「痛み」を共有する捜査官・鉄の捕物帖 やや詰め込みすぎ?
様々な能力者が跋扈する世界。そんな能力者を「痛み」で感知し、さらに自身の痛みを相手の、相手の痛みを自身のものとして感じてしまう痛覚感応能力者・鉄・クロフォード・九狼は、そんな厄介な能力を駆使し、能力者を取り締まる警官として活動していた。
5つの短編連作と言って良いような構成。1つのエピソードに割くページ数の制限からか、どれも事件の起承転結が早くて早くて、特に鉄と因縁のあるかつての友人・キースとの対決を描いた終章の尻切れ蜻蛉さはどうなんだという感じ。
設定は結構練られていて、厄介な自分の能力とうまく付き合ってる鉄の活躍なんかは悪くないんですが、その分展開がワンパターン気味かな。最後は結局ガチンコ我慢比べになってしまってるし。
ヒロインらしい美少女キャラも出てきていて、何か重要な役割あるかなあと思ったら、かなり空気で泣けてきます。イラストが萌え系な絵描きさんの手によるものなのに、内容はハードボイルド風味でちょっとギャップがあるかなあ。
ともかく、エピローグのオチが短すぎて、余韻も何もあったものじゃないというのが一番気になったところかなあ。
hReview by ゆーいち , 2007/09/27
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