イリスの虹

王道的な展開を見せるヒロインがバトる物語。典型的な巻き込まれ型主人公とヒロイン・箒の心の交流や、彼女の笑顔の裏に隠された事実。設定はありがちで、これまた灼眼のシャナを彷彿とさせてしまうけれども、箒の持つ正義の味方の在り方に対する信念や、それを含めた年齢に不相応な茶目っ気に溢れた性格など、ヒロインのキャラクターはなかなか好み。

単巻で完結するには明らかになっていない設定が多く、その辺の不明点が明かされない消化不良感は残り、箒の身辺に関する厳しい状況は何も解決していないなど完全なハッピーエンドで終わっているわけではないですが、エピローグで描かれる「居場所を見つけた」という安堵と幸福感は悪くないものですね。