皇帝ペンギンが翔んだ空

皇帝ペンギンが翔んだ空読了。

文庫化されていない同名の連載作品からのスピンオフ作品ということで、そちらを読んでいた方がより楽しめる、ようなのですが、未文庫化のため読めず。電撃hpを取り寄せる根性もないためそのままさらりと読んでいきましたが。そういった意味で、本作のタイトルと作品の内容に大きな関係はないようですな。

舞台は現代ながらも、古城には幽霊が住まっていたり、街ぐるみの疑似家族関係の暖かさが感じられたりと、ファンタジックな世界観でしたね。終盤はマフィアが絡んできたり、かなり殺伐とするのですが、主人公リーゼロッテと街の人々との会話や思いやりの温かさはなかなか良い雰囲気です。怖い老婆なマルガレーテの正体はジョーカー的とは思いつつ、それには関係なく、リーゼロッテを実の家族の様に大事に思っていることから発せられた、彼女の啖呵のシーンが、この作品の中で一番印象に残りました。

幽霊とか、他のキャラとかを完全に生かし切れてない感じなのは、前述の連載作品を未読のせいなのかな。だとしたら少々残念。単巻で終わるには惜しいので、ぜひ連載作品を文庫化してほしいところです。

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