Missing〈1〉神隠しの物語

Missing〈1〉神隠しの物語読了。

『断章のグリム』を先に読んでいて、こちらのシリーズの方が痛いという話を聞いていたのでどんなものかと思っていたら、真性のホラーだったワナ。直接的な痛さの描写ではなく、精神に迫る病的・狂的な静かな恐怖感がじわじわ染みてくるのが、かなりキますね。

物語の中心に在る『魔王』こと空目の無感動を突き詰め、他者に無依存な個性は、無機的・機械的な感じがしてどうにも感情移入できないのですが、逆に彼の心中を理解できるような精神は、それこそ病んでいるとでもいわんばかりの展開ですね。

オカルティックな知識が満載で、この手の話が好きなひとにはたまらないのでしょうが、説明的に過ぎるので文章自体は固さが抜けてないのはデビュー作故でしょうか。

お話的にはこれから始まるといった風で、長いプロローグ的な印象を受けます。先に繋がるような伏線をこれでもかと出してきながら、破綻が見えず先を期待させる展開はお見事としかいいようがないですね。

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