ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王

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ブギーポップ・オーバードライブ歪曲王読了。

今度の敵は怪獣だ! って無茶しすぎー。しかし、それでも何とかしてしまうあたりがブギーポップの凄さでしょうか。

相変わらず登場人物のストーリーへの絡ませ方が絶妙で唸らされます。というか、過去のエピソードに登場してきた人物を把握しきってないから、ピンと来ない部分も。名前覚えるの苦手なんだよう……。

誰の中にでもある心の歪みそのものが根源的な敵として描かれる本作。表だって語られることのなかった、小さな引っかかりが、その実、自らを縛り付ける腐りになってしまっているということ。自らの内面との対峙を、誰彼かとの対話で描く手法は良くあるといっても、この巧みさはなかなかありません。素晴らしい。

統和機構の歯車として使い捨てられた寺月恭一郎が見せた、置き土産の事件。それは世界そのものへの挑戦者を選び、自覚させ、未来を選択させるという危険と表裏一体の賭けであり、彼ならではの「酔狂」だったのでしょうね。

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