧な、それでいてくどくなりすぎない文章。なるほど、確かに話題になるだけのものがあるなぁと納得。
前半の、ややギャグ目の展開とうってかわって、後半はかなり真剣にフィギュアスケートに打ち込んでいくわけですが、その辺の緩急の付け方が、やや気になったかなと思わないこともないのですが、それを補って余りある爽快感が最後の演技の描写には溢れています。読んでて純粋に気持ちいいというテキストは、それだけで好ましいですね。
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