ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」

ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」読了。

良くできたお話。過去のエピソードと上手い具合にザッピングしてるし、登場人物の名前もようやく把握してきたので、作品世界に浸ることができるようになった感じ。

ラストシーンの別れの描写は、別れという後が想起させる後ろ向きな感情をほとんど含まない、未来へ向けた希望に溢れる歩みに思え、本作のタイトルが「パンドラ」ということも合わせて、なるほどという感じ。

残して逝ったもの、残されたもの、各々のそれからに思いを馳せるのも一興でしょう。

しかし、ブギーポップ、何のために出てきたのやら。統治機構の彼がいたからなのか、それに対する組織の手によるキトを危険視して出てきたのか、明確に答えを出してくれないのも、らしい感じがしますね。