すれ違う想い 交錯する運命 パラベラムと乾燥者の決戦の日迫る
夏休み。映画部の面々は本格的に映画撮影に乗り出す。主役は一兎、ヒロインは志甫。そしてキスシーンありの脚本に、志甫を意識し出す一兎。
時を同じくして、街を騒がす連続猟奇殺人事件。その手口は、志甫の兄を殺害したクロスドレッサーのものと同じで。クロスドレッサーを兄の仇と憎み、一人で討つ決意を頑なにする志甫。そんな彼女と一兎の気持ちはすれ違っていって……。
恋愛模様が一気に展開。でも、男女のカップルだけじゃなく、女×女とか、男×男とかのカップリングが出てくるのはどうなんだ。これが深見節か。『武林クロスロード』でその神髄は味わったけど、本作もどんどん色が出てきたってことなのかな。
パラベラムの集団・灰色領域と人類の敵・乾燥者の対決を前に、パラベラム同士の集団戦が行われそうな雰囲気。なんだか本末転倒な気がするけれど、その背景で明らかになってない設定がまだあるのか?
新キャラの美玖は、その立ち位置自体が一兎にかなり近く、今回のエピソードでふたりの関係は因縁めいてきました。彼女の出自自体も、対立が運命づけられたような皮肉なもので、彼女の命運がこれからの戦いの中でどのように揺れ動いていくのかも要注目。
そして、志甫がさりげなく一兎に示している好意の意味は。頓挫している撮影の再開とともに、ふたりの距離も一気に近づいていきそう。
hReview by ゆーいち , 2007/09/23
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