狼と香辛料〈3〉

2006年10月14日

狼と香辛料〈3〉読了。

今回も面白かったですね。

ロレンスとホロの旅の終着点が見えてきました。旅の終わりをイヤでも意識させられつつ、商売人としての本能と自身の純粋な望みの間で揺れるロレンス。ちょっとした言葉の行き違いで、これまでにない深刻な仲違いがライバルの登場をきっかけに勃発してしまったり。これまでの商売中心の話題から、二人の関係を進展させる方向へ、ストーリーの比重がやや移った感じもします。

もちろん、終盤はロレンスの商売人としての成長も窺わせるような商戦も繰り広げられたり、作品のテイストは薄れずに、さらに引き込まれるような構成になっています。相変わらず、ぎりぎりの一線で勝ち負けが決まる綱渡りな商売ですが、そのたびに成長していくのが話が進むにつれてわかってくるのですよね。その辺、まだまだ中堅どころの商売人であるロレンスの、未完成さの描写に一役買ってる印象です。

老獪かつ人外な賢狼ホロの魅力もうなぎ登り。どんどん可愛くなっていってますな。ロレンスとの信頼が深まるにつれて、二人の会話の味わいも増していきます。なんというか、直接的に自分の気持ちを伝えるような青臭さのない、大人の会話って感じ。まだまだホロにはあしらわれることが多いロレンスですが、時たま起死回生の一撃で丸め込むシーンもあったり、この辺の気の置けない関係の描き方が素晴らしい。

旅の終わりが近づきつつあるストーリーが、どのような終わりを迎えるか想像も付かないですが、周囲の応援や、二人の表に出さないながらも繋がれた絆を思うと、どんな形であれハッピーエンドを迎えるのじゃないかと期待してしまいますね。

とりあえず、描写のミスは重版では修正されるようなので、機会があればチェックしておかなければ。