前巻のようなどうしようもないやるせなさは多少なりを潜めてはいますが、やはり弱い人間はなすすべもなく死んでいく世界。頂点に立つ帝自身が自らの市を望むのだから、世間が荒廃していくのも宜なるかな、といった感じですが。
永劫の別れと思われていた伊月と佳乃が思ったよりあっさり再会したり、前巻で拾われた子が次代の御明かしとして育てられていたりと、その背後にある長谷部氏の政治的な思惑とか野心とか、まだまだ闇は深そう。
本巻の引きからすると、次巻が出るとすれば初代の火目・霞楼を豊日の回想として語ることになるのでしょうか。伊月の見たものの正体とか、作品世界の根幹に関わる設定とか、明かされるお話になりそう。
ともあれ、次回も期待。
コメント