シーナ&バケッツ メジャーへの道! そして日菜の恋の行方は?
シーナ&バケッツのTV放送のための収録が終了した。健一は変わっていく。もちろん、彼の周囲のひとたち、綾、刻也、冴子、千夜子も。健一とコンビを組み、自身の姉への想いに懊悩してきた日菜も。
他者との歪な関係を持ち続けてきた健一は、綾との会話でひとつの道を示される。普通の恋愛はできなくても、別の方法なら探せると。
そして、TVでふたりの姿が日本中に放映された夜、日菜は決意を持って姉である佳奈へと想いを告げて……。
健一のあいまいで、八方美人な態度に振り回されているように思えていたこれまでのストーリーが、シーナ&バケッツの成功を契機に、彼が変わってきていることを感じるようになってきた第9巻。もう9巻。
自分の恋愛観が「普通」じゃないことを自覚して、それでも千夜子との恋人関係が5年後も続いているかというのはなかなかの謎。どこか変わった部分を持った女性ばかりが登場する作品なだけに、千夜子自身も何か訳ありだったりするのかな、と。
今回のラストで、ついに日菜は佳奈へ告白。もちろん、その想いが報われないことも、これが契機に関係が半ば壊れてしまうことも、これまでのプロローグ部分で仄めかされていましたが、傷心の日菜の前に現れたのが健一っていうところが。
傷の舐め合いでもなく、単なる依存でもなく、不思議な関係を築いてきている13階に住まうひとたち。日菜の失恋が彼女の心を引き裂くのか、あるいは別の形で成長を促すのか、それは次巻のお楽しみ?
hReview by ゆーいち , 2007/11/23

- ROOM NO.1301 #9 (9) (富士見ミステリー文庫 16-18)
- 新井 輝
- 富士見書房 2007-10
コメント
コメント一覧 (1件)
[新井輝] ROOM No.1301 #9 シーナはヒロイック!
ライブの疲れが残りながらも冴子と寝たのは、ひょっとしたら興奮が冷めることを恐れた自分のわがままだったのだろうか。冴子との会話から、再び恋愛について考え始めた健一は、綾と…