天空のアルカミレス〈2〉テスタコーダの鬼

天空のアルカミレス (2)

読了。

ヒーローものの正道としての主人公の成長物語。なにやら裏がありそうで、けれど頼りになる助っ人新キャラ亨司を迎え、まさに最後の希望としてテリオンに立ち向かう拓也と日向子。自分の力もコントロールしきれず、日向子との連携もままならない拓也が必死に強くなろうと力を求めるのはわかりますが、やや直情に過ぎる感が。力に飲み込まれそうになったり、大事なものを見失いそうになったりしながら、それでも最後の一線で踏みとどまって活路を見いだす展開は、地味ながらも手堅いですね。正直盛り上がりにはやや欠けという感じですが、ようやく自分の力も自覚し、まさに切り札たる存在に近づいた拓也の活躍に期待。どのキャラも過去にいろいろあったり、背後関係が気になりますが、その辺もおいおい明らかになっていくのでしょう。

で、囚われの身となってしまった、礼菜が怖い。怖すぎる。何となくテリオン陣営の思うままに誘導されていっているような感じで、主体性はないのでしょうけれど、彼女の中に芽吹いたほんの一握りの疑念と嫉妬が、はっきりとした方向性を持ったときには、それはもうとんでもない修羅場が待ち受けていること間違いなしでしょう。血を見るね、誇張なしに。

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