悪意は見え隠れするとはいえ、日日日氏のシリーズ作品の中では一番前向きかも。何気に明かされた主人公・伊依の過去話や幼なじみ・遊の境遇とか、結構重い設定があるのに、退かぬ媚びぬ顧みぬな愚直なまでの伊依の前向きさは眩しいくらいですね。
で、第一部完と銘打つだけあって、謎を残しつつも、これまでさんざん引っ張ってきた桃子に対する罪悪感の払拭も、この上ない形で成されて結構マジ泣きですよ? あの辺の伊依と桃子、梅子の会話は素晴らしい。伊依の抱く夢はどこまでも実現困難なのかもしれないけれど、手を伸ばせば伸ばしただけ近付いてくるのではないかと、そう思わせるだけの希望がそこにはありました。
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