ハミュッツ=メセタをはじめとした無敵超人の方々はさておき、物語を進めるのは半人前の見習い司書・ノロティ。彼女の武装司書としては優しすぎる性格や、武装司書を目指した理由などキャラクターを完全には描き切れていない部分があるのがやや残念。しかしながら、前巻同様に巧いこと読者を騙してくれる仕掛けがあって、終盤の展開はなかなか意表を突かれました。
もっとも、戦闘分少なめ、心情描写多めといった感じで、バトルものを期待するとやや肩すかしかもしれないのは注意。前巻読んでれば、そこが作品のキモではないというのが分かるので問題ないかとは思いますが。
それにしても、この作品世界にまともな人間はいないのか。弱きものはとことんまで虐げられるし、力あるものは皆どこか精神構造が歪んでるし。最後の最後でハミュッツの狂気にぞくりとさせられたエピソードでした。
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