なんていうかな……十年の修行の成果っていうのを見てぇんだ
ファリアの従衛として帝国に仕えるようになったカイン。レイクとともに、翌年の登用試験を目指し、己を鍛えつつ帝都での新生活を送っていた。ふたりを鍛えるクローディアの元で、槍術以外の武器を学ばされることに悩んだり、知らぬ間にファリアとイングリドが火花を散らしていたりと、まだまだ前途多難? そんなとき、ファリアの隣国・インフェリア行きの話が持ち上がり、当然、カインらも同行することに……。
うん、面白かったです。作風的に地味な感じがしますが、主人公のカインが、成長していく過程がしっかりと描かれていて丁寧に思えます。周囲の友人たちや、彼を導く騎士たちの思い、あとはなんだか彼を気にしている侍女・イングリドと皇女・ファリアの険悪さとか、先が気になること気になること。
特に、イングリドとファリアの、致命的なまでの相性の悪さは、これからどう響いてくるのか。その中心にカインが居るんだけれど、どうにも彼不在で変な対決が続いていますが……。
そして、聖獣の力を手に入れんとするインフェリアの国でも、きな臭い動きが。前巻の引きが、こういう形で出てくるとは。そんな国を訪問したファリアたちの身には、もう一波乱・二波乱ありそうですね。因縁の対決も?
これまた良いところで続いているので、続刊が楽しみです。
hReview by ゆーいち , 2008/03/16
- ライタークロイス 2 (2) (富士見ファンタジア文庫 170-3)
- 川口 士
- 富士見書房 2007-12
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