──約束は、守れてる?
商品として変異種を売りさばく夫婦からの依頼で、エデンは乙種特別出動によるウェポンの派遣を決定し、そこにはシオンの姿もあった。一方、ルナはフィオナとともにとある調査に外界へ赴く。自らの力を扱いあぐねるルナにフィオナは語りかけ、彼はその力の使い方を知る。シオンたちが訪れた屋敷で出会う、彼女の知己。そこへ迫るエデンとは思想を異にする純血種の部隊。そして……。
[tegaki]来た来た来た来た![/tegaki]
黒藤原、大爆裂。もう、カロマインの虐殺っぷりが突き抜けすぎて笑えてしまう。何あの展開。主人公そっちのけで、個人的に一番盛り上がったのが、カロマインの少女拷問シーンってのはどうよ。まぁ、生け贄にされた彼らの誰も彼も、『人間』として、かなり歪んでいたので自業自得的な部分もあれど、やってくれちゃいましたね。これまでで一番非道かった。
まぁ、それはそれとして、シオンの過去の痕を、ぐりぐりと抉り付けて新しい傷に仕立て上げるような落としっぷりも見事。彼女の古い知人、ティーもたいがいシオンにロクでもないことしているし、シオンの過去の回想がこれまたエグくて痛いやら、最後の最後で救いめいたものを見せられたのが意外といえば意外なのですが。これからふたりの関係がどうなっていくかというのは、多分物語の本筋とは別の話。今まで得ることのなかった価値観を知り、彼女はどう生きていくんですかね。
そして、稀存種の7つある名が明かされ、ラスボスっぽい彼も登場。なんとも強敵みたいですが、そもそもの目的が謎。身内にもカロマインみたいな暴走しかかった不穏因子を抱えて、エデンは彼らとどう相対していくのか? 次巻はさらに怒濤の大激戦に発展しそう。
まぁ、この展開じゃあ、人によっては先へ進めないってのも十分ありそうだなあ。
ルナは、ようやく念願叶ってシオンとの共闘まで辿り着きましたが。ルナとシオンの不器用すぎる関係は微笑ましいんですが、これ、このままハッピーエンドで収まるって期待するのは、甘いですか?
hReview by ゆーいち , 2008/03/22
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