シリーズの中でも屈指の盛り上がりを見せるエピソードでした。素晴らしい。そして、物語を引っ張るのが、“かっこう”ら主人公勢ではなく、有夏月をはじめとしたこれまで表舞台に立つことができなかった、悪く言えば「その他大勢」に分類される人たちであること。また、虫憑きではないただの人間でも、力ではない方法で、虫憑きと対峙しうるという可能性を見せてくれました。このエピソードは有夏月の、過去のわだかまりからの脱却という、彼の中の変革を描いた共に、愛恋や陽子といった異端の戦い方も描いて見せました。
真のジャーナリストたらんとする愛恋と、孤独への道を選択した陽子の虫憑きへ向ける感情は対極で、それは一般の社会における虫憑きへの感情の両極の代弁でもあったのでしょう。人と虫憑きが、異質であるのか、全く同じであるのか、それぞれの信念を賭けた戦いの決着は、非常にやるせないものがありました。
特環がこれまで秘匿してきた事実は、愛恋の手により広く放たれ、それが芽吹くときが、予想される大きな戦いの幕開けなのでしょう。魅力的なキャラがやたらと出てきて、すぐさま退場したりしてるけど、いつかどこかでまた復活してくれることを願ってやみませんね。
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