なぜ走るかと問われればこう答える。「そこに階段があるからだ」
校内をひたすら駆けるだけの階段部にひょんなことから入部することになった主人公幸宏が、いっぱしのランナーに成長するまでの紆余曲折。非公認活動であるが故の奇異の視線や、執行部や教師からのまっとうな圧力との軋轢や、家庭の事情まで、内容的には盛りだくさん。盛りだくさんすぎてやや散漫な印象にもなりますが、ラストのレースの描写は、校内を走っているだけなのに起伏とんだ展開を見せてワクワクさせられました。最終的には大団円と、きれいすぎる終わり方ではありますが、気持ち良い終わり方。悪くないですね。
まぁ、登場人物が多すぎて、各キャラ深く掘り下げてる余裕はなかったのでしょうけど、主人公の美味しい境遇とか、階段部部長・九重嬢とか、ヒロイン格が何人もいるのに、目立って動いてなかったのがやや残念。2巻に期待です。
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