灼眼のシャナ〈16〉

2008年11月2日

stars 大命の実現に向けて物語は動き出す シャナと悠二、ふたりの再会は戦火に彩られ

坂井悠二の存在の証が消えていく。あらゆる記録から、そして両親の記憶からすらも。かろうじて彼の記憶をとどめているのは、彼と深く関わり、「この世の本当のこと」を知った吉田さんをはじめとした一握りの友人と、シャナらフレイムヘイズたちのみ。
盟主の帰還に応じ、大命の実現に向けて動き出す仮装舞踏会。世界が大きく変革する、戦いは間近に迫る。

盟主・祭礼の蛇と化した悠二がシャナの前に立ちふさがる。街を再び訪れた彼の心に訪れた郷愁がなんとも切なく描かれていますが、これまでの悠二とシャナの戦いを振り返る描写もあったりして、これまでのおさらいができて助かった面も。
しかし、祭礼の蛇と悠二の人格が共存しているのか、妙な感じになってきてますね。仮装舞踏会が掲げる大命の実現、それ自体は、何の揺るぎもなく進行しそうですが、シャナという存在が悠二の中で大きくなりすぎてしまっている現時点で、祭礼の蛇と悠二が下した選択が今後どのような意味を持つのか。

話のスケールが非常に大きくなって、現世と紅世の双方を巻き込んだ大変革を目論む戦いが始まりそう。拠点を潰されまくり、劣勢のフレイムヘイズ勢の総力が結集し始めたラスト、これからは互いの存亡をかけた総力戦ですかね。

長らく引っ張ってきた、悠二の優柔不断さと曖昧な三角関係に一応の決着は付いたけれど、これから一体どうなっていくのやら。

hReview by ゆーいち , 2007/11/20

灼眼のシャナ 16

灼眼のシャナ 16 (16) (電撃文庫 た 14-21)
高橋 弥七郎
メディアワークス 2007-11