文章が洗練されてきて読みやすくなってる印象。
物語の面白さとしても、前巻の過去話を土台に、一気に加速してきています。終盤の展開は、それぞれがそれぞれのフィールドでやれることをやるという、お約束でありながら、なぜか熱い。嘉穂の言う、白いヤツではなく、量産型の緑のヤツに憧れるという気持ちは、何となくわかったり。主役になれなくても、やれることがあり、諦めないことで、今回のサンドボックスにおける、惨事の発動をぎりぎり回避できたのではと。
結局、本作の主人公は、美鎖であり弓子であり、こよみであります。魔法使いならぬ、一般人である嘉穂の立ち回れる分野は、PCそれ自体という、読者にも覚えのある人がいそうな分野であることが、親近感を持たせるのに一役買っているのではないかと思います。冷静に、自体の打破を目指すストイックさは、なかなか格好いいものがあると思いますがいかがか。
あとがきのあとに、あの展開を持ってきたのは、正直驚き。あとがき読もうかなぁと思って、最後のページを見てみたら、なんか本編だったので慌てて最初から読み始めましたが、正解だったなぁ。衝撃というにふさわしい展開です。美鎖さん、ろくな目に遭ってませんが、次巻ではどのように収拾を付けるのか、非常に楽しみです。
今回の元ネタは、ウィザードリィやデスクリムゾンなどゲームから来てるのが意外に多くて笑えましたが、「はてな?」なのも多少ありましたので、ぐぐってみたら、そのものずばりな元ネタ集発見。ふむふむ、なるほど。
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