日日日の作品はやっぱりひねくれてる。単なる恋愛小説を書くのに、こんなねじ曲がった世界観を持つ主人公にしなくても良いじゃないかくらいに。そして、オタ層へグサグサ来る台詞をこれでもかと撃ち込んでくれる。いや、ゴメン、私が悪ぅございました。正直ちょっとへこむ。イヤなことを思い出させられそうで。
かぐやひめを曲解して曲解して変な化学反応が起きて、現代風に意地悪に書くとこんな感じなのかなぁ。主人公の名前が輝夜(かぐや)であるのも、月が象徴的なモチーフであるのも、彼女の隣人が太陽という名を持つ男の子なのも、計算尽くに見え、ありきたりに思えるのに、最後の最後で上手く落としてくれる。日日日の文章は上手いけれど、好みじゃない。作品も手放しに好きに離れそうにないけれど、引き込まれてしまう。序盤の輝夜モノローグのは、正直うざったいくらいだったのに、終盤にさしかかればそれすらも愛おしく思えて。下らなくて、残酷で、強引で、一方的で、理解できない、愛だの恋だの語る前に、輝夜が探していたのは自分を照らしてくれる陽の光だったのだという、そんなお話。
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